「夫の隠し子」と知らずに養子を迎えた妻…事実発覚後も「離婚はしない」という道を選んだワケ
岡山県在住の角田博人さん(47歳・仮名)と佳澄さん(48歳・仮名)は、今年で結婚20年目を迎える夫婦だが、10年間不妊治療しても子どもを授からなかった。
出産は諦めたものの「親になること」を諦めきれなかった夫妻は、博人さんの遠縁にあたる女児を養子として迎えることになった。
幸せな生活を続けていた角田一家だったが、2年ほどが経ったある日、博人さんが妻に衝撃の告白をする。実は、養子縁組で迎えた穂香ちゃんは、博人さんが愛人に産ませた「隠し子」だったのだ――。
前編記事『「養子縁組」した娘が実は「夫の隠し子」だった…!妻が事実を知った「驚きの経緯」』より続く。
わけもなく涙が流れた
20年間連れ添った夫の最大の裏切りに佳澄さんは一時放心状態となる。
「ショックが大きすぎて、何も手につかなくなりました。穂香の相手はできず、顔を見ることすらできませんでした。ベッドから起き上がれなくなり、わけもなく涙が流れて止まりませんでした」(佳澄さん)
博人さんは仕事の一部をリモートワークに切り替えて、家事や育児を担っていたそうだが、穂香ちゃんは常に佳澄さんを必要としていた。
「穂香は家にいる間中、『ママ!ママ!』と私を呼んでいました。夫が制止するのを振り切って、寝室に飛び込んで来たこともあります」(佳澄さん)
「ママは病気だから、パパとあっちに行こう」と博人さんがいくらたしなめても、穂香ちゃんは佳澄さんのもとへ行きたがった。
「たまらずに目を開けると、私に向かって必死に手を伸ばしてくる穂香の姿が見えました。ただ、目に涙をいっぱいに溜めて、顔を真っ赤にしながら全身で私のことを求めている穂香を見ても、身体が動きませんでした。つい、この前までは一瞬たりとも離れていたくないくらいだったのに……」(佳澄さん)
親子関係は修復できず
「生きて行く気力もなかった」というほどの精神状態だった佳澄さんは、博人さんと穂香ちゃんが出かけると、のろのろと起き出し、味のしない食事をしながら、散らかったリビングを眺める生活を2ヵ月ほど送っている。
「親子三人、ここで笑い合っていた日が遠い昔のような、幻だったような気がしていました」(佳澄さん)
しばらくして、穂香ちゃんは佳澄さんの姿を求めなくなったという。
「もともと聞き分けの良い子どもでしたし、母親が愛情をかけてくれなくなったことを察したのかも知れませんね。たまに顔を合わせることがあっても、すぐに目を逸らすようになりました」(佳澄さん)
年度変わりの幼稚園行事をきっかけに「母親」業に復帰した佳澄さんだが、親子関係の修復には至っていない。
「実家の両親にも、友人にも相談しました。みんな、私の立場には同情してくれるものの、最終的に『赤の他人を養子にもらうことを思えば、夫の血を引いた子どもの分だけマシ』みたいなことを言うんです。確かにそういう考え方もできます。穂香は成長するにつれ、どんどん夫に似て来ましたが、穂香の母親が私に似ていたそうで、皮肉なことに私にも似ています。考え過ぎだとわかっていますが、私は夫の愛人から、施しを受けたようにも思えてしまうんです」(佳澄さん)
夫が離婚を申し出たが…
つい最近、博人さんは佳澄さんに離婚を申し出ている。
「『穂香のことで佳澄が苦しんでいるのは見ていてつらい』という理由でした。穂香のことは、実の父親である自分が引き取って育てるそうです」(佳澄さん)
だが、佳澄さんに博人さんと別れる意思はない。
「裏切られても、やっぱり夫のことが好きなんです。穂香のことも嫌いになったわけではありません。どうしていいか、わからないだけなんです」(佳澄さん)
佳澄さんの気持ちの落としどころはどこにあるのだろうか。
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