ぜいたく過ぎる「1泊人間ドック」とは…天然温泉、豪華料理が味わえる「施設の名前」

写真拡大 (全4枚)

【前編を読む】【受診者の8割がリピーター】「ぜいたく人間ドック」の最強のサービスとそのお値段

キッコーマン総合病院の1泊人間ドックの真骨頂

ぜいたくな人間ドックを体験できる施設は、じつは全国にいくつもある。千葉・野田市にあるキッコーマン総合病院もそのひとつだ。

「1泊人間ドック」(7万7000円)について取材を申し込むと、健診部健診課課長の石橋年永(としえ)氏が院内を案内してくれることになった。

東武野田線の愛宕駅から徒歩約8分。病院に着くと、清潔感のある静かな空間が広がっていた。受付は外来患者とは完全に動線が分けられている。人間ドックの受診者だけが使う待合のスペースには、キッコーマンがつくる豆乳などのさまざまな飲料が並び、人間ドックの受診者は自由に飲めるという。さすが大手食品メーカーを母体に持つ病院だ。採血室、超音波室、心電図―各検査室が一本の通路に沿って並び、効率よく回れる設計になっている。

「ここが昼食をとっていただくスペースです」と案内された奥に広がるラウンジには、窓から自然光が差し込む。ここで食べられるのが、キッコーマンの商品を使った減塩健康食だ。

塩分は1食あたり約3gだが、品数は5〜6品と多く、鮭などの焼き魚や出汁がきいた和え物が味わえる。石橋氏が説明する。

「高血圧の人は1日の食塩摂取量を6g以内にするべきだと言われていますが、1食3gの減塩食はなかなかイメージが湧かないと思います。実際に食べていただくことで、減塩食がこれほど美味しく、満足できるものだということを体感してほしいのです。

検診の結果表には、尿検査から算出した1日の食塩摂取量も添付しています。普段どれだけの塩分を摂っているかを数字で知り、食生活を見直すきっかけにしてもらえればと思っています」

リピーターでも食事を楽しめるよう1年に1回メニューを見直し、毎年受診しても毎回違うメニューが提供されるという。

1泊コースの人間ドックでは、検査後、病院が手配したタクシーに乗って近隣の「ビジネスホテル野田」へと向かう。実はこの宿泊こそが、キッコーマン総合病院の1泊人間ドックの真骨頂である。

ホテルの支配人・鈴木好男氏に話を聞いた。

「このコースでは心身ともにゆったりしていただくために、おひとり様でも広めのダブルルームを用意しています。

夕食は牛肉のやわらか煮がメインの洋食と、豚肉の陶板焼きや寿司が入った和食のコース料理から選ぶことができます。『人間ドックなのに、こんなおいしい食事を取っていいんですか!』と言われるほど、豪華な料理が味わえます。

目玉の源泉かけ流し天然温泉

そして、目玉は隣接する『のだ温泉ほのか』の源泉かけ流し天然温泉と岩盤浴です。検査の疲れをゆっくり癒やしていただいた翌朝は、病院が手配したタクシーで病院にお戻りいただきます」

岩盤浴・岩塩浴は9種類、温泉にはドライサウナや壺湯などもあり、これだけでも来た価値があると思わせてくれる。食と温泉で体の内側と外側両方をケアする、ここにしかない人間ドックだ。

全国を見渡すと、こうした1泊人間ドックのスタイルは施設によって実に様々。愛知県大口町のさくら総合病院では、病院に泊まりながら、院長から直接丁寧な診断結果を聞ける。これもまたぜいたくな体験だ。院長の小林豊氏が語る。

「人間ドックを受ける人の中には、結果が届くまで受診後1ヵ月近く待たされて、不安を感じる人も少なくありません。また、結果が郵送されてきても、数値の意味がよくわからない、異常があっても何がどう問題なのかがわからない、という人もいます。

当院が提供している1泊2日の『プレミアム人間ドック』では、2日目の検査の後に直接画像を見てもらいながら、私が30〜40分かけて結果について説明します。

大きな病気がないということをその場でお伝えでき、さらに生活習慣で気をつけるべきポイントや、必要であれば追加の検査についても、その場で一緒に考えることができます。ここまで入念な診断はほかの人間ドックではなかなかできないことだと自負しています」

ボリュームたっぷりのひつまぶしを堪能

さくら総合病院の院内には彫像や絵が置かれており、中庭には近代建築調の空間が広がる。夜になるとレトロな雰囲気が楽しめ、落ち着いたひと時を過ごすことができる。

そして、先に紹介した1泊人間ドック同様、夕食が1泊コースに含まれている。病院の向かいにある鰻の名店「ひつまぶし備長 本店」で、ボリュームたっぷりのひつまぶしを堪能できるのだ。

これら3つの病院のように、人間ドックとはとても思えないぜいたくな体験ができる施設は、上の表に示した通り全国各地にいくつもある。

年に一度、自分の体と向き合いながら、非日常の時間を過ごす体験を味わってみるのも悪くない。

「週刊現代」2026年4月13日号より

【もっと読む】「明日、死ぬ」と決まった18歳の特攻隊員が書いた「ぶっきらぼうな遺書」の全文

【つづきを読む】「明日、死ぬ」と決まった18歳の特攻隊員が書いた「ぶっきらぼうな遺書」の全文