この記事をまとめると

■ダンプトラックには積載量を確認する「自重計」が備わっている

■自重計はサスペンションや車軸などにかかる力をもとに積載量を推定して表示する

■自重計は過積載防止だけでなく作業効率アップにも役立つ重要な装置だ

ダンプトラックには欠かせない重要装備

「自重計」という言葉は、トラックドライバーでもない限り、その姿かたちや役割を知る人は少ないだろう。一般的なクルマに詳しい人だとしても、耳にする機会が少ない言葉のはずだ。しかし、土砂や砕石、残土、産業廃棄物などを運ぶダンプトラックの世界では、自重計は安全運行や過積載防止に関わる大切な装置なのだ。見た目には小さなメーターにしか見えないが、現場で働くドライバーにとっては、積み荷の重さを判断するための重要な役割をもっている。

 そもそも自重計とはどんなものなのか? 簡単にいえば、車両にどれくらいの重さがかかっているかを確認するための計量装置という説明になる。もっと詳細を説明すれば、ダンプトラックの荷台に積まれた土砂や砕石などの重さを把握する目的で使われるのが自重計だ。

 一般的にはサスペンションや車軸、油圧などにかかる力をもとに、現在の積載量を推定して表示する仕組みであり、運転席付近に表示器が設置されていることが多く、ドライバーは積み込み中や出発前に数値を確認しながら、積みすぎていないかを判断するのだ。

 自重計が取り付けられている場所は、車両の種類や装置の方式によって異なるため、ドライバーが数値を確認するための表示器は、運転席まわりのインパネ付近やダッシュボード周辺、またはセンターコンソール付近に設置されることが多い。

 一方で、重さを検知するためのセンサー類は、車軸、サスペンション、シャシーまわり、あるいはダンプの油圧系統など、荷重の変化を読み取れる場所に取り付けられている。つまり、自重計は運転席の表示器だけで成り立っているわけではなく、車体側に取り付けられたセンサーが荷重を検知し、その情報を表示器に送る仕組みになっているということだ。

 ではなぜ自重計が必要なのかといえば、最大積載量が存在するからだ。ダンプトラックは「大きくてたくさん積めるクルマ」という印象があるが、当然ながら無制限に荷物を積めるわけではない。最大積載量が定められており、それを超えて走行すると過積載となってしまう。過積載は法令違反であるだけでなく、事故の危険性を大きく高めるのは周知のとおり。そのため、厳格に詰める最大量が決められているわけだ。

 しかし、自重計が必要とされる理由は、安全面だけではないのだ。たとえば、積み込み作業の途中であとどれくらい積めるかがわかれば、重機オペレーターとの連携がしやすくなるし、逆に積載量が少なすぎれば運搬効率が悪くなる。そこで自重計を確認しながら適正な量で積むことで、安全性と作業効率の両方を高められるといわけだ。

ダンプトラックの安全を支える自重計

 一般的にはメジャーではない自重計だけに、上手に使うコツといわれてもピンとこないかもしれないが、深く知るとなかなか面白いのでその一部を紹介しておこう。

 うまく使うコツのひとつが「表示はあくまで目安」と理解することだ。自重計は便利な装置だが、常に完全な重量を示すわけではない。車体の傾き、荷物の偏り、タイヤの空気圧、サスペンションの状態、地面の凹凸などによって表示に誤差が出ることがある。とくに、現場内の傾斜地や柔らかい地盤の上では、正確な数値が出にくい場合があるのだ。そこで、できるだけ平らで安定した場所に車両を置き、荷台を通常の走行状態にして確認することが大切なのだ。

 また、積み荷をできるだけ均等に載せることもポイントで、前寄り、後ろ寄り、左右どちらかに偏った積み方などをすると、自重計の表示だけでなく、走行時の安定性にも影響する。

 最後に雑学として覚えておきたいのが、「荷台を上げると自重計の表示が軽くなることがある」ということだ。これは、自重計が車軸やサスペンション、油圧などにかかる力をもとに重量を推定しているのが理由だ。荷台を上げると、荷台や積み荷の重心が移動し、車体にかかる力の伝わり方が変わる。その結果、実際には荷物が減っていないのに、表示上は軽くなったように見えることがある。つまり、荷台を上げた状態の数値をそのまま積載重量として信用するのは危険なのである。自重を確認するときは、ダンプレバーを操作して荷台前端を5cmほど上げて計測する。

 ちなみにだが、荷台を1mほど上げて測定すると重心が後ろにいくので、重量が1〜2トンほど軽くなってしまうというから、その誤差はかなり大きいのだ。

 前述したように、自重計は、一般にはあまり知られていない装置だ。しかし、ダンプトラックの現場では、過積載を防ぎ、安全な運行を支える大切な存在なのである。