猫の飼い主なら知っておくべき『新たな常識』4つ 変化の背景や最新情報を知るメリットまで
猫の飼い主なら知っておくべき『新たな常識』4つ
猫に関する常識は、ここ数年で大きく変わりつつあります。これまで「仕方がない」とされていた病気も、新しい治療や対策が登場しています。こうした変化を知っておくことで、万が一のときの選択肢が広がります。
1.FIPは不治の病ではなくなるかもしれない
猫伝染性腹膜炎(FIP)は、以前はほぼ助からない猫にとっての不治の病でした。しかし近年は抗ウイルス薬を使った治療が登場。回復する猫が基本になってきました。治療によって症状が落ち着くケースもあり、以前とは状況が大きく変わりつつあります。
ただし、すべての猫が治るわけではなく、再発する可能性もあります。また、治療費が高額になる点にも注意が必要です。
またFIPの抗ウイルス治療は、日本国内で正式に動物用医薬品として承認されているわけではありません。あるのは。未承認薬の個人輸入や人間用の医薬品などです。とはいえ、FIP専門外来を設ける動物病院も登場しており、近い将来、よりFIPの脅威はなくなるかもしれません。
2.猫の腎臓病も治療できるようになるかもしれない
猫の腎臓病は「一度悪くなると元に戻らない」とされてきましたが、その常識が変わる可能性も出てきています。近年、体内の老廃物を取り除く働きを持つ「AIM」という物質を活用した新しい治療薬の開発が進んでいます。
猫はこの働きが弱いため腎臓に老廃物がたまりやすいとされており、新薬によってその掃除機能を高めることで、腎機能の低下を防いだり改善したりできる可能性が期待されています。
現在は実用化に向けて進んでおり、近い将来、動物病院での使用が始まる可能性もあるといわれています。予防的に活用できれば、腎臓病の発症を抑えることや、寿命の延長につながる可能性もあります。
ただし、広く使えるようになるまでは従来のケアが基本。腎臓に配慮した食事などで進行を抑えることがメインとなります。
3.猫のマイクロチップ装着も普及している
近年は猫へのマイクロチップ装着も広まりつつあります。2022年の法改正により、ペットショップなどで販売される猫には装着が義務化されました。すでに装着された状態で迎えるケースも増えています。
マイクロチップは迷子や災害時に身元確認ができるため、保護につながりやすくなります。新しく迎えた場合は、飼い主情報の登録を行うことも重要です。すでに飼っている猫への装着は義務ではありませんが、安全対策として検討するケースも増えています。
4.猫アレルギーは克服できるかもしれない
猫アレルギーがある人は、猫と一緒に暮らすことは難しいと考えられてきました。しかし現在は、症状を抑えながら生活する方法が増えています。
少量のアレルゲンに体を慣らす治療や、猫が出すアレルゲンを減らすフードなども登場しています。また、空気清浄機の使用や掃除の工夫、寝室を分けるなど、生活環境の見直しも効果的とされています。完全に治すのは難しい場合でも、対策次第で共生できる可能性が広がっています。
最新情報を知るメリット
猫に関する新しい情報を知っておくことで、病気になったときやトラブルが起きたときの選択肢が増えます。以前は諦めるしかなかったケースでも、治療や対策が見つかる可能性があります。日常生活の安心にもつながるでしょう。正しい情報を知ることは、猫の健康と安全を守るうえで大きなメリットになるのです。
まとめ
猫の飼育に関する常識は、医療や研究の進歩によって少しずつ変わっています。今回紹介した常識以外にも、知っておくべき変化は多くあります。最新の情報を取り入れながら、愛猫にとってより良い環境を整えていきましょう。
(獣医師監修:葛野宗)
