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2015年・18年・21年で、だんだん板チョコレートが小さくなってる――。そんな真偽不明のツイッター投稿が拡散した。

大手菓子メーカーの明治(東京都中央区)・ロッテ(東京都新宿区)・森永製菓(東京都港区)は、J-CASTニュースの取材に対し、2015年以降に内容量が減った板チョコレートはないと否定した。

誤情報ではないかと指摘を受けた投稿者も、誤った情報を投稿したと認めた上で、反省の意を示した。すでに投稿は削除している。

「2015年以降に内容量が減った」投稿拡散も...3社が否定

話題の発端は、とあるユーザーによる23年1月16日のツイートだ。「板チョコ1枚」との記載があるネット上のレシピについて、15年・18年・21年で板チョコレートの重さが減っているため、気を付けるべきだと注意喚起していた。

このツイートは1月23日までに2万9000件以上のリツイートや7万3000件以上のいいねを集めるなど話題になり、他のユーザーから「貴重な情報ありがとうございました」「確かに小さくなってる」などと信じるような声が相次いだ。一方で、一部からは「グラムが違うというのは誤情報」などの指摘が上がった。

J-CASTニュースは1月20日、日経産業新聞の16年8月25日付記事で、チョコレートの国内生産額シェアが高いとされた上位5社のうち、板チョコレートを販売している明治・ロッテ・森永製菓の3社に取材した。

明治・ロッテ・森永製菓は1月20日、J-CASTニュースの取材に対し、2015年以降に内容量が減った板チョコレートは、「特にございません」(明治)「該当の商品はございません」(ロッテ)「販売はございません」(森永製菓)とそれぞれ回答した。

明治によれば、同社が販売する「明治ミルクチョコレート」は、14年7月に55グラムから50グラムに変更されてから、内容量に変化はない。価格面では、15年7月に参考小売価格を100円から110円に変更し、22年5月からは出荷価格を改定している。

ロッテによれば、同社が販売する「ガーナミルク」は、12年9月に58グラムから55グラム、14年9月に55グラムから50グラムに変更されてから、内容量に変化はない。価格面では、15年7月に想定小売価格を100円から110円に変更し、22年7月からは出荷価格を約3%から9%引き上げている。

森永製菓によれば、同社が販売する「森永ミルクチョコレート」は、14年9月に55グラムから50グラムに変更されてから、内容量に変化はない。価格面では、15年に出荷価格を約10%上げたものの、それ以降に価格改定は行われていない。

「記憶だけで裏取りせずにツイート」

拡散したツイートを投稿したユーザーは1月23日、ツイッターで「誤った情報を記載しておりました」と投稿している。また、今回話題になった投稿も1月24日19時までに削除している。

このユーザーは1月24日、今回の件について「誤った情報の拡散で同社(編注:明治・ロッテ・森永製菓の3社)にお勤めの方など少なからず不快に思われたのではと思い、そこについては非常に申し訳ないことをしたな...と思っております」と取材に答えた。投稿が拡散した後、匿名ツールを使った攻撃が届いているため、ツイートを削除したという。

誤った情報を投稿した経緯については、「グラム当たりの単価の上昇について目にした記憶があり、記憶だけで裏取りせずにツイートしております」と説明している。