エエヤンが直線で抜け出しニュージーランドTを勝利(撮影:下野雄規)

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【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆先週の血統ピックアップ

・4/8 ニュージーランドT(GII・中山・芝1600m)

 好位につけたエエヤンが直線で危なげなく抜け出しました。父シルバーステートにとってウォーターナビレラに次ぐ2頭目の重賞勝ち馬で、2世代連続で重賞勝ち馬が誕生したことになります。初年度の種付け料は80万円、2年目が100万円と安く、繁殖牝馬のレベルもそれなりのものでしかありませんでしたが、すでに重賞で馬券圏内に入った馬は上記の2頭を含め6頭を数えます。昨年から種付け料は600万円に上がっており、繁殖牝馬の質も改善されています。現当歳がやがてどんなパフォーマンスを繰り広げるのか楽しみです。

 本馬はプレイアンドリアル(京成杯)の半弟。父がディープインパクト系、母の父がティンバーカントリーですから、京都大賞典など重賞を3勝したラストインパクト(父ディープインパクト、母の父ティンバーカントリー)に似ています。また、2代母シルクフレアーは「ダンジグ×アリダー」という組み合わせですが、2代父ディープインパクトはこの組み合わせを抱えた配合が成功しており、たとえばジェンティルドンナの母の父ベルトリーニ、サトノダイヤモンドの母の父の父ルアーは、いずれも「ダンジグ×アリダー」です。

 ティンバーカントリーを持つなど全体的にパワー色が強めの配合なので、少し渋った馬場も良かったのでしょう。シルバーステート産駒は中山で抜群の成績を残し、東京は不振なので、NHKマイルCでは過信できません。

◆今週の血統Tips

 2023年の総合リーディングサイアーは、桜花賞終了時点で1位ロードカナロア、2位ドゥラメンテ、3位ディープインパクトの順。昨年まで11年連続首位の座にあったディープインパクトは、海外でもG1を30勝しており、国際的にもきわめて高い評価を得ていた大種牡馬でした。

 しかし、2019年に死んでしまったため、今年は稼働産駒数が少なく、首位を維持するのは困難な状況です。そろそろPOGの季節がやってきますが、どの2歳馬を指名したらいいのかという点に関して、数年前まではディープ産駒の良血馬から選ぶのが常識でした。ところが、この大黒柱を失ってしまったいま、代わりの種牡馬が見当たりません。その結果、良血牝馬の交配相手が分散してしまい、以前に比べて当たりを見つけるのが難しくなっています。

 なおかつ、ノーザンファームの獲得賞金シェアが少しずつ下がり、社台ファーム以下が盛り返している状況なので、ノーザンファームの馬だけ検討すればいいという時代も過去のものとなった感があります。大混戦時代に突入したPOGは、それだけにおもしろいといえるかもしれません。