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 子どもは泣くもの、騒ぐもの……とわかっていても、その暴れん坊ぶりに辟易する方も多いのではないだろうか。今回紹介するエピソードは、ある病院の待合室で起きた出来事だ。
◆満員の小児科で起きた出来事

 話を聞いたのは長田佳子さん(仮名・36歳)。長田さんは小学1年生の息子が風邪を引き、近所の病院に行ったときのことを話してくれた。

「寒暖差がすごく激しい日があったんですが、それで息子が体調を崩しちゃったんです。学校でも風邪が流行ってて、百日咳の子も出たりしたので大事を取って病院に行きました」

 長田さんが訪れたのは、内科と小児科を併設したよくある“町のお医者さん”だ。夕方17時、院内は診察を待つ人で溢れていたという。診察まで1時間以上はかかるかな……と、長田さんは覚悟を決め、息子と2人で名前が呼ばれるのを待った。

「みんな体調が悪いのか、待合室は静かで、うちの息子もスマホでゲームをしながら待っていました。すると、2歳くらいの男の子を連れたお母さんが入ってきて、受付で話を始めたんです。最初は穏やかだったんですが、時折、強い口調でまくし立てるようにも話していました。あまりよく聞こえなかったんですが、処方された薬と診察に対するクレームのようなことみたいで……。最初は男の子を抱っこして話していたんですが、途中から男の子は“放流”されてしまいました」

◆男の子が病院内を暴走…

 すると院内の雰囲気は一転。男の子は大声で叫びながら待合室を走り回り始めたのだ。

「みんな体調が悪くて来ているから、男の子の暴れん坊っぷりにはげんなり。一度、お母さんが『静かにしようね〜』って言ったんですが、そんなことで大人しくなるわけないじゃないですか。うちの息子のスマホを覗き込んで『シュマホ! シュマホ! 見せて〜』って。息子が『ゲームしてるからダメだよ』って言ったら、今度は大声で泣き始めて……。なんだか私たちが悪者みたいになってしまったんです」

◆本棚から本をバラ撒くなどの狼藉をはたらく

 一度は母親に連行されて大人しくなった男の子だったが、母親が受付でやり取りを始めると、また暴走が始まった。

「今度は本棚の絵本をバラ撒いたり、お母さんが娘さんに読んでいる絵本に割って入って『絵本読んで〜』って。仕方なく、そのお母さんは一緒に絵本を読んであげたんですが、すぐに飽きて走り回り始めちゃったんです」

◆遂に被害者が……

 そして、ついに“被害者”が出てしまうこととなる。

「その男の子は長椅子に土足のまま乗って、飛び跳ねて遊び始めたんです。隣にいたおじいさんがものすごくムッとしてて、あ、これは怒るだろうなって思ったら、男の子はイスから飛び降りました」

 すると次の瞬間、院内には耳をつんざくような女性の叫び声が響き渡った。

「向かいに座って寝ていた若い女性の足に、その男の子が飛び乗ってしまったんです。ものすごい大声で『いったぁーーい!』って。もう、待合室にいた人、みんなビックリして騒然としていました。若い女性も、最初は何が起きたのかわからないって感じでしたが、男の子が飛び乗ってきたことがわかっても怒るわけにもいかず、怒りに満ちた顔をしていましたね」

◆ベテラン看護師が一言

 この状況を片隅からジッと見つめていた看護師がいた。それは実質的に病院を取り仕切る院長夫人だった。叫び声を聞いて、診察室からやって来たのだ。

「奥さまは優しい声で、『あらあらどうしたの? もう、こんなに元気なら病院来なくてもいいじゃない』って。これには待合室にいたみんな苦笑してましたね。母親もさすがにまずいと感じたのか、女性にお詫びしたのですが……」