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積算8402km BEVでフランスを目指す旅へ

BMW iXでドーバー海峡を渡り、航続距離以上の自動車旅行に挑んだ筆者。初日はフランス・パリの北東、ランスで過ごしたが、翌日は130kmほど南にあるトロワへ向かった。

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このトロワはランスより大きい街で、充電器の選択肢も多い。充電ケーブルの接続や支払いは至って簡単だった。ランスからの走行で減ったぶんの充電料金は、12ユーロ(約1800円)。英国ほど、電気料金は高騰していないようだ。


BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

フランスの高速道路は、130km/hが制限速度。一定時間走行したことで、このスピードなら満充電で約370km走れるという、ある程度正確な予測が可能になった。これから英国の自宅まで約570km残っているが、1度の充電で戻る計画を組んでみた。

帰りの充電でベストといえそうな場所が、ユーロトンネルの入口があるカレーの手前、パリの北東に位置するサン・カンタン。トイレ休憩と、フランス最後のコーヒーを味わうのにちょうど良さそうだ。

このサン・カンタンにはテスラ社の急速充電器、スーパーチャージャーが設置されており、BMWも利用可能。iXを195kW近い速さで充電することができた。

テスラもBMWも、充電速度や駆動用バッテリーの状態をリアルタイムで確認できる、スマートフォン・アプリを提供している。充電器へ接続して、すぐ隣のショッピングセンターへ入るまでに、既に5%も充電量が増えていたのには驚いた。

1370kmの移動でも事前計画を立てれば順調

ショッピングセンターのカフェで、怪しいフランス語を駆使してカプチーノを頼んだ頃には、さらに10%増えていた。自宅へ戻るのに必要な85%以上へ回復させようと考えていたが、かなりの速さで実際は30分も掛からなかった。

一方で利用料金はお高め。58kWhの電気を蓄えて、39.4ユーロ(約5800円)を支払った。充電効率と利用環境を考えれば、納得できる価格とはいえるだろう。


BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

さらにホットチョコレートを追加して、フランス北部、ドーバー海峡へ面したカレーへ。
ユーロトンネルを潜る車載列車へも、予定通りに乗ることができた。

グレートブリテン島へ再上陸してからは、少し寄り道しながら自宅を目指したため、距離は約160km。筆者のつたない計算はほぼ正確だったようで、到着した時点での駆動用バッテリーの残量は8%と、余裕を持ってフランスへの自動車旅行を終えた。

今回の旅では、電気不足の不安は一度も抱かずに済んでいる。ガソリンスタンドを事前に調べることはないと思うが、事前に充電場所を計画していたことが大きいだろう。

少なくとも今回は、往復で約1370kmという航続距離を超える移動も、BMW iXなら順調にこなせることを実証できたと思う。予め、代替案も含めた充電計画を立てておけば。

自宅で駆動用バッテリーを100%まで回復させたぶんも含めて、最終的にiXの充電に掛かった費用は98.3ポンド(約1万6000円)。電費効率は4.0km/kWhとなった。

上質でリラックスできるiXなら疲れ知らず

同じ距離をディーゼルエンジンを積んだBMW X5で走ったとすると、14.2km/L程度の燃費で188ポンド(約3万1000円)掛かる計算になる。エネルギーコストは約半分に収まっている。

筆者が見方を改めたのが、充電に費やした時間。バッテリーEV(BEV)の場合は、充電時間のおかげで内燃エンジンのクルマより移動時間が増えるという懸念を、長距離移動では抱くことが一般的だと思う。


BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

しかし、これは改善されつつある。ユーロトンネルの入口や、宿泊している夜間など、止まっている時間を有効に使うことで時間のロスは最小限に抑えられる。

フランスでの高速道路では、約370kmの走行毎に充電が必要になったが、急速充電器なら30分で完了できる。ドライバーが休憩を挟むのにも丁度いい。

内燃エンジンなら、給油は約10分で終わる。それでも今回の旅の場合、帰路の560kmで考えれば1度の充電で済んでいるから、20分しか違わない。

静かで快適で、広々としている、iXの特徴を堪能することもできた。長時間ステアリングホイールを握った後でも、これほど疲れ知らずなことは過去になかった。上質でリラックスできるiXの強みが、発揮されたといえる。

一方で、到着後に玄関ドアを開いて感じたことは、どこよりも自宅が1番だということ。楽しい旅は、すぐに思い出になってしまうのだった。

テストデータ

気に入っているトコロ

アクティブ・クルーズコントロール:これまで体験したシステムの中で、ベストの制御。先行車両の不意な減速でも車間距離を適切に保ちつつ、必要に応じた加速もしてくれる。

気に入らないトコロ

グレーのケーブル:iXの充電ケーブルはグレーなのだが、舗装に馴染んでしまい、つまづきそうになる。そこで途中に黄色い布を結んで、目立つようにしている。

テスト車について


BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)

モデル名:BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)
新車価格:9万9965ポンド(約1659万円)
テスト車の価格:11万6965ポンド(約1941万円)

テストの記録

航続距離:540km
電費:5.1km/kWh
故障:なし
出費:なし