田舎を馬鹿にするのは東京出身者ではなく「別の田舎者」? コンプレックスが引き起こす低次元な争い
気付くと、地元にもう何年も帰ってない。帰る理由よりも、帰らないメリットの方がデカいのが最大の事由だ。なにせ僕の出身地である宮崎は、特に見どころが多いわけでもないし、交通のアクセスは悪いし、スーパークレイジーくんとかを当選させた前科を持つ県である。わざわざ帰るに足る強い理由ってのが見当たらないのだ。
しかし、故郷についてそういう感覚でいる僕も、宮崎を他県の人から小馬鹿にされると、なんか悲しくなるんだよね。(文:松本ミゾレ)
九州出身だから「さす九」も気になるが……
宮崎については、これまで複数の人たちからこきおろされた経験がある。たとえばあるときは、宮崎の平均的な学力が割と下の方であったことを理由に馬鹿にされたり。
また、これは宮崎というか九州全域についての悪口になるが、XなどSNSではいつからか「さす九」という侮蔑のワードが当たり前に使われるようになった。たしか正式には「さすが九州」で、九州各地に残る男尊女卑の風潮をバカにするスラングである。
僕自身も子供の頃。つまり昭和の終わりごろに親戚の集まりとかで、男衆が宴会を。女衆は炊事場に詰めて調理に終始するという光景を見てきた。ただ、それももう昔のことだし、今はそんな時代錯誤な光景が残る地域もそう多くはないだろう。少なくとも、僕の周りにそういった九州男児はいなくなった。
でも「さす九」って本当に勝手に九州全体のパブリックイメージみたいに捉えてる人はいて、そういう人は実際に今の九州の家庭の内情とか知ろうともせずにこのスラングを使いたがる。
九州で育った人間の意見としては、アレもなるべく使わないでほしいんだけど……まあ人の陰口には戸をたてられないからね。僕が言っても仕方がないか。
話がズレた。こういう話をしようと思ったのも理由がある。先日、ガールズちゃんねるに「ナチュラルに地元をバカにされるのが辛い」というトピックがあるのを目にしたのだ。
「同じくらい田舎の県の人に田舎って冷やかされた」
この問題提起をした人物は、過去に自分の出身地をバカにされ、悔しい思いをしたのだという。
「相手は私の地元に行ったことがないのに、田舎だの、ヤンキーいっぱいいるだの、山だらけだの、なんもないだの、地震多いだの言われることが多く、そんなことないから来てから言えやって思います」
上記のように、結構ボロカスに言われている様子だ。いるんだよね、こういうことを悪気なく言っちゃう人って。
似たような経験をして、嫌な思いをした人は他にもいるので、ちょっとこのトピックから抽出して引用させていただきたい。
「同じくらい田舎の県の人に田舎って冷やかされた。何がしたいのか分からない。ただ不快」「日本海側住み。『冬は晴れないんでしょ?ずっと曇ってたら気分暗くなるし私は住めないな』って太平洋側地域の人に言われるの本当の話しだけど嫌い。私は雪国嫌いじゃないから」「さす九さす九言われてるわ」「埼玉出身。ずっとバカにされイジってナンボみたいな扱い。笑って流すけど許さないよ」
こんな感じで、密かに傷ついている田舎者は多い。ちなみに「じゃあ都会はどうなんだろう、都市部だとしても出身をバカにされた経験を持つ人はいるのかな?」と思っていたところ、このトピック内に足立区出身だけど、足立区ってだけでバカにされるという人の書き込みもあった。足立区なんて僕からすれば都会も都会、大都会って感じなのに。住みてぇ〜。
群馬の人間に地元を馬鹿にされた屈辱
あの、これ絶対に死ぬまで忘れない話なんだけど。もう10年以上前かなぁ。前にも書いたかんだけど、地元の友達が結婚することになって、結婚式をやったのよね。お相手は関東の子で、2人は当時新宿で働いていたけど、友達が稼業を継ぐために帰郷する必要が出てきて、奥さんも連れて地元に戻ったのだ。
で、地元の式場で結婚式をやるってなって、たしか共通の友人知人がわざわざ遠くから飛行機でやってきてくれて。ところがその知人の中に1人だけ、嫌な奴がいた。
その野郎、結婚式の後の飲み会でちょっとだけ話をした時点で、会話の端々にかったるそうな雰囲気を醸し出していて。それで「ああ、なんか気に入らないな」と思っていたんだけど、たしか一次会終わりで地元の小さな飲み屋街を一瞥して「何にもねえなあ」って笑ったんだよね。
その飲み屋街には僕が何年か働いてた店もあったから、さすがに不愉快になって顔も強張った。でも僕以上に苛立ちが顔に出ていたのが、地元の友達数名。
祝いの場なので殴ったりはしなかったけど、もう本当に顔に血管浮くぐらいキレてるのが分かって、こっちもムカついてるのに、もっとムカついている仲間をなだめるのも一苦労だったものだ。そんで聞けば、そんな暴言を無思慮に放つ野郎の地元は群馬と言うじゃありませんか。
ぐんまちゃん好きだしあんまり悪く言いたかねえけど「群馬の人間にバカにされたくはねえよな」みたいな話は、後日しちゃったよね。
……そういうこともあり、そこから何年も経って、たまに田舎をバカにされたりして気付いたんだけど……なんか、あんまり生まれも育ちも東京って人からは、地元をこき下ろされることってないんだよね。
逆に別の田舎から出てきたようなのが、他人の郷里をバカにするんだ。やっぱりこう、コンプレックスなんだろうなぁ。自分が言われたらキツい言葉って、裏を返せば毒にもなるから、しばしばその毒で別の田舎者をけん制しようとするのかもしれない。
田舎者同士の、実に低次元なやり取りなんだけどね。でも田舎者ってそういうのにこだわる人が多いから仕方がないよね。方言キツい奴に限って、よその方言聞いて笑ったりするもん。
田舎は娯楽が乏しいから、嫌味とか、よそ者を小馬鹿にするトークとかが立派なコンテンツになりがちなのかもしれない。
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