スマートフォンとの組み合わせで、人手不足を解消!「電子棚札」に新たな活用の動き

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スーパーやコンビニエンスストア、薬局、家電量販店などで、よく目にする「電子棚札」。
電子棚札は商品名や価格を柔軟に表示できる小型機器だが、今、この市場がにわかに活気づいている。

Reportocean.comが2021年12月に発表した「電子棚ラベルの市場調査レポート」によると、
電子棚札の市場規模は2018年に6億2470万ドルと評価され、2027年までに24億ドルに達すると予測されている。
年平均成長率(CAGR)は、2020年から2027年にかけて15.9%まで成長する見込みだ。

そうした状況を踏まえ各社は、電子棚札の市場に参入しており、業者間で激しい市場争いが繰り広げられている。
「第31回 Japan IT Week 春」で取材させていただいたアイネックス株式会社は、電子決済やカラー化によって、電子棚札の市場での優位性を確立しようとしている。


■電子棚札とは?
電子棚札は、商品名や価格を表示する電子機器だ。

大きな特徴は、
・柔軟な価格変更
・商品管理が容易
・作業負荷を軽減
この3つだ。

〇柔軟な価格変更
電子棚札は、価格の変更が容易だ。
「在庫処分したい商品」や「消費期限に近い食品」の価格を下げる作業が簡単にできる。

〇商品管理が容易
商品管理は、販売時点情報管理(POS)システムとの連携により、在庫の管理ができる。

〇作業負荷を軽減
値札の変更は、店舗のスタッフにとって大変な作業だ。この作業を軽減するだけでなく、価格の表示ミスも防止できる。

そのほかの特徴としては、紙を使用しないため、環境に優しく、紙の棚札のように印刷コストもかからない。


世の中には、様々な種類の電子棚札が存在する。


ここで気になるのがバッテリーの持ちだが、アイネックス株式会社のスタッフによれば、同社の電子棚札(ニュートン電子棚札/電子ラベル)はバッテリー寿命が従来の2倍とのこと。あくまでひとつの目安だが、1日2回の書き換えで、約10年間の使用が可能だ。
日常業務で電池の消耗を気にする必要はないだろう。


アイネックス株式会社のブースの様子。



■電子棚札による電子決済
アイネックス株式会社は、数多くの電子棚札を提供している。
会場で一番注目を浴びていたのは、スマートフォンで無人決済ができるシステム「タッチでPay」だった。

タッチでPayでは、NFC搭載型電子棚札を利用して、スマートフォンのアプリから電子決済がおこなえる。

たとえば、店舗で購入したい商品があるとき、
1. 電子棚札にスマートフォンをかざす
2. スマートフォンの画面に商品情報が表示される
3. 問題なければカートに追加して、決済処理を実行する
これら操作によって商品を購入できる。
店舗スタッフにとっては、手間のかかるレジ打ちが軽減される。

会場のスタッフによれば、電子棚札であることから、在庫管理も可能とのこと。
面倒な棚卸し作業も軽減させることができる。

消費者の購買行動データを取得すれば、どの地域で、どういった商品が売れるのかを把握できるだろう。

「タッチでPay」による電子決済の様子は、下記のとおり。

YouTube:https://youtu.be/4fEuTRYjl5s


■4色カラーの電子棚札が登場
ブースの一角では、4色カラーの電子棚札が展示されていた。
一般に広く流通しているカラーの電子棚札は、白と黒、赤の3色だ。
アイネックス株式会社が扱う電子棚札は、これに黄を加え、4色を同時に表示することができる。

スタッフによれば、電子値札を目立たせることができるとのこと。
たとえば、クーポン付きの商品であれば、クーポンのイラストの色を変えることで目立たせる。
あるいは、新春セールのシーズンは、カラフルな桜のイラストを入れるといった使い方ができる。


4色カラーの電子棚札。サイズの異なる製品がいくつもある。


総務省が2021年12月に発表した「国勢調査確定値」によれば、日本の生産年齢人口(15〜64歳)は、ピークだった1995年に比べて13.9%少ない7508万7865人となり、人口減少に歯止めがかからない状況だ。一人ひとりの能力を高めて生産性を向上するという考え方もあるが、業種によっては難しいだろう。そういう意味では、今回の「タッチでPay」は電子棚札で人手不足を解消できる点で、面白いテクノロジーといえるだろう。

アイネックス株式会社



ITライフハック 関口哲司