【小林 雅一】ついにChatGPT時代の終焉か…グーグル「Gemini」9億人突破のウラで、CEOが語っていた「やっぱりグーグルが最強」の根拠

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利用者数9億人を突破した「Gemini」

最近、筆者はグーグル製AI「Gemini」を使う機会がめっきり多くなった。以前は(OpenAIの)ChatGPTばかり使っていたが、今年4月クローム・ブラウザに「Geminiに相談」というメニューが登場して以来、ほぼ完全にGeminiユーザーに切り替わってしまった。

この機能を使うと、いろいろなホームページやニュースサイトなどの記事を読んでいるとき、何か分からないことや知りたいことがあれば、その場でGemini(というAI)に聞くと、何でも答えてくれるので本当に便利だ。

とはいえ、所詮は筆者個人の主観的な印象に過ぎないと思っていたが、先週アメリカで開催された「Google I/O 2026」での発表によれば、Geminiの定期利用者数は僅か1年で倍増し、今では約9億人に達したという(米欧等では、既に昨年から「Ask Gemini(Geminiに相談)」が使えるようになっている)。

この9億人という数字はChatGPTの利用者数にほぼ肩を並べる規模であり、アンソロピック製AI「Claude」の約30倍に相当すると見られている。

これら各社の生成AIに対するユーザーの嗜好・選択が(筆者のように)完全に切り替わったかどうかまでは分からないが、少なくともGeminiの利用者数が鰻登りに上昇していることは客観的な事実と見て間違いなさそうだ。

今の勢いが今後も続くと仮定すれば、間もなくChatGPT(つまりOpenAI)を抜いて、Gemini(グーグル)が世界のAI利用者数(主に無料ユーザー)でトップに躍り出るのは時間の問題だ。

「言われてみれば当然」の勝因

この急速な普及を促しているのは、言うまでもなくグーグル独自のエコシステム(プラットフォーム)に基づく「リーチ(到達範囲)の広さ」だ。ブラウザ市場でのシェアが約7割に達する「クローム」はもとより、「Gmail」や「Google Docs」など以前から高い普及率を誇る各種ツールにもGeminiは既に組み込まれている。

一方、モバイル端末市場でもGeminiは既にアンドロイドOSに深く組み込まれている。そこで念を押すかのように、今年1月グーグルはアップルと提携して、同社のiPhoneに搭載されているAI「Siri」の基盤技術として、今後Geminiが採用されることを発表した。これにより、Geminiは世界中のほぼ全てのスマートフォンに標準搭載されることになる。

結局、これら全方位的なエコシステムを駆使することで、グーグルは自社製AIのシェアを半ば自動的に高めることができる。裏を返せば、Geminiが今急速に普及している主な理由は、必ずしもその性能や機能が他社製AIに比べて圧倒的に勝っているからではない。

この点について、グーグルのスンダー・ピチャイCEOはニューヨークタイムズのポッドキャスト番組「Hard Fork」に出演し、率直な自己分析を明らかにしている。それによれば、Geminiなどグーグル製AIの強みは「テキスト処理」「画像・動画・音声などのマルチモーダル機能」、そして「推論能力」にあるという。

逆にGeminiの課題は「コーディング(コンピュータ・プログラミング)」「エージェント機能(自立的なタスク遂行能力)」そして「ユーザーからの指示に従う忠実性」などであるという。率直に言えば、これらの能力の点ではChatGPTやClaudeなどに若干遅れを取っている、ということだ。

特にコーディング分野では、アンソロピック(のClaude Code)などが現時点で優位に立っていることを認めつつ、グーグルも「I/O 2026」で新たに発表した「Gemini 3.5 Flash」によって、その差を急速に縮めつつある、とピチャイCEOは強調している。

また、その開発体制において、グーグル内部では(AI利用量の単位である)トークンの使用量が毎週倍増しており、そこからのフィードバックが最新のGeminiなどAIモデルの性能向上を一層加速させているという。

…つづく後編の「もう手遅れとわかっていても…最新の調査で分かった、加速する「AI」に対するアメリカ人の微妙な反応」でも、最新のAI進化の動向をお伝えする。

【つづきを読む】もう手遅れとわかっていても…最新の調査で分かった、加速する「AI」に対するアメリカ人の微妙な反応