東京オートサロン2020で見つけた気になる最新のテクノロジー

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毎年開催される東京オートサロンは、カスタムパーツメーカーの新製品発表や、職人の技が光るカスタムカーが数多く展示される人気イベントだ。

会場ではカスタムパーツメーカーだけではなく、タイヤメーカーやトヨタ、日産、ホンダなど国内外の大手自動車メーカーも出展している。いまや、自動車メーカーもノーマル車両だけではなく、純正のカスタムパーツも取り扱っており、新車購入時にカスタムパーツを装備した状態で納車することも楽しみの一つとなっている。

さらにカスタムカーの頂点とも言うべき、レース車両まで展示されている。また、国内レースに参戦するメーカーによる体制発表の場にも使われるなど、その年のビッグニュース発表の場ともなっている。




2020年の東京オートサロンは、昨年発売され話題となったトヨタ「スープラ」のカスタムカーが多く見かけられた。昨年までは同じくトヨタの「86(ハチロク)」やスバルの「BRZ」の展示車両が多かった。今年も86の展示も多く、カスタムパーツのマーケットの人気車種でもあり、いじり甲斐のある車両であったことがわかる。




スープラは、86よりもさらに走りを追求したスポーツカーであることから、エアロパーツやチューニングパーツを楽しみにしているオーナーも多いのではないだろうか。





今回は、そんなカスタムパーツのなかでも気になったプロダクトを2つ紹介したいと思う。





1つ目は、SPHERELIGHT(スフィアライト)が参考出展していたバイク用の後方死角検知機能を搭載したバイクだ。

これは昨年の「東京モーターショー2019」にも出展していたものだが、LEDライトやシーケンシャルウィンカーなどのパーツと組み合わせて説明を行っていた。




この後方死角検知機能は、写真のナンバープレートの左右に搭載したミリ波レーダーで、後方から接近する車両を検知することができる。
10mの範囲まで検知可能とのことで、接近する車両があった場合は、シートに取り付けたバイブレーターによる振動でドライバーに通知仕組みだ。さらにミラーのLEDが光ってバックミラーを確認するよう促すことも行う。


路面の揺れとは異なる振動がシートから伝わるのでわかりやすいとのこと



後方から接近してくる移動体をミラーのLEDで通知する


例えば、レーンチェンジする際に後方の確認をより安全なものにしたり、死角から入り込んでくる車両を事前に知ったりすることができるなど、安全面を強化するカスタムパーツと言える。





2つめは、LFT(エルエフティー)の特殊フィルムだ。
そのなかでも自動車向けとして展示されていたのが、透明度を限りなく高めた熱遮断とUVカット、2つの機能をもつ「ダブルバリアフィルム」である。




会場ではフィルム越しにストーブの熱の伝わりを感じられる展示が行われていた。
普通のフィルムではストーブの熱がそのまま伝わってきており、そばにいると暑い。それに対して、ダブルバリアフィルム越しでは、近寄ればほんのり暖かい程度で、薄いフィルムであるにも関わらずしっかりと熱を遮断していることが体感できた。

なぜ、フィルムを貼るだけで熱くならないのか?

その秘密はフィルターで赤外線を通さないようにすることがカギを握るのだという。
とはいえ、赤外線も広い波長をもつものであるため、効果的に熱を遮断するためには、できるだけ広い範囲の赤外線をフィルタリングする必要がある。

さらに、広い範囲をフィルタリングしても、効果を強めないことには熱を通してしまう。一方で車検を通すためには、ガラスに貼りつけるフィルムは可視光線透過率70%以上が必要となる。

この防熱効果を高めつつ、透過率を上げることが課題となっていたと言えるだろう。

本製品は、赤外線だけではなくUV(紫外線)もカットしつつ、可視光線透過率85%以上を確保することに成功している。

これなら、安心して貼り付けて直射日光下での車内の熱上昇の緩和を期待できる製品である。


極薄のフィルムであるにもかかわらず、プロジェクターの映像が透けることなく、コントラストがしっかり出ている


そのほか、薄型のプロジェクター用フィルムやガラス面に貼るだけ、店舗のガラスをサイネージとして利用できる透過型のスクリーンフィルムなど、趣味やビジネスにも利用でき製品も展示していた。







東京オートサロン2020は、過去最大の336,060人の来場者数を記録した。
次回の開催は2021年1月15日(金)〜17日(日)、場所は幕張メッセで行うことが発表されている。


執筆  mi2_303