辺野古漁港に陸揚げされる「平和丸」(3月16日午後4時48分、沖縄県名護市で)=大石健登撮影

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 沖縄県名護市辺野古沖で研修旅行中の同志社国際高校(京都府京田辺市)の生徒らを乗せた小型船2隻が転覆し、女子生徒と船長が死亡した事故で、亡くなった女子生徒の父親が投稿サイト「note(ノート)」で情報発信を始めた。

 亡くなった娘への思いをつづり、学校の対応の問題点を指摘している。(京都総局 清水美穂)

 事故は1か月前の3月16日午前10時10分頃に発生した。2隻のうち、「不屈」が転覆した後、助けに向かった「平和丸」も転覆。生徒18人を含む計21人が海に投げ出され、不屈の男性船長(71)、平和丸に乗っていた同校2年、武石知華(ともか)さん(17)が死亡し、生徒ら14人が負傷した。

 noteのタイトルは「辺野古ボート転覆事故遺族メモ」。3月28日以降、8回、文章を発信している。

 読売新聞は、投稿者とのメールのやりとりや、学校などへの取材を通じ、投稿者が知華さんの父親であることを確認した。

 父親はnoteで、「知華のことを正しく伝える」「誤情報や、誹謗(ひぼう)中傷の訂正」「事実解明につながる情報を広く収集する」などと目的を説明した。

 知華さんは3歳から11歳までジャカルタのインターナショナルスクールに通い、インドネシア語や英語に堪能だった。2021年、同志社国際中学校に入学。「多文化、多様性を絵に描いたような学校」での生活を楽しみ、米国の大学進学を夢見ていた。

 「初めて会った取引先の人にも自慢をしてしまうくらい、明るく、優しく、聡明(そうめい)な子」だったとし、<どうしてこうなってしまったのか>と父親としての悲痛な思いを吐露した。

 学校の対応について、事前に詳細なコースの説明がないなど保護者への情報が不足していたと指摘。知華さんは、沖縄美(ちゅ)ら海水族館に行く前にボートでサンゴ礁を見るという認識だったとし、<彼女にとっては、ただそれだけの純粋な選択でした>と記した。

 教員が乗船していなかったことについて<現地での引率放棄をよしとしたその感覚には言葉を失う>とした上で、<もし、私が『辺野古・ボート』という単語にもっと敏感に反応できていたとしたら>と、悔やみきれない気持ちをつづった。

 事故を巡っては、第11管区海上保安本部(那覇市)が業務上過失致死傷容疑などで捜査している。