フランスでのAIインフラ投資を決めた孫氏(左)とマクロン仏大統領(1日、パリで)=市川大輔撮影

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 ソフトバンクグループ(SBG)の時価総額がトヨタ自動車を抜き、日本企業の時価総額首位が22年半ぶりに交代した。

 SBGは人工知能(AI)やデータセンター(DC)に巨額資金を投じる「投資会社」の様相を強めてきたが、直近の株式市場でAI関連への投資マネーが流れ込んだことで、株価が一気に押し上げられた。(奥田樹)

時代にあわせて事業変遷

 SBGは、パソコン向けソフトの販売から、ブロードバンドサービスの運営、iPhone(アイフォーン)をいち早く取り入れた携帯電話など、時代に合わせて事業を変遷させ、発展を遂げてきた。

 近年は、生成AIの需要拡大を見据えた投資への集中を強め、変貌(へんぼう)を遂げている。2016年に約3・3兆円で英半導体設計会社アームを買収。24年9月には対話型AI「チャットGPT」を手がける米オープンAIに出資した。

 オープンAIは3月時点で、上場企業の時価総額に相当する企業評価額が8520億ドル(約135兆円)と見積もられた。SBGは約11%出資している(25年12月時点)。オープンAIの株式上場計画が報じられるとSBGの株価も一段と上昇した。

 また、オープンAIなどと共同で進める米国内での総額5000億ドル規模のAIインフラ投資計画「スターゲート」も好感されている。

 SBG株は1日、前週末比14%高い8541円で取引を終えた。昨年末の大納会の終値(4400円)と比べ、2倍近い水準に跳ね上がっている。

 パリに滞在中のSBGの孫正義会長兼社長は1日、時価総額首位を受けて「AI革命は始まったばかりだ。気を引き締めて頑張らないといけない」と記者団に語った。

バブル期トップはNTT、トヨタは2003年12月から首位

 時価総額上位の企業は時代とともに移り変わってきた。バブル期の1987年5月にはNTTが当時の世界最大となる時価総額48・6兆円を記録。銀行など金融機関も長年、上位に入ってきた。

 トヨタ自動車は世界販売台数の拡大が続く中、2003年12月に時価総額が国内首位となり、そこから首位を守ってきた。リーマン・ショックによる世界的な販売減少や、米国市場での大規模リコールなどの逆風を受ける場面もあったが、生産性の向上と、サプライチェーン(部品供給網)の強靱(きょうじん)化で危機を乗り越えてきた。

 時価総額トップ企業の交代は、産業構造の転換を予測する投資家の思惑を反映している。岩井コスモ証券の嶋田和昭氏は「市場は『生成AI一色』の様相。当面、半導体の製造装置や部材、材料まで、半導体が株式市場をけん引する流れが続きそうだ」との見方を示す。

エヌビディアの時価、800兆円超

 米国では、半導体大手エヌビディアの時価総額は5兆ドル(約800兆円)を超え、グーグルの親会社アルファベットとアップルも4兆ドル台半ばに達している。

 SBGの約3・3倍に当たる「時価総額1兆ドル」を超える米企業は、エヌビディアなどを含めて10社以上ある。