エマノンというのは本名ではなく、noname(誰でもない)を逆綴りにした、とりあえずの呼び名だ。彼女は、地球に生命が誕生したときから存在し、母から娘へと記憶を引きついで、三十数億年ものあいだ旅をつづけている。娘がエマノンの意識を得ると、母はエマノンだった記憶をなくし、普通の人間として暮らすことになる。エマノンは悠久のなかを孤独に生きながら、「自分は一体何者か?」という疑問への手がかりを探している。彼