【山村 佳子】43歳臨月の妻が見た「真面目な夫」の激変…SNSでキャバ嬢にハマった男の末路

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「SNSは大人も安全に使うのが難しく、オーストラリアで16歳以下の規制法案が通ったのも納得します。最近、浮気調査で増えているのは、相手との出会いの場がSNSというケース。特に無作為に表示されるリール動画や投稿から、不適切な関係になる傾向があります」の代表だ。

今回山村さんのところに依頼してきたのは43歳の久美子さん(仮名)。大企業に勤務するバリキャリだ。夫は同じ年で、高校の卒業後20周年パーティで出会い、結婚5年目だ。久美子さんが調査を依頼した時は第一子妊娠中。

前編「妊娠を機に43歳夫がSNS漬け…同窓会で再会して結婚した妻が見た「500万円の預金」の激変」で詳細を伝えたように、夫はもともと真面目な人で、再婚だった久美子さんはとても幸せな結婚生活をしていた。しかし妊娠したのを機に、高齢出産でもあり、妊娠後に性交渉を休むことにしたあと、夫がSNS漬けとなり、そこから歯車が狂っていく。

連絡が取れずに帰らないこともあり、調べると500万円あった共同預金の口座には415円しか残っていなかったことが発覚したのだという。しかもキャバクラや、高額なブランド品の領収書が見つかり、さらに久美子さんの実家から200万円をだまし取っていたことも発覚。「真面目でいい人」だったはずの夫に問いただそうと連絡をしても、LINEもメッセンジャーもインスタのDMもなしのつぶてだという。果たして調査の結果は……。

同窓会で再会、会って1ヵ月で入籍

久美子さんが調査を依頼するまでの夫婦関係を振り返ります。久美子さんは、金融関係の会社に勤務しており現在は産休中です。同じ年の夫は、名門県立高校の同級生。卒業後20年を記念した同窓会で5年前に再会しました。

当時、38歳の久美子さんは、この会で、出席者のほとんどが、安定したキャリアを築きながら、子供を産み育てていることに気づきます。我が身を振り返ると、バリキャリとして活躍していましたが、離婚しており、現在は独身。「私はスペックが足りない」と思った久美子さんは、結婚し、子供を育てる未来を願います。そんな時に、会場で研究者として活躍している夫と意気投合したのです。夫は久美子さんが初恋の相手だったこともあり、お互いの気が合い、再会から1ヵ月で入籍。結婚4年目に自然妊娠。高齢出産のリスクを考え、妊娠期間中の夫婦生活は一時休止。夫はセルフプレジャーのために寝室を分けることにしました。

夫は結婚まで、友達との交流をFacebookとInstagramで行なっており、寝落ちするまでスマホ見るという生活をしていましたが、結婚を機にその習慣を辞めていました。しかし、寝室を分けることで復活。

今、これらのSNSのアプリには、友人・知人とは全く関係ないThreads(スレッズ)というSNSの投稿が表示されるようになっています。

夫はリビングでもキャバ嬢らしき女性のThreadsを読んでいるところを見かけます。

しかし、久美子さんは、夫への信頼もあり「最近、キャバクラの話題が増えたな」程度しか思っていませんでした。しかし、久美子さんの実家から「あなたが体調不良だというから、婿さんに200万円渡した」という連絡で、明らかな異変を確信。

貯金残高を確認すると、数ヵ月で500万円も減っていることが発覚。夫がキャバ嬢にのめり込んでいる可能性がることに気づきます。

そのことを電話で問い詰めると、夫は電話もメッセージアプリも無視して、一晩中帰りませんでした。

夫の部屋をガサ入れすると、高級旅館の宿泊費、バッグ、財布、ジュエリー、デパートコスメなど、プレゼントの購入費、総額約60万円分のレシートが……。翌朝、久美子さんは離婚を意識し、相談に来たのです。

明らかに夫が悪いのに、証拠を押さえようと思ったのは、夫は一人息子で、義両親はで溺愛する息子のためなら、なんでもするタイプだからだといいます。しかも、親戚に弁護士も多く、確たる証拠をつかむ必要があるのだとか。

キャバ嬢やホストとの交際は、金の切れ目が縁の切れ目になることが多いのです。つまり、夫が久美子さんの実家からだまし取った200万円がある間に証拠は押さえられるだろうと考えました。妊娠中の久美子さんが心身ともに心配です。

親戚の家にいた

夫の性格を考えると、仕事に穴をあけることはないと思われます。久美子さんは「夫は、結局、日曜日も帰ってきませんでした。月曜日、ここから出勤すると思います」と都内の住所を教えてくれました。そこは、夫の伯父夫妻の家とのこと。彼らは現在高齢者住宅に住んでいるのですが、現在海外勤務中の夫の従兄弟が帰国するまで、住める状態を維持したい。そこで夫は、この広い一戸建てに月に1〜2回行っては、窓を開けるなど、簡単にメンテナンスをしているそうです。東京都心にある久美子さん夫妻のマンションから1時間以上かかるために、時々泊まることもあると話していました。

朝、7時から張り込みをしていると、確かに夫が出てきました。久美子さんも小柄で細い方ですが、夫もスレンダー。整った顔立ちをしており、真面目そうな雰囲気でした。

夫は浮ついたところがなく、メガネにジャケット、ビジネスリュックを背負った堅実な外見をしています。育ちが良さそうなファッションがよく似合っています。それにしても、一切連絡もせず、臨月の妻の身体などが心配にはならないのでしょうか。

それなのに、歩き始めるとセカセカとしており、さらにスマホの画面を凝視している。駅まで10分ほど歩いてから、埼玉方面の電車に乗りました。そこから1時間程度、ある駅から15分程度歩いた勤務先の研究所に入っていきます。敷地は広大ですが、機密保持の問題のためでしょうか、出入り口は1つしかありません。私たちはそこで待機しました。

デート相手はキャバ嬢として働く女子大生

19時すぎにゲートから出てきた夫は、かなりの小走りで、駅まで急ぎ、電車に乗り込みます。そこから2時間ほどかけて、東京都心の歓楽街がある駅へ。そして、寿司店に入っていきます。

そこで待っていたのは、明らかにキャバクラに勤務しているだろうと思われる女性。2人は恋人同士のような雰囲気でした。女性は背が高く肉感的で、若く、20代前半かなと思われました。会話を聞いていると彼女は大学生で、家が貧しいために、自力で学費を払いながら通学していると話していました。

夫は、彼女の太ももに手を当てながら話しており、時々いやらしく触りながら女性の反応を楽しんでいる様子です。

彼女は貝の刺身が苦手なようで、夫に「アーン」と食べさせている。夫は「おいちいねえ」などと赤ちゃん言葉を使っていました。

ここでの会話から、夫と女性は今週末に、再び旅行に行くことがわかりました。おそらく、今日は動きがない。調査初日は、夫が親戚宅に帰宅するまでを見届け、調査を終えました。

「旅行に行く」と言った日の朝、再び夫の親戚宅で張り込みをスタート。11時に出てきた夫はガレージに入り、外車に乗ります。東京都心方面に走り、あるタワマンの前で停車。すると、彼女が車に乗り込みました。彼女は貧しく学費を稼いでいると言っていましたが、貧しいどころか、かなり羽振りがいいように見えます。

車は房総方面へと走り、海ほたるで休憩。2人は手を繋ぎ、ソフトクリームを食べたりして、完全なデート状態。彼女は夫に、「アーン」と言って、魚の唐揚げを食べさせたり、口を拭いてあげたりし、夫はデレデレしています。

40万円ものブランド品を…

その後、ショッピングセンターで買い物。彼女はハイブランドのお店に入ると「安い!」と大きな声で叫びつつ、服やバッグなどをおねだり。「私が着たら、可愛いと思うの〜」などと言って試着室へ。

店員さんもインバウンド客でごった返す中、つきっきりで買い物の世話をしており、彼女が欲しいと言ったものは断れないような雰囲気になっていました。そして、ドレスと靴、バッグとパーカーを買うことに決め、夫がカードを切った。その金額は40万円程度でした。

それから夫と女性は人気の和モダンな旅館へ。私たちも入ろうとしましたが満室でした。しかし、20時に再度電話をすると「素泊まりなら対応できます」と。部屋は奇跡的に、夫と彼女の部屋の隣でした。

22時に夫と彼女が家族風呂に入ろうと出てきたタイミングを追い、集音マイクを設置。性交渉の最中の音声を録音しました。彼女は声が大きく、夫の名前を連呼しているので、揺るがぬ証拠になりそうです。

久美子さんから「夫は射精をすると寝てしまう」と聞いていたので、部屋まで戻れるか心配でしたが、ふらふらになりながらも帰ってきて、そのまま寝てしまったようです。

私たちは、彼女がロビーに出てきて、友達と電話をするだろうと確信し、ロビーで待機。彼女は電話ではなくSNSのライブをスタート。「今、カレピと旅行に来ているよ」から始まり、美貌やメンタルの維持のやり方、男からどのように金を引っ張るかなどを30分ほどライブ中継していました。夫はこういうライブを見たらどう思うのでしょうか。「カレピ」だから自分はお金を引っ張られていないと思うのでしょうか。

「本命彼氏」と電話で…

その後、本命の彼氏らしき男性と、イヤホンをつけて話しつつ、InstagramやThreadsなどに投稿。イイネをつけたり、リプライしたり、コメントを書き込んだりを繰り返しています。結局、深夜3時までスマホと睨めっこしていました。

翌朝、朝食会場には姿を見せませんでした。チェックアウトの11時にバタバタと出てきて、慌てて車に乗り込み、東京へ。

夫は、女性のタワマンまで送り届け、女性が「バイバイ」と降りようとすると、夫はその手を強引に引っ張って、女性の頭を抱き抱えるように濃厚なキスをしていました。いつまでもキスをやめない夫の手を女性は上手に振り解き。女性から夫の唇にキス。

夫がトランクから一生懸命、巨大な買い物袋と、重そうなバッグを持ち女性に渡します。車が走り去ると、女性は口を拭い、地面に唾を吐き出していました。そこから入れ替わるように、首にまでタトゥが入った筋肉質な男性が女性のところに来て、荷物を軽々と持ってタワマンの中に入っていきました。完全に夫は「カモ」だとわかり、夫を哀れに感じてしまいます。

「バツ2になっちゃいました」

以上を久美子さんに報告すると、「キモっ」と一言。愛情や信頼も一気に冷めたようで、「バツ2になっちゃいました」としんみりと話しています。「ここまで証拠を取ってもらっても、夫側は本当に頭がいいので、交渉は直接したくありません」と、弁護士をたてて、夫側とやりとりすることに。その結果、夫がキャバ嬢にハマった経緯は、久美子さんの想像通り、SNSだとわかったそうです。

「夫はエリートだし容姿も悪くない。だから若いころモテまくっていたそうです。ただ相手は非正規雇用の女性が多かった。夫もそれで二の足を踏んでいたそうです。あとは、夫の両親が“頭の悪い女を家に入れたくない”と妨害したこともあるみたい。夫の両親は一人息子をいつまでも自分の息子として繋ぎ止めておきたかったみたいですね」

夫はそれを知っていたから、1ヵ月で久美子さんとスピード入籍。久美子さんと結婚したのは、年収の高さと社会的地位の安定があり、両親が納得すると思ったから。夫は共働き家庭に育っていることもあり、専業主婦願望がある女性を避けていたそうです。

「Threadsを見るうちに、キャバクラにハマったのは、風俗嫌いなのに性欲が強いからみたいです。あの女の子が投稿に書いている、キャバ嬢の仕事内容に興味を持ち、Instagramのライブで谷間を見せており、触れたいと思ったのだとか。そしてあっという間に手玉に取られて深入りしたんですよ。“父親になることが不安で、逃げてしまった”と泣いていたそうですが、それもまた気持ち悪い」

「パパ活キャバ嬢」の金づるだった

この仕事をしていて思いますが、モテていて真面目だった男性が、40代半ば以降に、風俗嬢やキャバ嬢など、接客のプロにのめり込むケースは多々あります。年齢を重ねてモテなくなるという不安を抱くのでしょうか。ちなみに夫がお金を貢いでいた女子大生は「パパ活キャバ嬢」でした。夫は時に50万のシャンパンを入れるなどしており、完全にカモになっていたのです。2024年はお金を巻き上げるやり方を共有し、逮捕されて公判中の「頂き女子りりちゃん」が話題になりましたが、SNSを使ったパパ活は本当に広がっています。「パパ活」というとなんとなく微笑ましい言葉ですが、恋愛心を使った詐欺のようなものではないでしょうか。

結局、久美子さんは離婚して、子供は一人で産み育てることにしました。夫側は「離婚したくない」とごね、義両親は「離婚してやってもいいけれど、子供は置いていけ」と迫ったそうです。しかし過失は完全に夫側にありますし、久美子さんは経済力もあります。当然その要求を弁護士が突っぱねました。長引かせずにさっさを決着をつけたいという久美子さんの希望から、200万円の借金返済と、夫が使い込んだ夫婦の貯金のうち250万円を返金してもらっただけで終わったそうです。

「夫側と話すほど気持ち悪くなるので、関係を完全に断つためにも慰謝料や養育費は一切もらわないことにしました。精子バンクで子供を授かったと思って、育てることにします」と久美子さんは明るい声で語っていました。

生まれる子供は、久美子さんのように胆力ある母親に育てられて、きっと自分の道を開拓していくでしょう。

11月末にはオーストラリアで16歳以下の子供へのSNS規制法が可決されましたが、闇バイトしかり、このようなパパ活しかり、SNSの問題は子供だけのことではありません。SNSはとても便利なツールですが、犯罪と隣り合わせでもあることを改めて感じさせられます。

子供が生まれることが怖かったとSNSに逃げ、妻との共同貯金を使い果たし、妻の実家まで騙していた夫が、自分が騙されていた現実に向き合い、新たな生活を進むことを祈ります。

調査料金は25万円(経費別)です。

妊娠を機に43歳夫がSNS漬け…同窓会で再会し結婚した妻が見た「500万円の預金」の激変