デイリー新潮Xアカウント(@dailyshincho)にてチェキプレゼントキャンペーンを開催中(撮影・徳重龍徳)

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 2024年にグラビアで活躍が目覚ましかった一人がグラエンサーのちーまき(19)だ。類まれなボディーを武器に、「FLASH」や「週刊SPA!」など多くの雑誌のグラビアを飾った。

 彼女を有名にしたのは、2023年、当時高校生だった時期に“下着PR案件”をSNSに投稿し退学となった一件だ。インタビュー後編では炎上騒動からグラビアデビュー、現在の活動について語ってもらった。(前後編の後編)

【写真】純粋さと不器用さを併せ持つ「ちーまき」 “騒動”を経て一昨年にはグラビアデビューを果たした

 PR案件をSNSで投稿したことで、修学旅行3日前に退学となったちーまきだが、実はその時点では世間では大きな騒動にはなっていなかった。退学から数日後、滝沢ガレソなど複数の迷惑系拡散アカウントが、ちーまきの情報をSNSで拡散させていった。

デイリー新潮Xアカウント(@dailyshincho)にてチェキプレゼントキャンペーンを開催中(撮影・徳重龍徳)

「大手のアカウントの3〜4つぐらいが同時に私の退学についての投稿を出しました。特にガレソさんがあげてバーっと広がりました。そのうちの2つのアカウントはDMを送ったら消してもらえたんですけど、ガレソさんは送っても消してくれなかったです」

 SNSの反応はちーまきに同情的だった。修学旅行3日前での退学だったこともあり、せめて修学旅行には行かせるべきとの声や、そもそも停学ではなく一発で退学とした高校側の対応を問題視する声、さらに下着の案件を高校生にオファーした企業側の姿勢を問うものもあった。

SNSで退学のことが拡散すると弁護士さんからDMがいっぱい来ました。『退学は間違いだから』と同情してくれる人も多くて。私自身が叩かれたと言うより、案件を送ってきた企業が叩かれたので、そこはすごく申し訳ない気持ちになりました」

 ちーまき自身は退学自体に実はショックを受けていなかったという。

「すぐに通信制のN高(N高等学校)に行こうとなりました。校則が厳しいのが嫌で、3年生になったら通信に切り替えてもいいなとは思って、退学の前から調べてたんです。縛られるの嫌だなと思って」

 退学後はすぐにN高へと編入し、今年5月には卒業をSNSで報告している。

グラビアデビューも…「全然慣れません」

 退学後のちーまきにグラビアのオファーをしたメディアがあった。「週刊プレイボーイ」だ。一旦はオファーを保留していたちーまきだが、「BLACKPINK」の東京ドーム公演で上京するタイミングで、一度編集部へと遊びに行くことになった。

「週プレの編集部に行った時に『誰か好きな子いる?』と聞かれて、乃木坂46の大園桃子さんって答えたら、表紙になってる週プレをもらえたんですよ。『桃子さんが出ている雑誌なら出てもいいな』と思いました。芸能界には全然興味なかったです。ただ水着になること自体は抵抗がないんです。その面会の時に『来月、グラビア撮りましょう』と言われて、次の月にはデビューしました」

 こうして退学から8か月後の2023年にちーまきはグラビアデビューを果たした。現在はグラビアインフルエンサーをかけ合わせた“グラエンサー”と呼ばれることも多いが、本人は「芸能人でもインフルエンサーでもないです。ただの一般人です」と否定する。特別に扱われることに居心地の悪さを感じているように見えた。

 それでもグラビアデビューすると、瞬く間に色々な雑誌のグラビアを飾った。人を惹きつける確かな光がそこにはあった。

グラビアの撮影は全然慣れません。大人がいっぱいいる撮影場所に行くのは緊張します。グラビアの写真を撮った時、『笑顔になってくださいと言われてもなかなかできないです。笑顔が下手くそなんで。でもグラビア自体は楽しいです。色々なスタジオに行けるし、ケータリングのご飯だったりお菓子を食べるのが幸せです。この間、山梨に行った時にはシャインマスカットがあって、めっちゃ美味しかったです」

 実際にグラビアを見るのも好きで、紀内乃秋や菊地姫奈など気になったグラビアアイドルの写真集や雑誌は購入しているという。

大学合格も父から「未来は見えてる」

 実はちーまきはN高卒業後、一度は東京の大学を受験し、合格。しかし父親に反対され断念している。

「高校を退学したから、お父さんから信用されてないんです。大学を受験することは誰にも言わず、自分で全部手続きしました。大学に合格してから言おうと思って。それで合格したら『お金がないとかじゃなくて、そのお金を無駄にする未来は見えてる』と言われて、結局あきらめました」

 父には大学の代わりに「何か手に職をつけるように」と言われ、一度は専門学校に行こうかと思ったが、学びたい分野がなかった。

 何かを見つけようとは思っても、したいことが見つからない。そんな中、改めて大学入学を目指し、先日公募推薦での入学が決まった。

 やりたいことがなかなか見つからないのは芸能界でも同じだ。デビューから1年以上がたった現在も、芸能界で今後も生きていこうとは全く思っていないという。

グラビアは10代でやめてもいい

 そのちーまきが唯一したいこととして挙げたのが恋愛リアリティーショーへの出演だ。

「恋リアには一回出てみたいです。めちゃ面白そうじゃないですか! 『オオカミくんには騙されない』の高橋文哉さんの出ている回がすごく好きなんです。バラエティーとか演技ですか? 絶対に向いてないです(苦笑)」

 グラビアについても必要とされればやると話すが、自分の中での区切りを決めている。

「10代が終わったらやめてもいいなって思っています。グラビアは楽しいですけど、20代にはもっと綺麗なお姉さんがたくさんいるじゃないですか? だからそういう人と自分を比べて病んじゃいそうな気がするので...」

 そこには自分への自信のなさがうかがえる。

 SNSはやり続けているが、メンタルはどちらかというと弱い。鍵アカウントになったり、時にアカウント自体が消されてしまうこともある。つい、先日もXのアカウントが鍵垢になっていた。

SNSで投稿すると、たまに知らない界隈からめっちゃ引用リツイートとかDMが来るんです。そうすると少なからず自分って影響があるんだなと実感するんですけど、そう考えると怖くなってきて鍵をつけました」

 おそらく本質的にはSNSは向いていないかもしれない。ただ、強いメンタルや強気の姿勢が多い芸能界で、こうしたすれていないところが、ちーまきの魅力の一つだ。純粋さと不器用さを併せ持つ彼女がどんな物語を紡ぐのだろうか。

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 そもそもPR案件はやっていなかったちーまきだったが「単純に欲しくて」下着案件を受けたそう。その経緯は【なぜ下着姿をSNSに載せたのか…消せと言われて「無理です」 高校退学のちーまき(19)が騒動を振り返る】で詳しく語ってくれている。

徳重龍徳(とくしげ・たつのり)
ライター。グラビア評論家。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。2016年にウェブメディアに移籍し、著名人のインタビューを担当した。その後、テレビ局のオウンドメディア編集長を経て、現在はフリーライターとして雑誌、ウェブで記事を執筆している。2025年1月24日には日本初のグラビアガイドブック「一度は見たい! アイドル&グラビア名作写真集ガイド」(玄光社)が発売される。 X:@tatsunoritoku

デイリー新潮編集部