街乗りSUVに最適 ブリヂストン・ブリザックVRX3 「断トツ」スタッドレスタイヤを北海道で試す
ブリザックVRX3にSUVサイズ
ブリヂストンのスタッドレスタイヤ、ブリザック・シリーズに、「ブリザック史上断トツ」というキャッチコピーを掲げたVRX3が新登場したのは昨シーズンのこと。
【画像】ブリザック史上「断トツ」のVRX3にSUVサイズ登場【北海道・旭川での試乗会の様子】 全43枚
今回はVRX3に新たなサイズが追加されたことを機に、北海道旭川の一般公道でプレス向けの試乗会が開催された。今回追加された12種類はSUV用に特化したサイズだ。

ブリザックVRX3にSUV用に特化した12サイズが追加された。 ブリヂストン
ブリザックVRX3は先代のVRX2と比較すると、定評のあった圧雪路やドライ&ウェット、そして低燃費や静粛性といった性能は同じレベルを維持しつつ、氷上性能とライフ性能を大幅に引き上げているという。
とくに目立つ数字は氷上性能で、ブレーキングにおける停止距離やコーナリングの膨らみといった部分においてVRX2比で20%の性能アップを実現しているという。
氷上性能向上の鍵は新たに採用したフレキシブル発砲ゴムに含まれる楕円の気泡で、この細長い気泡が毛細管現象で路面の水を吸い上げることでトレッドの密着が高められているとのこと。
雪国装着率ナンバー1をキープし続ける冬タイヤの定番は代替わりによって着実に進化を遂げているのである。
SUV向けとSUV専用設計の違い
今回のブリザックVRX3のSUVサイズ拡充で気になるのは、すでにブリヂストンはSUV専用開発のスタッドレスとしてブリザックDM-V3をラインナップしているという点だろう。
SUVユーザーはどうやって2種類のスタッドレスを選び分ければよいのか?

街中での普段づかいの多い今どきのSUVにはVRX3が適していると筆者。 ブリヂストン
これはVRX3の基本的なキャラクターを理解することで解決できる問題だ。
VRX3はもともとSUV車以外のサイズを多く揃え、シティユースを想定してリリースされたスタッドレスであり、冬タイヤとしての性能のみならず高い静粛性も持ちあわせている。
そして今回のサイズの追加に際して基本設計の範囲内でSUVに対応できることを確認するだけで、構造変更などはおこなっていない。
このことからも街乗りのクロスオーバーSUVにこそ最適なスタッドレスなのだとわかる。
一方のSUV専用のトレッドパターンを持つDM-V3は本来のSUV(高めの車高を持ち、山道に分け入っていくクロカン的なモデル)向けということのよう。
つまり街中で普段づかいすることが多い今どきのSUVならばVRX3を選んだ方が正解なのである。
柔らかさとリニアリティの共存
試乗当日の旭川の気温は−4から−10度程度、時折雪がぱらつく天候だった。
つまり氷上性能アップを体感するのに最適なコンディションではなかった。

VRX3は当たりの柔らかさが印象的で乗り心地も良いと筆者。画像の装着車はトヨタ・ハリアー。 ブリヂストン
だが現地の人に聞いてみると、表面が凍りはじめた圧雪の上に新雪が乗っているので滑りやすい路面状況だという。
旭川市街から旭岳の中腹に向かう際の試乗車は4WDのトヨタ・ハリアー。
最初に感じたのは「滑らない」ということだった。発進加速でもブレーキングでも交通の流れに乗って普通にドライブする限りタイヤが「ズルッ」と滑ることがない。
また圧雪路はアスファルトより凸凹が多いものだが、VRX3は当たりが柔らかい印象で乗り心地がいい。それでいて応答性が犠牲になっていない点もすばらしい。
旭岳の手前のトンネル内でドライ路面を走ることができ、そこで少しステアリングを切り返した感触によりアシではなくタイヤの当たりが柔らかいのだということを確認できた。
交差点付近が凍った街中を抜け、比較的真っすぐだがワダチがある国道から雪深くなる山道まで、圧雪路におけるVRX3の性能に死角は見当たらなかった。
AUTOCAR JAPANではすでに氷上とドライ路面でVRX3を試し、上々の感触を得ているので、今回の圧雪試乗により総合的な性能が確認できたことになる。
盤石のグリップで現れる個性
今回の試乗会ではハリアーのほかにヤリス・クロス、アウディQ5、そしてメルセデス・ベンツGLCという4台の試乗車でブリザックVRX3を体感することができた。
先に記したVRX3の当たりの柔らかさ、そして舵効きの良さという特性はすべての車種で感じられた。

ブリヂストン・ブリザックVRX3を装着したメルセデス・ベンツGLC。 ブリヂストン
また試乗している最中は「試乗車の個性をしっかりと反映させるタイヤ」という印象を抱いた。
路面を選ばずグリップが安定していると、安心感も生まれるが同時に「いい意味で」タイヤの存在を忘れそうになる時があるのだ。
とくに興味深かったのはスタビリティコントロールを切った状態のQ5とGLCのハンドリングの違いだった。
弱アンダーステア(前輪)からブレークしはじめるQ5に対し、GLCはリアが先に出はじめる。
だがどちらも軽くスロットルを踏んで待つと、トラクションがしっかりと掛かり車体がグイグイと前に出ていくことで狙ったとおりの走行ラインが保たれる。
基本的なグリップが足りないと、そのことばかりに意識がいってしまうが、クセのない高性能なスタッドレスタイヤはクルマの個性を上手く補完してくれるのである。
降雪地域において圧倒的なシェアを誇るブリザック。最新のVRX3は多くのドライバーに安心感を与えてくれるはずだ。
