学生の窓口編集部

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1月22日、日本テレビ系列の「金曜ロードショー」で、「魔女の宅急便」が放映された。

ジブリアニメといえば、いわば日本テレビの看板コンテンツとして、時折放映される。「もう何度も見たし」なんて思いながらも、チャンネルを回してやっていると、ついつい、また最後まで見てしまったりする。

人気の高いジブリアニメのこと、いろいろ「いじりネタ」にもこと欠かない。その前の週の金曜ロードショーは「天空の城ラピュタ」で、例によって、ツイッター上では映画のセリフにタイミングを合わせて一斉に

「バルス!!」

と唱える、いわゆる「バルス祭」も発生。それだけではなく、この「祭」を見越して、日テレでは、何時何分に「バルス」が来るか、正確な時刻を当てる「バルス!! みんなの時刻予想」特設サイトまで用意したほどだ。

さて、「魔女の宅急便」にも、印象的な人物やセリフは多い。例えば、主人公のキキが飛行能力を一時失ってしまうほどのスランプに陥る一因ともなったのが、せっかく届けたおばあちゃんの誕生日料理を前に、

「またニシンのパイが届いたの……アタシ、このパイ嫌いなのよね」

と言い放つ女の子。

このシーンは、「あれだけおばあちゃんが(そしてそれを手伝ったキキが)心を込めて作った料理に、なんてヤツだ!」と、観客の心がほとんど一つになるところ。もちろんそう思うのも、一方に「あんな美味しそうなパイなのに!」という印象があるからこそだ。

しかしこれに対し、ツイッター上でちょっとした騒動が発生。「『ニシンのパイ』の現実はあんなもんじゃない」というのだ。

本物のニシンのパイは、パイから魚の頭がいくつも突き出したかなりグロテスクな見た目で、アレが毎年届いたらいやになって当たり前、というのが、その主張。実際、ツイッターにはその「本物のニシンのパイ」とされる写真が次々にアップされたが、パイの表面から真上にいくつも魚の頭が突き出ているもの、丸いパイの周囲に放射状に頭が突き出ているもの、頭だけでなく尻尾も出ているもの、などなど……。

これには、

「エグすぎる」
「女の子に昔はイラッとしてたけどニシンのパイの実際の画像見たら何とも言えなくなった」
「さすがにあれは拒否していいレベル」

などの意見があふれることになった。

実際、これらの画像を見る限り「さすがにちょっと」な感じは否めない。

さて、この料理は、イギリス、コーンウォール地方の名物とされる、「スターゲイジー・パイ」または「スターリー・ゲイジー・パイ」と呼ばれるもの。スターゲイジー(stargazy)という名は、魚がパイから頭を突き出して星を眺めているように見えるところから名付けられたのだとか。

いや、そもそも欧米の人って、頭が付いたままの魚料理って生理的にダメなんじゃないの? 日本に来て料理を出されてショックを受けるポイントのひとつがそれなんじゃなかったっけ? ――なんて疑問も浮かぶが、郷土料理レベルでは例外もあるらしい。

しかし、ちょっと待った。そもそも「魔女の宅急便」の中に出てきた「ニシンのパイ」は、魚の頭なんて突き出してなかったよね?

と思って改めて調べ直すと、そもそもこのスターゲイジー・パイに使用される魚は、主にピルチャードと呼ばれる大型のイワシ。ニシンが使われることもないわけではないらしいが、「ニシンのパイ」と言えばコレ、というものではなく、頭なんて飛び出していない魚のパイは当たり前に存在する。決して「キキが届けたニシンのパイは、本当はこんなグロな料理で、"大人の事情"で、映像ではマトモな料理っぽく描かれた」というわけではないようだ。

というわけで、この騒動はほとんど「濡れぎぬ」だったわけだが、実際には、頭が飛び出していようが飛び出していなかろうが、筆者的には「果たしてニシンが入ったパイは美味いのか?」という問題は未解決。誰かご馳走してくれませんかね?