TikTokで懐メロが流行る理由は?

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ブラックビスケッツの「タイミング 〜Timing〜」、広瀬香美さんの「ロマンスの神様」。1990年代を知る世代には懐かしい2曲が、TikTokでヒットしている。共通点は、「踊ってみた」動画でブレイクしていったことだ。

Z世代の人気バンドがカバー

Billboard Japanが集計しているTikTok上のヒット曲ランキング「TikTok Weekly Top20」で、4月4日〜10日の集計分の1位はKlang Ruler(クラングルーラー)の「タイミング〜Timing」。

1999年のブラックビスケッツの原曲をバンドのKlang Rulerがカバーし2021年12月24日にリリースしていたが、これで同ランキングで初登場以来4週連続で1位をキープしている。

2020年結成、21年にメジャーデビューしたばかりのKlang Rulerは音楽プロデューサーで作曲家のyonkeyさんをメインボーカルとする5人組バンドで、Z世代を牽引するアーティストと目されている。4月1日には最新シングル「ジェネリックラブ」をリリースした。

以下、2位はSnow Manの最新シングル曲「ブラザービート」、3位はヒップホップアーティストの虎韻(KOIN)さんの「2022」と新しい楽曲が続くが、8位に広瀬香美さんの「ロマンスの神様」が現れる。1993年にミリオンセラーを記録したヒット曲で、以後ウィンターソングとして定着した。

こちらは2月14日〜20日集計分で初めてベスト10入り(4位)すると、2月21日〜27日集計分で1位になり、その後も何度か週別ランキング1位を獲得している。

TikTokで活動のアーティスト達が振り付けを創作

「タイミング〜Timing」のTikTokでのブレイクはKlang Rulerの曲リリースから3か月ほど遅れている。若いユーザーが多いTikTokで90年代のポップスが流行しているのはなぜか。2曲に共通しているのは「踊ってみた」で「バズった」ことである。

「タイミング」にキャッチーな振り付けをつけて投稿したのはローカルカンピオーネという、TikTokで人気の3人組ユニット。邦楽・洋楽を問わず数多くの楽曲にオリジナルの振り付けを考案して投稿してきたが、2月16日にKlang Rulerの「タイミング」に独自の振りを付けて投稿すると、これをきっかけに「踊ってみた」動画や「歌ってみた」動画が多く投稿されるようになった。

「ロマンスの神様」のブレイクも、独自の振り付け動画を投稿しているTikTokerのタイガさんが起点だったが、こちらは広瀬さん本人もそのムーブメントに乗っていた。

2月11日にタイガさんが原曲に振りをつけて投稿したところ、広瀬さん本人も21日にタイガさん考案の振り付けで踊った動画を投稿、さらに多くのユーザーに広まるきっかけになった。

同じ「踊ってみた」でも、ニコニコ動画やYouTubeとTikTokでは動画の長さが違う。3分が上限で1分以内の短い動画が一般的なTikTokのスタイルに応じて、こうした動画の振り付けは覚えやすいキャッチーさを意識したようなものが多い。

ローカルカンピオーネは「from LC」名義で楽曲もリリースしているが、TikTok上での活動ではダンスのレベルよりもユーザーに楽しんでもらうことを念頭に、上半身だけで踊れたり、可愛さをアピールできたりする振り付けを意識しているという(「日経エンタテインメント!」2021年10月号インタビューより)。

原曲そのもの良さやもともとの知名度と、TikTokユーザーに向けた親しみやすい振り付けのおかげで、最新の楽曲に混じって懐かしの曲もヒットチャートに連なっている。

(J-CASTニュース編集部 大宮高史)

@localcampione 何事も、タイミングが大事なんですよね。恋や挑戦など。俺たちのことを今見てるあなたと出会えたのもタイミング????どうです?幸せな気持ちになりましたか?☺️言わずもがな、俺たちは幸せすぎりゅよぉ????@klangruler #KlangRuler #タイミング #Timing #ローカルカンピオーネ ♬ タイミング 〜Timing〜 - Klang Ruler