インタビュー:映画『ウォール・ストリート』/オリバー・ストーン監督「愛は欲望に勝つもの」
――監督自身は、世界情勢についてどう思いますか?
オリバー・ストーン(以下、オリバー):色々なことを知りたいと思って、みんなと同じようにいっぱい本を読んでいます。日本は、成長率が止まってしまっているみたいに言われるんですけど、経済学者が言うように考えるのではなくて、人の生活のレベルでどうなのかと考えると、新しい建物も建っていますし、日本はそれなりに十分生活ができているように感じます。基本的にエコノミストっていうのは経済の部分だけ見るのであって、マクロの世界を見ると、老齢化社会って言ってはいますけど、教育のレベルも高いし、決して不幸せではない、昔よりも豊かになっているのは明らかなわけなんですから。アメリカは、都市によると貧しい状況もあるかもしれないんですけど、ロサンゼルス、シアトル、オーランドでは普通に今までどおりに暮らしを続けている。ヨーロッパでは銀行が大変な問題があり、ギリシャが駄目だと言ってはいても、皆さん観光に行く。中国にしても、インドにしても成長して車を持てなかった人が持てるようになった。結局、世界を全体的に大きくみたときには、混乱を呼ぶだけの経済学者がいう事に注目するのではなく、そういう世界的な生活のレベルがあがっているという方に目を向けていいと思う。――ウォール・ストリートの現状をどう思いますか?
オリバー:私が勉強したことならいくらでも喋るんですけど、本当はよくはわかっていないんです(笑)。ただ一つだけ分かっていることは、巨大化してしまってとてつもない金を儲ける奴が出てきて、そいつは社会貢献していない。銀行というのは、新しい会社に投資して経済を活発させるというのが本来のあり方なのに、自分達の中だけの経済活動をしているという状況で、社会に還元していない。経済活動の本来の機能をもはや失っています。ウォール・ストリートはアメリカの経済の中ではもう意味のない存在だと思います。それだけは確かです。