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緊迫する中東情勢により、石油製品の流通が滞っている影響が、医療の現場にも及んでいます。どんな影響が出ているのか、富山市の歯科医院を森本記者が取材しました。

富山市栄町のあすなろ小児歯科医院です。

子ども達が治療に訪れていますが、歯科医療の現場にも、中東情勢悪化の影響が出始めています。それは…

あすなろ小児歯科医院 佐野哲文院長
「ゴム手袋が、一番普段の診療で使うものなので」

医療用の手袋は石油製品です。

この医院では1日におよそ1500枚から2000枚使用します。これまでは業者に注文すれば、翌日の午後には届いていました。

しかし、イランをめぐる軍事衝突が始まってから流通への不安が広がり、先月以降は、到着までに2週間もかかるようになりました。

あすなろ小児歯科医院 佐野哲文院長
「普段、日常的に使うものがなくなってくるというのは結構怖い、というかきいてくる。3月の中旬にオーダーしたものが、ここ2、3日前に届いた」

歯科医院には欠かせない手袋。 対策として、早め早めの発注を心がけたり、1つの製品に需要が集中しないよう、注文する手袋の種類を増やしたりしています。

歯科医療の現場で使う石油由来の製品は他にも様々です。 消毒した器具を封入する滅菌バッグ、歯の間をきれいにする歯間フロス、そして患者が使う紙エプロンの裏側にも石油製品が使われています。

森本千瑛記者
「入荷が遅れているのは、石油由来の製品に限ったことではありません。歯医者さんには欠かせない、歯磨き粉さえもなかなか入ってこない状況です」

あすなろ小児歯科医院 佐野哲文院長
「倉庫は全くすっからかんではないらしい。ただ、急に注文が増えて倉庫の処理が追いつかなくなっているというのが、もともとの原因だそう」

最大の原因は、物流の混乱ではないかと話す佐野院長。

製品が枯渇したわけではないので、今のところ診療に直接の影響は出ておらず、安心して受診してほしいとしています。

また、県歯科医師会は、診療に必要な製品の流通が滞らないよう、日本歯科医師会などに支援や働きかけを求めています。

一方で、佐野院長は中東の混乱が長引くことで、製品が現場に届かない事態となることを懸念しています。

あすなろ小児歯科医院 佐野哲文院長
「戦争が長引いてきて、いよいよ原油が入って来なくなってきたとなると、直接的な影響があるので。不安は正直ある」

現在、厚生労働省が歯科医療への影響をとりまとめているということですが、使用される製品は多岐に渡るため、各々に応じた支援は難しいという見方が出ています。