全国には、まるで高速道路のように高規格な、無料の一般道があります。高速道路料金を節約しつつ、効率的な移動が可能な「使える」一般道、関東にはどのようなものがあるでしょうか。

「全線下道」でもよし、途中で高速に乗ってもよし

 無料の一般道でも、高速道路かと見まがうほど高規格で、なかには最高速度も60km/h以上という道路があります。今回は、そのような「使える」関東の一般道を5つ紹介します。


中央が新4号国道。埼玉、茨城、栃木にまたがる80km強のバイパス道路(画像:宇都宮国道事務所)。

新4号国道(新4号バイパス)

・区間:埼玉県越谷市〜宇都宮市(80.5km)
・最高速度:60km/h

「新4号国道」とは、国道4号の東側に建設されたバイパス5路線の総称で、道路標識などでは「新4号バイパス」とも表記されます。ほぼ全線が片側2車線以上、うち茨城県古河市から宇都宮市まではすべて片側3車線で、東北道と並ぶ東京〜宇都宮間の幹線ルートとして機能しています。

 栃木県の佐野市や栃木市を経由する東北道と比べ、新4号経由のルートは東京〜宇都宮間を直線的に結ぶため、距離が20kmほど短くなります。また2015年には、東京〜宇都宮間のほぼ中間にあたる茨城県五霞(ごか)町で圏央道の五霞ICと接続し、圏央道や東北道などの高速道路と新4号を組み合わせた移動の選択肢も広がりました。

「交通量日本一」のバイパスも

 交通量が日本一というバイパス道路もあります。

保土ヶ谷バイパス(国道16号)

・区間:横浜市保土ケ谷区〜東京都町田市(12.9km)
・最高速度:80km/h(一部区間除く)

 保土ヶ谷バイパスは、横浜新道や横浜横須賀道路、首都高K3狩場線と、東名高速の横浜町田ICを連絡する道路です。横浜市街地と東名だけでなく、東京都心部と東名を結ぶルートの迂回路としても機能しており、2015年度の国土交通省「道路交通センサス(全国道路交通情勢調査)」では、横浜市旭区内で平日昼間12時間あたりの通過台数が10万8571台と、全国1位の交通量を記録しています。

 渋滞区間としても全国屈指の道路ではありますが、2020年3月には大きく変化するかもしれません。東名の横浜青葉ICと横浜市街地を結ぶ首都高「横浜北西線」が開通することで、保土ヶ谷バイパスの交通がそちらに分散され、渋滞の緩和が見込まれています。


保土ヶ谷バイパスと2020年3月開通の首都高「横浜北西線」の位置(画像:首都高速道路)。

新大宮バイパス(国道17号)

・区間:東京都練馬区〜さいたま市北区(23.2km)
・最高速度:60km/h(一部区間除く)

 新大宮バイパスは、東京北部からさいたま市にかけ、旧来の国道17号の混雑緩和を図るために計画されました。多くの区間で首都高の高架下(高島平出入口付近〜与野JCT)を通り、板橋区以北は片側3車線、また要所で本線が立体交差になっています。

 2016年には、この新大宮バイパスから圏央道の桶川北本ICに至る「上尾道路」が完成したこともあり、さいたま市内でしばしば渋滞が発生しています。このため、新大宮バイパスの上空を通る首都高を、与野JCTから圏央道方面へ延伸させる事業も進んでいます。また東京側でも、新大宮バイパスを約1.3km延伸(川越街道から環八通りまで)させる工事が佳境を迎えている状況です。

千葉、未完のスゴイ道路

 成田空港へ行くのに便利な高規格一般道もあります。

北千葉道路(国道464号)

・区間:千葉県鎌ケ谷市〜成田市(29.5km)
・最高速度:70km/h(一部区間)

 北千葉道路は「外環道と成田空港を最短で結ぶ」43kmの道路として計画され、2019年9月現在、鎌ケ谷市から成田市のあいだ29.5km区間が開通しています。北総鉄道北総線、京成成田空港線(成田スカイアクセス線)にほぼ沿っており、印西市内の約9km区間は真ん中に鉄道、その左右に道路の本線、さらにその外側の一段高くなった部分が側道という構造になっています。信号もなく見通しもよいことから、この区間の本線は2017年に最高速度が60km/hから70km/hに引き上げられました。

 2019年現在、成田市側3.7kmの未開通区間の工事が進んでいますが、東京側、外環道から既存区間までの約9kmは住宅地や市街地が広がっていることもあり、未だ工事も始まっていません。この東京側の区間は、自動車専用の「専用部」と、並行する「一般部」を設け、専用部は有料とすることが決まっています。

東京湾岸道路(国道357号) 千葉・東京区間


2019年6月に国道357号の東京港トンネル東行きが開通。パンフレットより(画像:川崎国道事務所)。

・区間:千葉市中央区〜東京都大田区(50km)
・最高速度:60km/h

 千葉、東京、神奈川の湾岸を通る「東京湾岸道路」の一部で、有料の自動車専用部(東関東道および首都高湾岸線)に並行する一般部が、国道357号に指定されています。湾岸の埋立地をつなぐように道路が造られていることもあり、一般部も幅は広いものの、神奈川県内には海で隔てられた未開通区間が点在しています。

 東京都内のお台場と品川区八潮のあいだも同様に海で隔てられていましたが、首都高の「東京港トンネル」に並行して国道357号の西行きトンネルが2016年3月に、東行きトンネルが2019年6月に開通しました。これにより、千葉から羽田空港まで、無料の一般部が双方向ともつながったほか、お台場と羽田空港のあいだの所要時間は、おおむね半分に短縮されています。

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 高速道路だけでなく、一般道のネットワーク整備も進捗しています。目的地によっては、高速道路料金を節約しつつ、より効率的な移動ができるかもしれません。