“異変”は、ある日いきなり現れた――。健康診断はオールA。それでも、がんは静かに進行していた。

【衝撃画像】「アソコがハムスターくらい大きくなっていた」

 昨年5月、36歳で「精巣がん」と診断されたインフルエンサーのたたさん。気づいた時には、腫瘍はわずか数日で急激に肥大。「ハムスターくらい」の大きさにまで膨れ上がっていたという。発見が1週間遅れていたら大事になっていた可能性も。本人が語る「がん進行のリアル」とは⋯⋯。(全3回の1回目/続きを読む)


昨年5月、「精巣がん」が発覚したインフルエンサーのたたさん ©山元茂樹/文藝春秋

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人間ドックを受けた半年後に「がん発覚」

──2025年5月に精巣がんが発覚したと伺いました。健康診断で発覚したんでしょうか。

たた いえ、むしろ人間ドックはオールAで「何の心配もない」と言われていたんです。もともと人間ドックは、2年に1回ずつ受けていて、受けるたびに先生から「何しに来たんですか?」と言われるほどの健康体でした。がんとわかる半年前に受診して、オールAだったんで安心していたんです。ただ、人間ドックのパッケージには、精巣がん検査は入ってなかったんですよね。

 がんに気づいたきっかけはコラボ撮影だったんです。撮影が早めに終わって、コラボ相手の子が先に帰ったんです。暑い日だったので、衣装を脱いでTシャツにパンツ一丁でご飯を食べたら、パンツの隙間からタマがこぼれてて⋯…。

── 片方だけ腫れていたんですか?

たた そうですね。トランクスの隙間からポロって片方だけ出て。今までそんな経験はないので「あれ?」と。その3か月ぐらい前から、タマの大きさにちょっとだけ左右差あるかも、とは気になっていたんです。普通はパートナーの方が行為中に気づくことが多いらしいんですが、自分は悲しいかな、そういう相手はいないので。特に誰からも指摘されることなく過ごしていたんですが、さすがにその時は「おかしいよな」と。それで、とりあえずネットで調べたら、症状が完全に精巣がんに当てはまっていたんです。その日は金曜日だったんですが、その後仕事があったので、月曜日に病院に行こうと思って。

──地元の泌尿器科に行ったんでしょうか。

たた そうです。それで「左右差があるように見えるんですが、どうですか」と先生に聞いたら、その場で「悪性腫瘍だと思います。すぐに検査しましょう」と。それでエコー検査を受けて、改めて精巣がんだと言われました。

──そんなにすぐ診断できるものなんですね。

たた 精巣がんは特別らしいです。普通のがんだと、細胞を取って調べたりと診断まで時間がかかるみたいなんです。ただ、精巣がんは触診とエコーでかなり判断できるらしくて。

「今日にでも大きい病院に行って手術してほしい」と言われました。僕は比較的年齢も若いし、精巣がん自体、かなり進行が早いらしくて。今日にでも大きい病院で処置を受けてほしい、と言われたんです。それぐらい一刻を争う、と。

がんと知って「不安に思ったこと」

──がんと言われた時、どう思いましたか?

たた 土日の間に色々ネットで調べていたので、自分の症状から「多分精巣がんだろうな」と思っていたので、驚きはしなかったです。ただ、ステージによって全然治療方法が違うらしい、と。

 歌手のmisonoさんの夫のNosukeさんがステージ3aの精巣がんで、彼の闘病ブログを見ていたら、治療が結構壮絶で。だからがんのステージが気になっていたので、先生からがんだと言われてすぐに「ステージどれぐらいですか?」と聞きました。そしたらめっちゃ怒られました。「今の段階では何とも言えないから」と。

──がんになったショックよりも、その先の心配が上回っていたんですね。

たた そうなんです。「この後のスケジュールをどうしよう」と考えてました。僕はコンビニオーナーなのでシフトのこともあるし、コラボ撮影やYouTubeのレセプションとか1か月くらい予定が詰まっていたので。

 それで、その足で大きい病院に向かって、10種類以上の検査をしました。昼から夜の7時くらいまで検査したんですが、検査が終わらなくて。その日はいったん帰って、翌日から入院ということになりました。

 ただ、僕、その日の夜8時には「がんになりました」という動画を上げたんですよ。他のインフルエンサーの子たちから「根性だね」って言われました。

「1週間遅かったらヤバかった」

──がん発覚を報告した動画ですね。その時はまだ「精巣がん」とは言わず、「がんになりました」という報告だけでした。

たた そうです。家に帰ったのが7時20分くらいだったんですけど、すぐに撮影して8時にアップしました。その後、パートさんに連絡してシフト調整をしたり、翌日のコラボ撮影の相手に連絡をしたり、ヘアメイクさんをキャンセルしたりして⋯…。そうこうしていたら、さっき上げた動画がめっちゃ再生されてると気づいたんです。1500万回ぐらい再生されていて、3000件くらいDMが来ました。

──ものすごい数ですね。

たた さすがに全部は見られなかったんですけど。仲が良い人やコラボ相手の方に返信してたら、もう夜中になっちゃって。翌日も朝からお店に出て普通に発注作業をしてから入院しました。

 診察した時は、ちょっとタマの左右差があるかな、くらいな感じだったんですが、手術当日はもう明らかに大きさが違って。診察から手術日までの数日間だけで、ものすごく肥大してて、もし1週間遅かったらやばかったな、という⋯⋯。

 

──手術前にはどのくらいの大きさまで腫れていたんですか?

たた ハムスターくらいですね。

──ハムスター?

たた 結局、腫瘍は8センチあったんです。それくらいですよね、ハムスターって。腫瘍は4センチを超えると転移しやすいらしいのですが、その倍のサイズでした。でも全然痛くないんですよ。だから、気づかない人も多いみたいで。腰に転移してようやく痛みで気づく人が多いらしいんですよ。

「違和感」を覚えたらすぐ病院へ

──進行が本当に速いんですね。ステージはどのくらいだったのでしょうか。

たた ステージ1だったんですが、今後も転移する可能性は高いと言われたので、術後も安心はできなくて。腰に転移するとステージ2なんですが、自分は袋までは転移していていましたが、腰にまではいってなくて。

──早く気づいてよかったですね。

たた 僕が比較的、時間の自由のきく仕事だから病院にすぐに行けたけど、会社員とかだったら大変だったよな、と。1週間後に休みが取れたら検査に行こう、だったら間に合わなかったかもしれない。変だと感じたら、すぐに病院に行くことが大事だなと思いました。そういうことも、動画で伝えられたらな、と。

 それで、手術を受けた当日からも、毎日病室からショート動画を投稿していたんです。そしたら、数千件もの“病気を疑う”コメントがついていたんです。

「がんなんてウソでしょ」「点滴の位置がおかしい」“診断書を出せ”と言われたことも⋯精巣がんになった36歳・ゲイ男性を襲った『SNSの怖い誹謗中傷』〉へ続く

(市岡 ひかり)