溺れて死亡した19歳男性、友人ら誰一人助けることなく(画像は『New Indian Express 2019年11月17日付「Kalaburagi: Youth drowns in pond, friend records incident」』のスクリーンショット)

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昨今のSNS普及のせいか、事故現場など他人が危険な状態に陥っても、助けの手を差し伸べるより真っ先にスマートフォンで動画を撮る人が少なからずいる。このほどインドで男性が池で溺れたが、友人らは救助することなく男性の溺れる様子を動画撮影していた。『New Indian Express』『The Times of India』『UNILAD』などが伝えている。

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インドのカルナータカ州グルバルガ地区にある池で今月15日、ジャファー・アユーブさん(Jaffer Ayub、19)が遊泳中に溺れて亡くなるという痛ましい事故があった。ジャファーさんが溺れた時、その場にいた友人や他の人もスマートフォンでその様子を撮影しており、SNSで動画が拡散された。

ジャファーさんはその日、友人2人と池に来ていたが、動画には岸から勢いよく池に飛び込むジャファーさんの姿があった。しかし彼は泳ぎがあまり得意ではなかったようで、水面で頭を浮き沈みしながら弧を描くように泳いでいた。そして必死に岸の方へ戻り、池から上がろうとした直前に体を沈ませまいと両手をバタバタさせた。

するとジャファーさんは疲れ果てたのか、体が直立したまま水中に浮き沈みするようになった。岸にいた1人の友人が一度手を差し伸べたが、時すでに遅くジャファーさんの体は水中に沈んでしまった。その間、もう1人の友人は沈むジャファーさんの姿を動画撮影し続けた。

『UNILAD』によると池には他にも何人かいたようだが、ジャファーさんを助けようとした人は誰一人としておらず、ただ傍観していたという。ジャファーさんが水面に上がって来なくなって初めて友人2人は周りに助けを求めたようだ。ジャファーさんはのちに数人の通行人によって池から引き上げられたが、すでに亡くなっていたという。

死亡したジャファーさんは、父親がアルコール依存症で仕事に就くことができないため、家族の中で唯一の稼ぎ手だったようだ。ジャファーさんの死について警察が2人の友人宅で調書を取ろうとしたところ、彼らの両親がこれを拒み「自分達の息子には責任はない」と主張したそうだ。

警察は「ジャファーさんと友人の2人も泳ぎが得意ではない状態で遊泳していたようです。おそらく2人はジャファーさんが溺れているとは思っていなかったのでしょう」と述べている。しかしながらジャファーさんの死は、警察で不自然死として記録されたとのことだ。

画像は『New Indian Express 2019年11月17日付「Kalaburagi: Youth drowns in pond, friend records incident」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)