(左から)ケイリン・ダレル・ジョーンズ、ジャファー・ジャクソン、ニア・ロング、ジュリアーノ・クルー・ヴァルディ、マイルズ・テラー

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 6月12日に日本公開される映画『Michael/マイケル』のワールドプレミアがドイツ・ベルリンにて4月10日(現地時間)に開催され、世界初上映を迎えた。

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 “キング・オブ・ポップ”ことマイケル・ジャクソンの半生を映画化した本作。野心家の父のもと厳しいレッスンを経て、兄弟グループ・ジャクソン5で幼少の頃から成功を収めたマイケルが、やがてソロアーティストとして歴史的名曲の数々を生み出していく姿を描く。

 その栄光の裏にある、早熟の天才ゆえの孤独感、強権的な父親の呪縛、家族への愛と自身のビジョンの狭間で葛藤する一人の人間の姿にも光を当てる。監督を務めるのは『イコライザー』シリーズや『トレーニング デイ』のアントワーン・フークア、脚本は『アビエイター』『グラディエーター』のジョン・ローガンが手がけた。『ボヘミアン・ラプソディ』のグレアム・キングがプロデューサーを務める。

 マイケル・ジャクソン役を演じるのは、マイケルの実の甥であるジャファー・ジャクソン。幼少期のマイケル役にはジュリアーノ・クルー・ヴァルディが起用された。そのほか、マイケルの母・キャサリン役をニア・ロング、長年の弁護士ジョン・ブランカ役を『セッション』のマイルズ・テラーが演じる。

 世界初上映の地に選ばれたベルリンは、マイケルにとって特別な意味を持つ街。1988年、マイケルは西ベルリンの壁近くで『バッド・ワールド・ツアー』公演を開催。壁の向こう側にいた東ベルリンの市民までもが集まり、その光景は音楽が国境を越える力を持つことを象徴したと語り継がれている。今回のワールドプレミアには60カ国以上から数千人のファンが集結した。

 レッドカーペットには、マイケルの実の甥であるマイケル・ジャクソン役のジャファー・ジャクソンのほか、幼少期のマイケルを演じたジュリアーノ・クルー・ヴァルディ、マイケルの母キャサリン役のニア・ロング、長年の弁護士ジョン・ブランカ役のマイルズ・テラー、監督のアントワーン・フークア、プロデューサーのグレアム・キングらが集結。また、日本から米倉涼子がゲストとして参加した。

 ジャファーは世界初上映を前に「まるで夢のようで、皆さんからの愛とエネルギーを感じています。早く皆さんにこれを観てほしいです」と手応えを語った。劇中で最も印象に残ったパフォーマンスとして「スリラー」のMV撮影シーンを挙げ、「オリジナルのミュージックビデオが実際に撮影されたのと同じ場所だったので、僕が気に入っているシーンの一つです」と振り返った。

 フークア監督は「一番大事だったのは、ステージを離れたマイケル・ジャクソンを描くことだったと思います。そうすることで、彼がどんな人間なのか伝わり、彼の心の内が理解できるからです」と演出の意図を明かした。

 プレミア会場では本編上映終了の瞬間にスタンディングオベーションが起こり、拍手と歓声が会場を揺らし続けた。ゲストとして参加した米倉は「本当にマイケル・ジャクソンを観ているかのようで、彼に再び命が吹き込まれたように感じました」とコメントした。

 また、プレミア翌日に行われた記者会見では撮影秘話も語られた。撮影現場には毎日415人ものスタッフが集結していたといい、キングは「彼らがそうしていたのは、ただ一つの理由のため。マイケルへの愛のためなのです」と振り返った。撮影は「スリラー」のMV撮影地をはじめ、実際にマイケルが使用したロケーションで行われたという。

 ジャファーは初めて脚本を読んだ際に涙が止まらなくなる場面がいくつもあったと明かし、「本当に感情が高ぶり、この物語と深くつながっていると感じました」と述懐。マイケルのフルコスチューム姿の自身を初めて目にした瞬間は「一生忘れられない」と話し、撮影初日に行われた「BAD」のパフォーマンスシーンについて「ステージに上がって『BAD』を歌うまでの間、ずっとマイケルに思いを馳せていました」と回顧している。

 最後にジャファーは「観客の皆さんに持ち帰ってほしい最大の願いは、マイケルの本質と存在感を感じてもらうこと。そして、彼という人間、その核心にある魂について、より深く理解してもらい、映画館を後にしてほしいと思います」と作品に込めた思いを語った。

コメントジャファー・ジャクソン(マイケル・ジャクソン役)ここまでは長い道のりでした。だから、本当にここまで来られたなんて信じられない気持ちで、胸がいっぱいになるほどワクワクしていると同時にほっとした気持ちもあります。まるで夢のようで、皆さんからの愛とエネルギーを感じています。早く皆さんにこれを見てほしいです。特にデンジャラス・ツアーの中で、子どもの頃に一番好きだった「スムーズ・クリミナル」の映像を繰り返し見て、その動きを真似しようとしていた4~5歳の頃の記憶が蘇ってきました。脚本を読んでいる間にも、そうした記憶が次々と蘇り、これから数カ月かけてそのプロセスを経験していくこと自体に特別な意味を感じました。マイケルの最大の魅力は、彼の音楽を通じて世界中に広く伝わった“世界をより良い場所にしたい、世界を癒したい”というメッセージだと思います。それは彼がデビュー当初から掲げてきたメッセージであり、音楽やミュージックビデオを通じて常にその実現を目指していたと思います。観客の皆さんに持ち帰ってほしい最大の願いは、マイケルの本質と存在感を感じてもらうこと。そして、彼という人間、その核心にある魂について、より深く理解してもらい、映画館を後にしてほしいと思います。

ジュリアーノ・クルー・ヴァルディ(幼少期のマイケル役)仕事熱心なところが本当に素晴らしく、仕事に対する姿勢はすごいと思いました。僕と兄弟(役の俳優)たちで「ABC」のミュージックビデオを再現したのですが、あれは最高でした。マイケルは僕の人生において、常に大きなインスピレーションを与えてくれた存在です。彼のインタビューをたくさん見て、仕草や動き、話し方、体の動かし方を練習して準備しました。

ニア・ロング(キャサリン・ジャクソン役)地に足をつけ、愛情深く、親切で、私自身もそうであるように、母親としての責任を果たすことを意識しました。母と息子の絆は、本当に大切で、特別なものだと思いますので、私にとって、それは本当に重要なことでした。

アントワーン・フークア(監督)一番大事だったのは、ステージを離れたマイケル・ジャクソンを描くことだったと思います。そうすることで、彼がどんな人間なのか伝わり、彼の心の内が理解できるからです。そうすれば、ステージ上の彼を見たときに、より強い絆を感じられるはずです。感動と楽しさが味わえることは間違いありません。マイケル・ジャクソンのコンサートに肉迫する最高の体験となるでしょう。実際の場所で撮影ができるのは、いつだって夢のような話。レコーディングスタジオも含めてすべてが本物で、我々にとってまさに夢が叶ったようなものです。

グレアム・キング(プロデューサー)マイケルが成し遂げたのは、音楽を通じて人々を一つにまとめたことだと思います。私は、この映画が世界中の人々を一つに結びつけることを願っています。彼らがそうしていたのは、ただ一つの理由のため。マイケルへの愛のためなのです。その想いは確かに感じられました。

米倉涼子(レッドカーペットゲスト)誰もが愛するマイケル・ジャクソン、世界中が注目しているマイケル・ジャクソンの晴れやかなプレミアに参加できることになってとても嬉しいですし、やっぱり皆さんがマイケル・ジャクソンを愛しているんだということを肌で感じます。彼のファッション性とか、自由になりたい思いとか、すごく苦しかった思いとか、そういうところを超えて人から注目される、それを励みにしているところが素晴らしいなと思いました。会場全体がひとつになり、圧倒的な音響とともに、まるでステージを観ているかのような空気に包まれました。日本で映画を観る環境とはまったく違う体験でした。本当にマイケル・ジャクソンを観ているかのようで、彼に再び命が吹き込まれたように感じました。その時代に自分たちが立っているような感覚でした。(文=リアルサウンド編集部)