「借金400万円」「覚醒剤におぼれた」元俳優の自宅から見つかったのは“5歳児の遺体”⋯お金持ちの子供を誘拐した「男の末路」(昭和39年の事件)
1964年12月21日、宮城県仙台市で一本の偽電話から始まった誘拐事件。
「幼稚園のエミール神父が渡米することになった、記念写真を撮りたい」という嘘の口実で5歳の少年を自宅から連れ出した犯人は、かつてカンヌ受賞作品にも出演した元映画俳優だった。
元俳優が目をつけた「資産家の三男」
犯人・車興佶(当時29歳)は新東宝への入社を経て、1962年には仲代達矢主演の「切腹」に出演するなど、一時は銀幕の世界に身を置いた人物だ。
しかし俳優としての仕事は急速に失われ、覚醒剤に手を出し、女は去り、故郷・仙台に舞い戻ってからも事業の失敗を繰り返した。

写真はイメージ ©getty
事件直前には妻子を抱えながらも、親族・知人から借りた借金は約400万円に膨らんでいた。追い詰められた車が着想したのは、当時まだ未解決だった吉展ちゃん誘拐事件をヒントにした身代金誘拐だった。
標的に定めたのは、手形の期日延長交渉で知り合った資産家・菅原興業社長の三男、智行ちゃん(同5歳)である。
当日、車は偽の電話で少年を自宅から誘い出し、幼稚園に向かう道すがら「みんな先にバスで行ってしまったからお兄ちゃんが連れて行ってやる」と声をかけて車に乗せた。
その後、飛行場でヘリコプターを見せるなどしていたが、少年が泣き叫んだため、腰ひもで絞殺。遺体を自宅物置に隠したまま、母親に500万円を要求する電話をかけ続けた。
しかし母親が意図的に会話を引き伸ばしたことで逆探知が成功。約950人の警察官が配置される中、囮として現金の包みを持って歩く母親から包みを奪った瞬間、車はその場で現行犯逮捕された。
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「刑を重くすることがあってはならない」
裁判長の異例の判決に、少年の父親は激怒。いったい何が? 事件の詳細は以下のリンクからお読みいただけます。
(「文春オンライン」編集部/Webオリジナル(外部転載))
