八田與一技師の慰霊祭 頼副総統、台湾と日本の関係深化に期待

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(台南中央社)南部・台南市烏山頭ダムで8日、日本統治時代の台湾で水利施設の建設などに尽力した日本人技師、八田與一の慰霊祭が行われた。式典に出席した頼清徳(らいせいとく)副総統は、八田が手掛けた同ダムが交流のプラットフォームとなり、台日間で家族のような感情が育まれているとし、関係のさらなる深化と地域の平和維持に期待を寄せた。

八田は同ダムや嘉南大圳などを建設し、台南や南部・嘉義などにまたがる嘉南平原での農作物の生産性を向上させた。頼氏は、ダム建設前の引き水は容易ではなく、農民の生活は非常に苦しかったと振り返った上で、八田は2年の構想の後、台湾総督府の支持を得て、米国や英国から最先端の設備を購入し、10年かけて完成させたと説明。これまで水害や地震などの天災の試練も乗り越えたとして、敬服すると述べた。

またダムは当初、かんがいのために建設されたが、現在その水は半導体大手、台湾積体電路製造(TSMC)の工場でも使われているとし、台湾の人々、特に台南市民は八田に心の底から感謝していると語った。

黄偉哲(こういてつ)台南市長は、最近になり、祖父の黄濱田氏が嘉南大圳の管理機関に勤務していた際に撮られた写真を友人から受け取ったと明かした。写真には「八田技師の遺業を維持して営運して来たひとたち」と書かれており、八田が台湾の水利事業で非常に大きな貢献を残したことを伝えていると語った。

黄氏によると、写真は八田の孫、八田修一さんに手渡されたという。

(楊思瑞/編集:齊藤啓介)