2024年の大統領選挙で、「残りのビットコインはすべてアメリカ産にする」との公約を掲げて当選したドナルド・トランプ氏が、証券取引委員会(SEC)の次期委員長に、元SEC委員であるポール・アトキンス氏を指名すると発表しました。仮想通貨企業のCEOで、仮想通貨の推進派として有名なアトキンス氏が規制当局のトップに就任することで、規制緩和や仮想通貨市場の自由化に弾みがつくとみられており、これを受けてビットコインは最高値を更新しました。

Trump plans to nominate Paul Atkins as SEC chair in crypto-friendly move

https://www.cnbc.com/2024/12/04/trump-plans-to-nominate-paul-atkins-as-sec-chair.html

トランプ氏は、自身が設立したソーシャルメディア・Truth Socialへの投稿で、証券取引委員会(SEC)の次期委員長にポール・アトキンス氏を指名したと発表しました。



アトキンス氏は、ジョージ・W・ブッシュ政権下の2002〜2008年にSECの委員を務めた後、仮想通貨関連のコンサルティング会社であるPatomak Global Partnersを設立し、記事作成時点でもそのCEOを務めています。また、2017年からは仮想通貨業界のロビー団体・Chamber of Digital Commerce(デジタル商工会議所)の取り組みであるToken Allianceの共同議長も務めています。

トランプ氏は発表の中で、アトキンス氏について「ポールには、常識的な規制を推進するリーダーとしての実績があります。彼は、投資家のニーズに応え、資本提供を通じて我が国の経済を世界最高にするという、強力で革新的な資本市場の将来性を確信しています。また、アメリカをかつてないほど偉大な国にするためには、デジタル資産やその他のイノベーションが不可欠だということもよく知っています」と評価しました。

アトキンス氏の指名が議会に承認された場合、仮想通貨の規制派として知られているゲイリー・ゲンスラー委員長の後任としてアトキンス氏がSECを率いることになります。

トランプ氏は、選挙期間中から「ゲンスラー委員長をクビにする」と宣言しており、ゲンスラー委員長は今回の指名発表に先立つ2024年11月に辞任する意向を表明していました。



by Third Way Think Tank

後任となるアトキンス氏は、仮想通貨の推進派の立場をとる一方で、2008年の世界的金融危機の際に制定された規制法であるドッド・フランク法は銀行業界への負担が大きすぎるとして批判してきました。

アトキンス氏の指名が発表されたことでビットコイン市場は盛り上がりを見せており、ビットコイン価格は初めて10万ドル(約1500万円)を突破しました。