シャボン玉はせっけん水などの液体でできているので、寒い環境にあればもちろん凍ってしまいます。そんなシャボン玉が凍る姿は、普通の水が凍る姿とはちょっと違うことがわかっています。シャボン玉はいったいどんな感じで凍っていくのかについて、バージニア工科大学がその様子を発表しています。

How soap bubbles freeze | Nature Communications

https://www.nature.com/articles/s41467-019-10021-6

Bubble of an idea leads to new research on freezing | Virginia Tech Daily | Virginia Tech

https://vtnews.vt.edu/articles/2019/06/me-freezingbubbles.html

バージニア工科大学機械工学部のジョナサン・ボリーコ准教授の率いる研究チームは、シャボン玉が凍りつくムービーを見て、シャボン玉の周りに浮かぶ氷の結晶が浮かんでいるのがなぜかを疑問に思ったとのこと。以下のムービーが、シャボン玉が凍りつくところを撮影したもの。

Bubbles Freezing in Slow Motion - YouTube

雪の上にシャボン玉を吹くと……



シャボン玉の膜の上に渦が巻き、渦の中を星のような形をした氷片が舞っている様子がみえます。



氷片はどんどん大きくなり、動きが鈍くなっていきます。



下半球からもシダの葉のように氷が伸びていき……



シャボン玉全体が氷に覆われたと思ったら……



パチンとはじけてしまいました。



そして、ボリーコ准教授が実際にシャボン玉を凍らせた実験の様子が、以下のムービーから見ることができます。

Bubbles into Snow Globes - YouTube

まずは室温下で、シャボン玉を氷点下にまで冷やした基板の上に置いた場合、シャボン玉は接地している下半球から凍り始めます。



ジワジワと上がっていく氷と液体の境界線は「凍結前線」と呼ばれます。



そして、全体が凍る前に、上部3分の1が崩壊してしぼむように沈み込んでしまいました。



次に、マイナス20度の部屋の中でマイナス20度の基板の上にシャボン玉を置いた場合、一瞬でシャボン玉は凍ってしまいました。



ボリーコ准教授によれば、マイナス20度の室温下でマイナス20度の基板の上にシャボン玉を置くと、凍結によって温度勾配が生まれ、泡の底の温度が泡の他の部分よりも上がるとのこと。温度勾配が生まれた結果、シャボン玉上部の温度はマイナス20度なのに対して、底部の温度はマイナス6度になるそうです。そして、この温度勾配によってマランゴニ対流と呼ばれる流れが起こり、周りの表面張力を下げるように液体が動きます。



そのため、凍るまでの姿を捉えると、凍結前線がじわじわと進むのではなく、凍った部分がシャボン玉の膜の上を流れていき……





氷がシャボン玉全体を包んでいくように見えるというわけです。最初のムービーで凍ったシャボン玉が割れてしまったのは、マランゴニ対流によって表面張力が下がってしまうからと考えられます。



ボリーコ准教授は「これまでは凍結前線がどれだけ早く成長するかで、その物体が凍結する時間が決まると考えられていました。しかし、マランゴニ対流によって、いわば凍結前線が同時に何百も生まれているというわけです」とコメント。じわじわと凍るのではなく、全体が一気に広がるように凍っていくことが明らかになりました。