盲目の芸人・濱田祐太郎「目が見えない人からすると、自転車の青切符は意味ある?」

盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎さん
『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目のピン芸人・濱田祐太郎のコラムが週刊プレイボーイで好評連載中! その名も「盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の『死角からの一撃』」。
第23回は、最近話題の自転車について。
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「もし目が見えるようになったら見てみたいものは......」
僕はネタのツカミでよくこう話し始めます。
例えば最近でいうと、「もし目が見えるようになったら見てみたいものは、"期限が切れた長州小力さんの運転免許証"ですね。20年くらい前に『キレてないですよ』ってセリフで大ブレイクしたのに、免許の期限は切れてたんかいって。どんな伏線回収やねん」みたいな感じです。
だからなるべくニュースはチェックするように心がけてます。お笑いとして時事ネタも大好きなので。
ここ最近では自転車の青切符開始も気になりますね。もちろん僕は目が見えないから自転車にも乗らないし、ガンダムにも乗らないし、怪しい儲け話にも乗りません。
だから、直接は関係のないニュースなんですが、大阪は自転車を使う人がとても多いので、周りからよく話を聞きます。なかなか大変そうですね。
雨の日に、自転車に乗りながら傘を差すのはダメやけど、カッパならOKとか。でも僕みたいに目が見えないと、自転車をこぐ音は聞こえても、それが自分とどれぐらいの距離にいるのかとか、乗ってる人がどんな状態なのかまではわからないんです。
だから、そもそも傘を差してるのか差してないのかもわからないんですよね。そう考えると、自転車に乗りながら傘を差すのって危険やなって思います。あの速度で当たったら普通に恐怖ですから。
でも、カッパがいいなら、着ぐるみもいいんですかね? 雨もしのげそうですし。土砂降りの中、ゆるキャラの着ぐるみを着て自転車をこぐおじさん。見かけたら、なかなかの不気味体験ですね。
別の日、街を歩いていて、ふと見上げたマンションのベランダにその着ぐるみが干してあったら、「あのときのあいつだ!」って、少しテンション上がりそうですけど。
ちなみに、後輩の芸人に「青切符どう思う?」と聞いてみたら、「自転車に乗るとき、めちゃめちゃ気をつけるようになりました」と言っていました。バイトしながら芸人をやってる若手は、5000円とかの反則金を支払うと一気に生活が厳しくなるから、そうならないように必死みたいです。まあ、そもそも最初から気をつけておけよとも思いますけどね。
実はそんな僕も、小学生の頃は少し右目が見えていたので、自転車で近所の公園に行ったりしてました。でも当時から視力は弱かったので、ある日マウンテンバイクに乗っていたら、電柱に気づかず衝突。
ケガは大したことなかったんですけど、そこからはマウンテンバイクに乗るのが怖くなって、自然と乗らなくなりましたね。あえてマウンテンバイクと書いているのは「補助輪止まりだと思われたくない」という僕のプライドです。補助輪を外してマウンテンバイクまで行ったぞ、と。
ほかにも気になるニュースでいうと、iPS細胞が実用化されると聞きました。再生医療ってやつですよね。悪くなった所も元に戻せるみたいな。ただ、どこまで再生されるんやろう?
例えば、医療脱毛した所にiPS細胞を使えば、また毛は生えてくるんですかね。脱毛したのになんでそんなことすんねんとはなるけど。試しに脱毛ワックスにiPS細胞を混ぜて使ってみてほしいです。
元に戻せるって意味でいえば、令和ロマンの(郄比良)くるまにiPS細胞を使えば吉本に戻ってくるんじゃないかな。ただ、さじ加減難しいですけどね。あんまり戻りすぎると、またオンカジをやってしまう可能性があるから。
●濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう)
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】
撮影/梅田幸太

