新型の据置ゲーム機PS4とXbox Oneはすでに欧米で発売され、クリスマス商戦での販売競争が激化している最中ですが、両新型機は旧型機に比べて消費電力が大きく、場合によっては電気代が3倍にも達するという結果が出されています。

New PS4 and Xbox One Game Consoles: A Mixed Bag for Energy Efficiency | Noah Horowitz's Blog | Switchboard, from NRDC
http://switchboard.nrdc.org/blogs/nhorowitz/new_ps4_and_xbox_one_game_cons.html

Natural Resources Defense Counci(NRDC)が公表したPS4とXbox Oneの両新型ゲーム機の消費電力量に関する調査結果によると、、PS4・Xbox Oneともに、省電力機能を搭載しており技術的に進化していることは認めるものの、全体としては電力消費量は旧型機のPS3・Xbox 360に比べて大幅に増大しているとのこと。

Xbox Oneは、ゲームプレイ時の消費電力が旧型機Xbox 360に比べて40%も増え、PS4にいたっては、旧型機PS3の約2倍の消費電力であることが分かりました。また、ゲームプレイ時だけでなく、ムービー視聴時・メニューを選択画面するナビゲーションモード時・スタンバイモード時のいずれの場合にも、新型機は旧型機に比べて消費電力は大きくなることが判明しました。これらの増えた消費電力を合計すると、旧型機に比べて年間消費電力量は3倍に増えるケースもあるとのこと。

これは、PS4とXbox Oneの各種モードにおける消費電力を表したグラフ。PS4とXbox Oneは、ナビゲーションモードやストリーミングでもかなり電力を消費しています。


ゲームプレイ時の消費電力を比べると、Xbox OneはPS4に比べてより省エネと言えそうですが、Xbox Oneでは「Instant On」と呼ばれるスタンバイモード時の消費電力がPS4の2倍ほど大きいため、総合的にはXbox Oneの方がより電力を消費することが明らかになっています。Xbox OneのInstant Onは、ユーザーがすぐにゲームを再開できるよう待機状態にしておく機能ですが、深夜などユーザーがゲームをしない状況でも常に大きな電力ロスが発生します。なお、Instant On機能はデフォルト状態で有効になっているため、わざわざユーザー側でオフにしない限り無駄な電力ロスが発生することも指摘されています。

スタンバイモードで消費する電力量は意外に多く、平均的なモデルユーザーの場合、PS4では年間消費電力量の約33%、Xbox Oneでは約47%もの割合を占めており、ゲームプレイ時に消費される電力よりも多いという結果が出ました。Xbox Oneの場合、50インチの液晶テレビ以上に電力を消費すると試算されています。


NRDCによると、今後、旧型機からPS4・Xbox Oneへの世代交代が進むと、これら2つのゲーム機を利用することで消費される電力は年間100〜110億kWhとなり、これはアメリカで4番目に大きい都市であるヒューストンの全世帯の消費電力量を上回ると予測されています。


NRDCは、PS4について、ゲーム時の消費電力量をXbox One並に低減することを要求しています。さらに、8Wも電力を消費しているスタンバイ時のUSB端子給電をノートパソコンのように1W以下に抑えられるはずだとも指摘。また、Xbox Oneについては、Instant On機能の電力消費を低減することを最優先課題にするべきだとしています。そして、アップルTVやRokuを引き合いに出し、両機共にHD画質のムービーを再生するための消費電力が高すぎるとして、さらなる消費電力の削減を今後のアップデートで実現するよう求めています。