軽トラのボディカラー コスパが肝の軽トラにいろんな色を用意するワケ
コスパ重視の軽トラ
近年、軽トラック、通称「軽トラ」のカラーラインナップが拡充されている。
【画像】ダイハツ製作【屋根なし軽トラ&キャンパー軽トラ どんなクルマ?】 全133枚
軽トラといえば、農業や林業、建設業や運送業など、幅広い業種で活躍する、いわば「働くクルマ」の代表格。

ダイハツ・ハイゼット ダイハツ
一般市民の最も身近な商用車といっても過言ではないだろう。
軽自動車であるため、通常のトラックと比べて車両価格や維持費、任意保険などが安く、最大積載量は350kg以下と積載量もまずまず。
サイズもコンパクトなため、入り組んだ農道から狭い都会の道まで、取りまわしも容易など、その最大の魅力は実用性とコストパフォーマンスの高さである。
そんな軽トラのカラーラインナップにバリエーションを増やす理由は、いったいどこにあるのだろうか。
売れ筋はダントツで「白」
軽トラといえばスズキ「キャリイ」。
軽トラの定番ともいえる「キャリイ」や、そのキャビンスペースに余裕を持たせた「スーパーキャリイ」をラインナップするスズキの広報を担当する井門氏は、その理由について次のように説明する。

スズキ・キャリイ「クールカーキパールメタリック」 スズキ
「通勤で使われる方や、若い方から色を増やしてほしいというご要望を多くいただき、選択の幅を増やしました」
「2014年8月には既存色のホワイト/シルキーシルバーメタリックに加え、ノクターンブルーパールを追加。2017年11月には上記3色に加え、ガーデニングアクアメタリック/ブルーイッシュブラックパール3を追加し、5色設定と致しました」
「現在はホワイト/シルキーシルバーメタリック/ノクターンブルーパール/ブルーイッシュブラックパール3、クールカーキパールメタリックの5色のラインナップとしております」
なお、実際に購入されるカラーは、ホワイトがダントツの1位。次いで、シルキーシルバーメタリック、3位がクールカーキパールメタリックの順となっているという。
また、軽トラの定番カラーであるホワイト以外のカラーを選ぶユーザーの約6割が40代〜60代の男性で、仕事や商用で使用するユーザーが多いものの、アウトドアなどのレジャーや通勤/通学、買い物での使用など、幅広く使用されているとのことである。
ユーザーの声受け「色」追加
「ハイゼットトラック」をラインナップするダイハツの広報を担当する菅野氏も、軽トラックにカラフルなラインナップを揃える目的について、「乗用同様、働くクルマにも多彩なボディカラーを取り入れ、お客さまの感性や個性に合わせた色をお選びいただけるようにしました」
「また、農業女子プロジェクト推進に向けたお客さまへのヒアリングでの、『ボディカラーをもっと増やしてもいいのでは?』というお声も一助となり実現に至りました」と、スズキと同様に、ユーザーからの希望であると説明している。

ダイハツ・ハイゼットで選択できるボディカラー ダイハツ
ホワイト以外のカラーを選択するユーザー層や用途については、「ユーザーの詳細データは公表することができません」としたうえで、「仕事車だけではなく、ご家族の送迎など、日常使いと併用される方も多いため、乗用車同様にご自身のお好きな色で乗っていただけるように設定しております。カラーパックはメーカーオプションの中でも大変人気なオプションです」と、多様性を大切にする社会の流れに沿ったラインナップであることを強調した。
現代にあわせた「進化」
そんな軽トラは、戦後の日本で主流となっていたオート三輪と呼ばれる貨物車が、その始まりといわれている。
その後1955年にスズキが同社初となる四輪車「スズライト」のバリエーションの1つとしてピックアップトラックを発売。

旧型スバル・サンバートラックに設定された「WRブルーリミテッド」は中古車市場で人気 スバル
1960年には、東急くろがね工業がフルキャブ型の軽自動車「くろがねベビー」を発表し、そのトラック型が現在の軽トラの元祖となった。
このように軽トラは、戦後の高度経済成長という時代のなかで、実用性とコストパフォーマンスの高い商用車として進化した。
そして、多様性を重視する現代に合わせた形での新たな進化の形態が、「スーパーキャリイ」のようなキャビンに余裕を持たせる形での快適性の向上や、カラーバリエーションの拡充といった結果となったといえるのではないだろうか。
そうして現在、商用車としての荷物を運ぶ実用的なクルマというだけでなく、生産者が軽トラの荷台に産地直送の農産物などを積んで集まり、そのまま市場を開く軽トラ市や、リーズナブルな上にタフで便利という軽トラの利点を応用する形で、アウトドア仕様にカスタムして趣味を楽しむ軽トラキャンパーなど、軽トラの使い方はユーザー次第。
驚くほど幅広い用途で活用されており、仕事に使えるクルマから仕事と趣味を両立できるクルマに進化しつつあるのだ。
そう考えると、軽トラのボディカラー拡充は必然。
ホワイトだけでいいという固定概念こそが、時代遅れなのかもしれない。
