アルミホイールは傷つきやすい!? ガリ傷をDIYで補修する方法とは

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見た目も性能も優れているアルミホイールは傷つきやすい!?

 クルマの運転するときにどんなに注意していても、気がつかないうちに傷がついてしまうことがあります。

 とくにホイールに関しては、ぶつけた記憶がなくてもどこかに擦ってしまった傷(通称:ガリ傷)ができてしまうことがあります。

気づかぬうちにアルミホイールに傷が…

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 最近のクルマは、ホイールも大きくなって扁平タイヤを標準で履いていることも多く、ちょっとした段差などでもホイールを傷つけやすくなっているようです。

 知らないうちにできてしまったガリ傷は補修できるのでしょうか。自分で直せる傷と、プロに任せるべき傷の境界線はどこにあるのでしょうか。

 かつてのホイールは、スチールホイール+ホイールキャップが標準で、アルミホイールは高嶺の花だった時代がありました。

 現在でも車種やグレードによって、または実用性重視の商用車などはスチールホイールが標準となっているケースもありますが、アルミホイールを標準装着するクルマが増えてきている理由は、見た目の格好良さと高級感を演出できるということが大きいでしょう。

 また見た目だけでなく、スチール(鉄)より軽量なアルミが材質のため、「バネ下重量」が軽くなることも大きなメリットです。

 タイヤとホイールの重量が軽量化されると燃費が向上し、ハンドリングもスムーズになり安定性も向上するといわれています。さらにサスペンション類への負荷も軽減されるため、乗り心地にも好影響が出るとされています。

 デメリットとしては、やはり価格の問題です。スチールホイール+ホイールキャップであれば、ガリ傷ができても安価なホイールキャップを交換すればすぐ新品同様の見た目になります。

 しかしアルミホイールの場合、傷がつくと補修をするか、傷の程度によってはホイールごと交換しないといけない場合もあります。

 しかも、スチールと比較して高額なアルミホイールは、材質的にもスチールより柔らかく、ちょっとした衝撃で表面に傷がつきやすいという性質を持っているのです。

 ホイールは、タイヤと接する外側部分を一般的に「リム」と呼び、この幅(リム幅)で履けるタイヤの幅も決まります。

 一方で、スポークやメッシュ、ディッシュなど、表面に見えている面の部分を「ディスク」と呼びます。

 ガリ傷は、リムが傷つくケースがほとんどでしょう。その多くは、車道と歩道の境界線となる縁石に寄せすぎたことが原因だと考えられます。

 以前はタイヤの扁平率が60や70などが主流だったことで、タイヤ自体の厚みもあったうえに車重によってタイヤがたわみ、リムよりもタイヤのサイド部分が外側に出ていたことから、縁石との接触はタイヤだけで済む場合も多かったようです。

 それが最近のクルマはホイールが大径化され、扁平率が50や45など、タイヤの厚みが薄いものが増えたことで、リムが縁石に接触する可能性が高くなっているのです。

 ホイールのDIY補修に関しては、その傷の程度によってホイール専門のプロに頼むほうがよい場合と、自分で直せる場合があります。

 都内のカーショップで国産・輸入車を問わず整備を手がける整備士H氏に聞いてみました。

「まずホイールを傷つけてしまった状況によって、プロに頼むべきか自分でも直せるかが違ってきます。

 速度が出た状態で縁石などにぶつけてしまい、ホイールに歪みやクラック(ひび割れ)が入ってしまった場合は、ホイール補修専門のプロに頼むべきです。

 自分でDIY補修できるのは、駐停車しようとしたときの極低速で縁石などと接触してできた傷くらいです」

 ホイールは路面との接地面があるタイヤを支え、常に回転している重要なパーツです。歪むとハンドリングが低下するだけでなく、クルマ自体のバランスを崩した状態となってサスペンションなどにも余計な負荷をかけてしまって非常に危険なのだそうです。

「状況にもよりますが、何かに接触したあとにハンドルが左右どちらかに取られたり、バイブレーション(振動)が出るようなら、できるだけすぐに安全な場所に停車して、歪んだホイール&タイヤをスペアタイヤに交換することで二次被害を防ぐようにしてください。

 自走できない場合はJAFなどのロードサービスか、販売店やショップに連絡しましょう」

 ホイールにクラックが入ってしまった場合も、プロに任せるべきだとH氏はいいます。これも最初は小さいからとそのまま放置しておくと、さらに症状が悪化するそうです。

「パッと見は大した傷でないように見えても、そのまま走行していくとクラックが広がって、最終的にはホイールが割れてしまうこともあります。

 またホイールにクラックが入るような傷の場合、それだけの衝撃をサスペンションも受けているので、素人判断せずにプロにチェックしてもらったほうが確実ですし安全です」

自分でホイールの傷を補修する方法とは?

 では、自分でホイールの傷を補修するにはどうしたらよいのでしょうか。整備士H氏に教えてもらいました。

 ガリ傷程度のホイール補修は、傷を埋めて見た目を綺麗にする作業です。市販のアルミパテやシリコンを用いてヤスリで整形し、最後に塗装して傷を目立たなくさせます。

DIYでの補修が難しい場合はプロにチェックしてもらいましょう

 ちなみに補修作業は、晴れた日におこなうことが大切です。雨の日は使用するパテやシリコンの乗りが悪くなり、仕上げの塗装も乾燥に時間がかかってしまいます。

 とくにパテなどは十分硬化させる必要があるので、晴れた日の作業がお勧めです。

●ホイール洗浄

 実作業でまずやることは、ホイールの洗浄です。ホイールには泥やホコリだけでなく油性のブレーキダストなども付着しています。通常の洗浄はもちろん、脱油剤(油分落とし)もしておくと、パテや塗装の密着具合が違ってきます。

 ちなみにこの補修作業は、ホイールとタイヤをジャッキアップなどで取り外しておこなえればいいのですが、取り外さなくても問題ありません。

 ただし、傷部分ができるだけ上部に来るように多少前後させておいたほうが、作業しやすいでしょう。

●傷の周辺を削る

 棒ヤスリなど金属製のヤスリで傷周辺を削ります。綺麗な仕上がりにするためには、傷周辺の下地をある程度均一にしておくことで補修がしやすくなるそうです。

 また傷をヤスリでならす場合は、傷に入り込んだ黒い部分もできるだけ除去するとよいといいます。ただしタイヤのサイドウォールなども一緒に削らないように注意が必要です。

 なお、ヤスリで削るときに、補修部分以外の周辺をマスキングテープでカバーすると仕上がりがキレイになるとH氏はアドバイスします。

●パテで傷を埋める

 傷部分を平にならしたら、補修剤(アルミパテやシリコン)で傷を埋めます。この場合、傷を埋めるだけでなく、リムの周囲と同じ高さ程度以上までパテなどを盛ることでさらにあとで仕上げやすいそうです。

 またシリコンを使用した場合、乾燥するとクリアで傷が埋まっていない感じに見えるので、指で触って傷が十分に埋まっているかを確認。この補修剤での傷埋めはしっかり乾燥してから次のステップに移りましょう。

●補修材を整形

 次はヤスリを使って、盛った補修剤を周囲と馴染むように整形します。この場合は金属ヤスリだけでなく、「耐水ペーパー」などを使って丁寧に傷をならしていきます。

●塗装

 最後は塗装です。ホイール専用塗料で塗装します。この塗料はタッチアップ式やスプレー式などいくつか種類がありますが、スプレー式はテクニックと慣れが必要なので、タッチアップ式で仕上げたほうが失敗しにくいといわれています。

 整備士H氏によると、1度に塗ってしまうのでなく、薄めに複数回に分けて塗装することでムラなどを減らすことができるそうです。

※ ※ ※

 ホイールの補修は、プロにお願いするとホイール1本で1万円前後の費用がかかりますが、自分で材料や道具を揃えれば5000円程度で済みます。

 ただし、ホイールは走行時に非常に重要な役割を果たすパーツですので、衝撃を感じる接触などがあった場合は、プロにチェックしてもらうようにしてください。