By Theen Moy

2014年6月にGoogleが開催した開発者向けカンファレンス「Google I/O 2014」において、Googleはバッテリー消費を削減して起動時間をより長くするプロジェクト「Project Volta」を進めていることが明らかにされました。アプリの動作などを最適化してバッテリーを長く持たせることを狙った試みなのですが、Ars Technicaが実際にその効果を検証したところ、なかなか良好な結果を示していることが判明しています。

Examining Project Volta: We put Android L through our battery test | Ars Technica

http://arstechnica.com/gadgets/2014/07/examining-project-volta-we-put-android-l-through-our-battery-test/

Googleが調査したところによると、従来のAndroidデバイスではアプリを起動するなどしてデバイスが1分間アクティブになることで、スタンバイモードでの待機時間が2分間短くなるということが明らかになっています。この結果から、現在開発が進められているAndroid Lにはアプリの動作を最適化してバッテリーの不要な消費を抑えることを目的としたAPI「JobScheduler」が搭載され、メモリのクリーンアップやログファイルのアップロードなどの頻繁な更新が必要ないアプリのジョブを定義したり、充電中にのみ動作させるアプリを定義したりしてバッテリー消費を抑える試みが行われています。

また、Android Lでは「Battery Historian」と呼ばれるバッテリーステータストラッカーが導入されており、電力消費状況のモニタリングと測定結果をわかりやすいグラフで表示する機能を搭載。いったいどのアプリが電力を多く消費し、どこに手を入れることで消費量を減らすことができるのかを把握できるようにしています。



これらの機能を搭載してバッテリー消費を減らそうとするGoogleの試みが実際に結果につながっているのか、Ars Technicaでは比較実験を実施しました。デバイスごとの誤差を排除するために1台のNexus 5だけを用い、Android 4.4 KitKatとAndroid Lのプレビュー版の両方のOSをインストールした環境で測定用のスクリプトを実行させてバッテリーが切れるまでの時間を測定。その結果は、Android 4.4 KitKatが345分だったのに対してAndroid Lプレビュー版は471分と、36%長いものとなりました。



検証の際には画面の明るさを200cd/m2に設定して常時点灯の状態をキープ、端末をWi-Fiに接続して自動で15秒おきにウェブページをリロードするという動作を続けてバッテリーが切れるまでの時間を2回測定し、平均値が算出されています。なお、Android Lにはバッテリー残量が15%を下回った際にデバイスのパフォーマンスを落として電力消費を減らす「battery saver」モードが用意されていますが、検証の際にはOFFにされています。

従来に比べて36%も長く使い続けられるというAndroid Lの能力の一端を垣間見るという結果が出たわけですが、これはまだデベロッパー版の段階での結果。JobSchedulerなどの省電力機能はアプリ側の対応によってさらに性能が向上する余地が残っていると考えられており、今後も開発が進むとさらに良い結果を目の当たりにすることも期待できると考えられています。