自然言語処理AIは、文章要約、文字起こし要約もできる! バズグラフが実現する「タンテキ」の世界

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株式会社バズグラフが提供する「タンテキ」は、要約したい文章をコピーすると、AIで文章を要約するサービス。キーワードからニュースを検索することもできる。

この「タンテキ」をベースに誕生した、
・デスクトップアプリ「タンテキmini」
・音声から文字を起こして要約できる「聞取タンテキ」
これらを2022年5月に開催された「第2回量子コンピューティングEXPO【春】」のバズグラフのブースで、実際に触れることができた。


■AIによる文章解析力が秀逸
バズグラフは自然言語解析技術をベースにしたAIシステムを開発してきた。そのなかで蓄積された知識やノウハウを活かして、便利なソリューションをITサービスとして提供している。

代表的なサービスである文章要約AI「タンテキ」は、無料の会員登録により、独自開発の自然言語処理エンジンを駆使して、主にニュース記事を中心としたAIによる文章要約を可能であるが、WEBサービスであるため、インターネットに接続する必要があった。

「タンテキ」の利用者や、展示会でブースに立ち寄った来場者から「サイトにアクセスしないで、タンテキの要約機能を使いたい」との要望があり、デスクトップアプリ「タンテキmini」が誕生したという。

「タンテキmini」は文章要約だけでなく、圧縮要約率(%)や要約文字数を指定し、要約結果をテキストデータとして保存できる。また、過去の要約結果を履歴から閲覧・削除が可能であり、背景色のカスタマイズも可能だ。
さらに、ChromeやEdgeの拡張機能で「タンテキmini」を追加することにより、要約したい文章をドロップ選択して、右クリックで要約できるとのこと。

デモンストレーションでは、圧縮要約率を3行と指定したところ、1679文字のニュース記事を167文字に要約できた。要約の内容は正しいものであり、AIによる文章解析の優秀さが理解できた。

スタッフによれば、表現のゆらぎや、文法の乱れを正確に解析できないと、正しい要約ができないとのこと。とくにニュース記事は、書き手によってまったく異なる文章表現だったりするので、要約が難しい文章というのだ。
およその目安だが、60秒ぐらいかかる文章を、「タンテキ」なら5秒の文章にしてくれる。


長い文章のニュース記事を読見続けていると、目が疲れる。「タンテキmini」を利用すれば、3行でニュース記事の内容を理解できる。



解析結果では、重要と判断された文章に加え、重要キーワードランキングも表示される


ChromeやEdgeの拡張機能で「タンテキmini」を追加すると、要約したい文章を選択して、右クリックで要約ができる。
当初は、有償での提供を予定していたが、文章要約AI「タンテキ」を利用している人への感謝の気持ちを込めて、現在、無償にて提供している。


ChromeやEdgeの拡張機能で「タンテキmini」を追加すれば、右クリックで要約ができる



■進化が加速する「タンテキ」
ブースでは、限定公開の「聞取タンテキ」も披露された。音声による文字起こしのあとに、文章を要約するものだ。
デモンストレーションでは、音声による文字起こしが正確に処理され、要約も適切だった。


音声による文字起こしをしている「聞取タンテキ」の様子


バズグラフでは、公共向け文章要約サービス「ダイジェストタンテキ」の提供を2022年4月より開始した。
ダイジェストタンテキとは、自治体向けの「タンテキ」であり、都道府県知事・市長・各所管の責任者による記者会見・議事録等のテキスト化された文章を要約するものだ。記事をダイジェストとして迅速に発行することを目的としており、気象情報、災害時の緊急速報、防災無線·有線の記事内容を、Twitterやホームページでリアルタイムに公表することが可能になるという。


バズグラフは、「人間と同じように文章を理解できる人工知能を開発する」ことを目標として、今まで活動してきた。その背景には、「AIの発達により、弱者に優しい究極のコミュニケーション社会を創っていきたい」との思いがあったという。
一般向けの「タンテキ」は、いずれもニュース記事に特化したサービスだが、今後はニュース以外の分野にも対応できるサービスを開発していくとのこと。
たとえば、長い論文を要約する「タンテキ」が登場すれば、さまざまな分野において、商品やサービスの開発期間が劇的に短くなる可能性がある。
新たな「タンテキ」の登場を楽しみに待っていよう。

文章要約AI「タンテキ」




ITライフハック 関口哲司