【連載】けものはいても“のけもの”はいない!大石昌良の詞と曲に魅了される『けものフレンズ』主題歌「ようこそジャパリパークへ」
アニソンを語らせたら話が長くなるおじさん、住吉STRANGERがアニソンを語り尽くすコラム連載「偏愛アニソン道」第4回。アニメ『けものフレンズ』のオープニング主題歌『ようこそジャパリパークへ』をピックアップします。
【その他の画像つき元記事を読む】歌詞への共感、曲の心地よさ、声優陣の歌声
2017年の冬アニメの中でも、最も意外な形で大ブレイクを果たした『けものフレンズ』。『ケロロ軍曹』などで知られる吉崎観音さんによる愛らしいキャラクターデザイン、各エピソード毎に、キャラクター同士が助け合うことで目的を達成していくという性善説的なストーリー、そして何よりも「フレンズ語」などと称される特徴的な台詞回しがヒットし、アニメファンの人気を集めています。
そんな『けものフレンズ』の世界観を賑々しく盛り上げてくれるのが、『ようこそジャパリパークへ』です。
アニメ本編と同様に、可愛く、ポップで、そして、ピースフルな曲調と歌詞が特徴のこの曲、その魅力にグッと迫ってみます!
ピアノを大々的にフィーチャーした「ピアノロック」なサウンドがたーのしー!
この曲で、作詞、作曲、編曲という曲の制作にまつわる全てを担当しているのが、大石昌良さん。大石さんは、ロックバンド「Sound Schedule」のフロントマンであり、同時に、ソロアーティストとして、また、Tom-H@ckさんとのユニット「OxT(オクト)」といった複数の名義を使い分けながら、アニメ作品の主題歌も手掛けるミュージシャンです。
カタカナ表記の「オーイシマサヨシ」としてリリースした『君じゃなきゃダメみたい』(『月刊少女野崎くん』OP主題歌)では、アニソンとしては珍しいファンクアプローチなラブソングを聴かせたりと、バンドマンならではの感性でクリエイトされたユニークな曲の数々をアニメファンに届けてくれています。
今回の『ようこそジャパリパークへ』も大石さんのアーティストとしての持ち味がタップリと味わえる、秀逸な楽曲です。
全体的にアップテンポなナンバーであり、『けものフレンズ』の陽性な世界観をそのサウンドで体現してくれているこの曲。その音の特徴を決定づけているのが、ジャイブ感に溢れた鍵盤の音色です。
ちょっとジャズ的なニュアンスも感じられるピアノのサウンドが曲の全体を通して躍動しまくり、リズムを、メロディを、そして歌をグイグイとリードすることで、リスナーを問答無用で「たーのしー!」気分にさせてくれます。
ポップなバンドサウンドに鍵盤の音をプラスした、「ピアノロック」なアニソンナンバーであり、また、曲の後半では、ハンドクラップ的なリズムやオペラチックなコーラスでアクセントを付けるなど、聴く者を引き付けて離さない構成の巧みさも光ります。
徹頭徹尾「ポップ」でありながらも、鍵盤を全面に押し出した作りや凝った構成に、ピアノをフィーチャーした名曲を数多く残したロックバンド、「QUEEN」の諸作品を反射的に連想した方も多いのではないでしょうか?
また、民族楽器を思わせる不可思議な音色を加えることで、『けものフレンズ』らしいトライバルなムードを演出するという一工夫も。これまた「たーのしー!」としか言いようがない、大石さんの作曲家としてのセンスがキラリと光る、素晴らしいギミックです。
徹頭徹尾「たーのしー!」リリックと歌声を偏愛したい!
次は、歌の魅力に迫ってみましょう。こちらは、アニメに出演している女性声優さんが、それぞれのキャラクターを演じつつ、歌唱を担当しています。
曲間に各キャラの台詞パートが挿入されるなど、キャラクター性を重視した作りとなっているのも特徴で、この曲の一番のパンチラインである「けものは居ても のけものは居ない」を始めとする優しく、ピースフルなフレーズの数々も強く強く印象に残ります。
この辺りは、「作詞家」としての大石さんの才に要注目です!
若手声優陣によるユニゾンを多用した歌は、何とも言えない初々しさに満ちたフレッシュさを兼ね備えており、どこまでも明るく、優しい歌詞が、より一層の情感を持って胸に飛び込んできます。
リズミカルでポジティヴなキーワードを駆使したリリックの数々は、その言葉だけでも"ポップ"としての高い完成度を有しており、それらが前述した、ロックなサウンドや声優さんの歌声に乗せてリスナーの耳を刺激するわけですから、その破壊力は言わずもがな、です。
個人的には、2番で顔を出す「みんな自由に生きている そう 君も飾らなくて大丈夫」という歌詞が、お気に入りの一節。『けものフレンズ』の自由な空気感を体現すると同時に、現代社会を生きる私たちの心にクリティカルに響く非常に強いフレーズだと思います!
ミュージシャン、大石昌良のセンスがリスナーを魅了する『ようこそジャパリパークへ』は、底抜けに明るい楽曲でありながら、聴き込めば聴き込む程、ポップミュージックとしての美しい設計に唸らされる一曲です。
アニメ本編の今後の展開と併せて、是非とも、そのサウンドの素晴らしさに注目していただければと思います!
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