韓国は飽きた、ハワイは高すぎ! プロが選ぶ今狙うべき「神コスパ海外旅行」最強7選

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円安と物価高に加え、イラン攻撃をはじめとする中東情勢の緊迫化が、日本人の海外旅行に追い打ちをかけている。これまで重宝されてきた「中東経由の格安ヨーロッパ便」が大きな打撃を受け、欧州はさらに高嶺の花に。定番のハワイやアメリカ本土は物価高で手が出ず、中国は地政学・拘束リスクが拭えない。

かといって近くて気軽ながら「韓国や台湾はもう十分」、タイにマレーシアにベトナムなど「東南アジアも行き飽きた」という層に向け、今まさに狙い目の国はどこなのか?

世界60ヵ国以上を訪問。バハマ、モルディブ、パラオ、マリブ、ロスカボス、ドバイ、ハワイ、ニセコ、京都、沖縄など国内外リゾート地にも詳しく、新著『超富裕層に「おもてなし」はいらない』(講談社+α新書)を上梓したマリブジャパン代表の高橋克英氏が、「安全」「直行便あり」「コスパ良し」の三拍子が揃った、この先絶対に外さない「お勧め海外旅行先トップ7」を紹介する。

消えた「格安ヨーロッパ便」

円安の進行によって、日本人にとって海外の物価は実質的に大幅に上昇しており、海外旅行のコストは数年前とは比較にならないほど高くなった。

そして、円安と物価高に加え、今回のイラン攻撃による中東情勢の緊迫化が、我々日本人の海外旅行にも大きな影響を与えている。中東情勢の悪化による原油価格高騰により、サーチャージを含む航空運賃の上昇を招いている。

さらに大きな打撃となっているのが、これまで日本人旅行者にとって“裏技”とも言える存在だった「中東経由の格安ヨーロッパ便」の消滅だ。カタールやドバイ、アブダビなどをハブとする航空会社は、比較的安価にヨーロッパへ渡航できるルートとして人気だった。しかし、ドバイ国際空港も被弾するなど、イラン情勢の悪化による中東地域全体の安全リスクの高まりにより、航空路の休止や変更などの運航調整が相次いでいる。

結果として航空券価格はさらに上昇しており、多くの日本人にとってヨーロッパ旅行は以前にも増して「高嶺の花」になりつつある。

王道ハワイも物価高で撃沈

ヨーロッパがだめでも、我々にはハワイがあるじゃないか、と思うかもしれないが、かつては「海外旅行の王道」とされていたハワイは、同じく円安によるホテル代や食費が高騰し、数日滞在するだけでも数十万円規模の出費になることが珍しくない。

大谷翔平選手が活躍するロサンゼルスなど西海岸をはじめとしたアメリカ本土も同様で、都市部では物価が日本の2倍近いケースも多く、欧州同様に多くの日本人には気軽に行ける場所ではなくなりつつある。

定番アジアは「もう行き飽きた」

韓国や台湾は距離も近く人気が高いが、リピーター層にとっては「すでに何度も行った」という声も多い。東南アジアも同様で、タイやベトナム、シンガポールにマレーシアなどの主要都市は、相変わらず魅力的ながら、新鮮味が薄れていると感じる人も少なくない。

さらに中国については、ビジネス渡航は回復しつつあるものの、中国による狼狽外交による日本人の拘束リスクや政治的緊張を懸念する声が根強く、コロナ禍前のように観光地として中国を積極的に選ぶ日本人は極めて限定的な状況だ。

では、円安と地政学リスクという厳しい状況の中でも、満足度の高い海外旅行を楽しめる国はどこなのか。

安心安全、初めての場所、有名地あり、直行便あり、比較的リーズナブルといった観点から、今後特に注目すべき海外旅行先ベスト7を以下に紹介したい。

今狙うべき「神コスパ」7選

【7位】ウズベキスタン:欧米半額の青の都

最初に挙げるのが、中央アジアにあるウズベキスタンだ。ウズベキスタンは、シルクロードの歴史を色濃く残す国でありながら、まだ日本人観光客は多くない。サマルカンドやブハラといった都市には青いタイルで装飾された壮麗なイスラム建築が並び、「青の都」と呼ばれる幻想的な景観が広がる。

物価も比較的安く、ホテルや食事の費用は欧米の半分以下で済むことも多い。日本からの直行便も就航しており、アクセス面でも以前より便利になっている。

【6位】ネパール:格安な「世界の屋根」

ネパールは、世界最高峰エベレストを擁する「世界の屋根」ヒマラヤ山脈を擁する山岳国家で、トレッキングや自然体験を求める旅行者に人気がある。首都カトマンズには歴史的建造物が多く、仏教とヒンドゥー教の文化が融合した独特の雰囲気を感じられる。

実は日本からの直行便があり、ネパール航空が成田からカトマンズまで週3便運航しており、約7時間で到着する。物価が安いことも大きな魅力で、長期滞在でも予算を抑えられそうだ。バックパッカーからハイカーや本格的な登山愛好家まで幅広い層に支持されている。

【5位】スリランカ:空中宮殿と大自然

スリランカは、仏教国であり治安の良さと自然の豊かさが大きな魅力だ。コロンボやキャンディといった都市観光に加え、ジャングルに突如現れる巨大な岩山と、その頂上にある空中宮殿跡「シーギリヤ・ロック」はスリランカ観光のハイライトだ。世界的建築家のジェフリー・バワの「ヘリタンス・カンダラマホテル」も有名。

日本から直行便で約9時間、安心して旅行できる国の一つだ。ただし、この数年来のスリランカ人気もあり、旅行価格が以前に比べるとかなり高騰しているのが難点ではある。

【4位】インド:圧倒的な「非日常」へ

インドは、文化や歴史の奥深さが際立つ国であり、タージ・マハルをはじめとする世界遺産の数々が旅行者を魅了する。近年はIT産業の発展に伴い、バンガロールなどの大都市を中心に洗練された高級ホテルやモダンなレストラン、巨大ショッピングモールも急増中だ。伝統的なスパイス料理や本場のアーユルヴェーダ、ヨガの体験といったウェルネス要素も魅力。物価も比較的安く、長期旅行にも向いている。

日本からは成田・羽田からデリーとムンバイへの直行便も多くあり、所要時間は約10時間。治安や衛生面に加え、騒がしさや混沌とした雰囲気もあるものの、それすらも飲み込む包容力と、人々のエネルギッシュな生命力に触れる旅は、他のどの国でも味わえない強烈な「非日常」を約束してくれそうだ。

【3位】ブルネイ:治安抜群の裕福な国

ブルネイは、東南アジアの中でも比較的知られていない王国だが、豊富な石油と天然ガスがもたらす世界でも有数の裕福な国の一つ。治安が非常に良く、豪華なモスクや王宮など、イスラム文化やブルネイ王室を感じられる建築や、水上タクシーで行く世界最大級の水上集落「カンポン・アイール」も見どころだ。

世界に2つしかない「7つ星」と称されるホテル、「ザ・エンパイア・ブルネイ」もある。観光地としてはまだ混雑が少なく、直行便もあり、静かに旅行を楽しみたい人には適している。もっとも、イスラム教国であるため、国内での酒類の販売がなく、見どころも多くないため、少し退屈さを感じるかもしれない。

【2位】パラオ:ハワイより安い南国

パラオは、日本人にとって親しみのある南国リゾートだ。かつての日本による委任統治領時代の名残も残る親日国。美しい海と豊かな自然が魅力で、ダイビングやシュノーケリングを楽しむ旅行者に人気がある。

’25年10月からユナイテッド航空により直行便が復活しており、直行便の利用で約4時間半で到着できる点もいい。

’15年には、上皇上皇后両陛下(当時は天皇皇后両陛下)も訪問された第二次世界大戦の激戦地ペリリュー島には、今も多くの戦跡や慰霊碑が残っており、足を運んでみたい。

ハワイやグアム・サイパンほど物価高や混雑もなく、手付かずの美しい海と島々が残る南国リゾートを楽しみたい人にとっては有力な候補地となろう。

【1位】モンゴル:直行5時間半の大自然

モンゴルは、成田から首都ウランバートルまでは、直行便で約5時間半という近さだ。その最大の魅力は、見渡す限りの草原が広がる大自然と、今なお息づく遊牧文化だ。伝統的な移動式住居「ゲル」に宿泊しながら、遮るもののない地平線と満天の星を眺める体験は、都会の喧騒では味わえない特別なもの。「チンギス・ハーン国立博物館」では、モンゴル帝国の歴史を深く学べる。

近年はウランバートル市内のインフラ整備が進み、洗練されたカフェやカシミヤ製品のショップも充実している。雄大な自然の中での乗馬体験と、都市部での快適な滞在を両立できる点も魅力だ。物価も日本に比べると比較的安いモンゴルも有力な選択肢の一つといえよう。

自分だけの「穴場」を探せ

残念ながら、この先も為替環境や国際情勢の不安定さが続く可能性は高そうだ。我々日本人にとって、海外旅行は以前のように「気軽に行ける娯楽」ではなくなりつつある。

しかし視点を少し変えれば、物価高の欧米やアジアの定番観光地以外にも、世界にはまだ知られていない魅力的な国が数多く存在しそうだ。

海外旅行の楽しみは決して失われたわけではない。安全・直行便あり・初めての訪問・有名観光スポットあり・リーズナブル、といった視点から、自分だけの次なる行き先を探してみたい。

取材・文:高橋克英

株式会社マリブジャパン代表取締役、事業構想大学院大学特任教授 1969年、岐阜県生まれ。三菱銀行、シティグループ証券、シティバンクなどを経て、2013年に同社を設立。世界60カ国以上を訪問。バハマ、モルディブ、パラオ、マリブ、ロスカボス、ドバイ、ハワイ、ニセコ、京都、沖縄など国内外リゾート地にも詳しい。映画「スター・ウォーズ」の著名コレクターでもある。1993年慶應義塾大学経済学部卒、2000年青山学院大学大学院 国際政治経済学研究科経済学修士。著書に『銀行ゼロ時代』(朝日新聞出版)、『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(講談社+α新書)、『地銀消滅』(平凡社)、『超富裕層に「おもてなし」はいらない』(講談社+α新書)など多数。