チャットAI「ChatGPT」などを開発するOpenAIが、フランスやスペインの大手日刊紙である「Le Monde」「Prisa Media」を含む複数のメディアとフランス語やスペイン語のニュースコンテンツをChatGPTに導入する契約を締結しました。この契約は、アメリカの日刊紙であるニューヨーク・タイムズがOpenAIを著作権侵害で提訴し、法廷闘争が続く中で発表されました。

Global news partnerships: Le Monde and Prisa Media

https://openai.com/blog/global-news-partnerships-le-monde-and-prisa-media



Le Monde and Open AI sign partnership agreement on artificial intelligence

https://www.lemonde.fr/en/about-us/article/2024/03/13/le-monde-signs-artificial-intelligence-partnership-agreement-with-open-ai_6615418_115.html

OpenAI’s deals with publishers could spell trouble for rivals | TechCrunch

https://techcrunch.com/2024/03/13/are-openais-deals-with-publishers-edging-out-the-competition/

今回OpenAIとパートナーシップ契約を締結したのは、Le MondeやPrisa Mediaのほか、El País、Cinco Días、As、El Huffpostなどの日刊紙およびニュースパブリッシャーです。

OpenAIによると、ChatGPTユーザーは今後数カ月の間に、一部の回答でLe MondeやPrisa Mediaなどの記事の要約を読むことができるようになります。また、生成された回答には記事の出どころや、元記事にアクセスできる「強化リンク」が設けられ、それぞれのニュースサイトにアクセスして追加情報や関連記事を閲覧することが可能です。

OpenAIのブラッド・ライトキャップCOOは「私たちは、新しいAIテクノロジーを適用して、コンテンツクリエイターの地位向上に努め、ジャーナリズムの支援に専念しています。今回のパートナーシップ契約の締結は、世界中のChatGPTユーザーが、インタラクティブで洞察力に富んだ新しい方法でニュースとつながることを実現させるのが目的です」と述べています。



Prisa Mariaのカルロス・ヌニェスCEOは「OpenAIと力を合わせることで、ユーザーとの関係に新たな活路が見いだせます。ChatGPTの機能を活用することで、詳細で質の高いジャーナリズムを斬新な方法で提示し、信頼できるコンテンツを求めるユーザーにニュースを届けることが可能です。これは、テクノロジーと人間が融合した、読者の体験を豊かにする、ニュースの未来に向けた第一歩です」と語りました。

OpenAIはニュースコンテンツをChatGPTに取り込む手法をめぐって、メディア企業と対立するのではなく、パートナーシップ契約を締結する方向性を示しています。これまでにOpenAIはPoliticoやBusiness Insiderなどのメディアを保有するアクセル・シュプリンガーやAP通信などと契約を結んでおり、各メディアはOpenAIからの支払いを受けることでコンテンツの利用を許可しています。





一方でスタートアップのScreendoorの共同設立者であるハンター・ウォーク氏は「OpenAIやGoogleなどのAI開発企業がさまざまな企業とパートナーシップ契約を締結することは、ライセンス契約の面で競合他社にとっての大きな参入障壁となっています」と批判しました。

また、ニューヨーク・タイムズは「著作権で保護されたニューヨーク・タイムズの記事を許可なく使用してChatGPTなどを構築した」ことを理由にOpenAIに対して訴訟を提起しており、今回のLe MondeやPrisa Mediaとのパートナーシップ契約の締結はOpenAIとニューヨーク・タイムズとの法廷闘争が続く中で発表されました。

大手日刊紙のニューヨーク・タイムズがOpenAIとMicrosoftを著作権侵害で提訴 - GIGAZINE



なお、今回の契約について、OpenAIやLe Monde、Prisa Mediaなどは取引条件を開示していません。