クルーズ船で3人死亡…ハンタウイルスとはどんな感染症なのか WHO発表で焦点となった「ヒト-ヒト感染」
大西洋を航行中のクルーズ船でハンタウイルスの集団発生が疑われ、WHO(世界保健機関)が「ヒト-ヒト感染の可能性」に言及したことで、この感染症への関心が高まっている。
問題となっているクルーズ船には乗客と乗員あわせて約150人が乗っており、WHOによると、これまでに7人が感染。オランダ人夫婦2人とドイツ人1人の計3人が死亡し、1人が南アフリカで集中治療を受けており、2人が治療を必要としている状態とのこと。また、1人はすでに回復したとも報告されている。
そもそもハンタウイルスは、主に感染したげっ歯類(「ネズミ目」に属する哺乳類)の尿や便、唾液などに触れたり、それらを含む粉じんを吸い込んだりすることで人に感染するウイルス。
ハンタウイルス肺症候群では、発熱や筋肉痛、せきなどに続いて急速に呼吸不全に進むことがあり、重症化すると命に関わる。
今回、集団感染が起きて注目されたのが「人から人へうつるのか」という点。ハンタウイルスは一般的にヒト-ヒト感染を広げる感染症とはされていない。
しかし、集団感染が起こったことから、WHOはヒト-ヒト感染が起こった可能性を排除せずに調査を進めているという。
つまり、集団感染は「すでにヒト-ヒト感染が確認された」という断定はされておらず、現時点で世界全体への公衆衛生上のリスクは低いと評価しており、渡航や貿易の制限も勧告していない。
なお、今後は船内で治療を必要としている患者をオランダに医療搬送し、クルーズ船はスペイン領カナリア諸島に向かうとのこと。
「船内で集団感染」のイメージからネット上では新型コロナの日本での感染拡大を想起する声もあるが、現時点では憶測で不安をあおらないことも大切だろう。
