首相官邸に入る高市首相(21日)=米山要撮影

写真拡大

 政府は21日午前、防衛装備品の海外輸出拡大に向け、防衛装備移転3原則と運用指針を改定した。

 輸出品目を救難や輸送などに限る「5類型」を撤廃し、殺傷・破壊能力のある武器を原則輸出できるようにした。安全保障環境が厳しさを増す中、同志国への輸出を通じて防衛産業の基盤強化につなげ、有事の継戦能力を高めて抑止力向上を図る狙いがある。

 武器輸出を厳しく制限してきた日本の防衛産業政策は、大きな転換点を迎えた。高市首相は21日午前、「平和国家の歩みと基本理念の堅持に変わりはない。装備移転を戦略的に推進していく」と自身のX(旧ツイッター)で強調した。

 政府は閣議で新たな防衛装備移転3原則を決定後、国家安全保障会議(NSC)9大臣会合を持ち回りで開いて運用指針を改めた。

 新3原則では、輸出促進の意義について「同志国が共通の装備品を運用することは相互支援を可能とする」と明記した。装備品を融通しあう国が増えれば、継戦能力の向上が期待できる。防衛産業の強化は「継戦能力を支える生産能力を国内で確保する」ことにつながると指摘した。

 改定した運用指針では、防衛装備品の輸出を救難・輸送・警戒・監視・掃海に限る「5類型」を撤廃した。殺傷・破壊能力で「武器」と「非武器」に分けた上で、護衛艦や潜水艦などの武器はNSCで輸出を審査する。防弾チョッキなど非武器には制約を課さない。

 武器の輸出先は、フィリピンやインドネシアなど防衛装備品・技術移転協定の締結国(現在17か国)が対象だ。戦闘中の国には輸出できないが、同盟国や同志国が武器を必要とする場合など「特段の事情」があれば認める余地を残した。

 武器の輸出後の管理強化を図るため、輸出先での横流しや盗難の防止策などを確認する。3原則には輸出をNSCで決めた際の国会への通知を明記した。輸出が決まれば、国会議員に文書で通知する方針だ。

 木原官房長官は21日午前の記者会見で、装備品の輸出に関する政府の司令塔機能を強化するため、関係省庁の局長級による枠組みの設置を明らかにした。