櫻坂46、TWICE、=LOVEらMUFGスタジアム(国立競技場)へ 3グループが持つ“数字”と“物語”の裏付け
4月11日、12日に櫻坂46、4月25日、26日、28日にTWICE、6月20日、21日に=LOVEがMUFGスタジアム(国立競技場)で単独公演を開催する。
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■国立競技場の変遷とMUFGスタジアムへの進化
国立競技場は明治神宮外苑競技場(1924年開場)を前身とし、1958年の『第3回 アジア競技大会』開催に合わせて新装。1964年の『第18回夏季オリンピック競技大会』(『1964年東京オリンピック』)開催時はメイン会場にもなり、日本の戦後復興と経済成長を海外へアピールする“拠点”として機能した。
その後もスポーツを中心に、ビッグネームのアーティストたちによるコンサートも開かれるなど、日本屈指の大型イベント会場に。2014年、全面改築によって閉場。2019年12月に新国立競技場が開場した。2026年1月より三菱ファイナンシャル・グループ(MUFG)が国立競技場の主施設のネーミングライツ(命名権)を取得し、以降5年間、“MUFGスタジアム”の呼称で営業されることになった。
2014年5月末の改築前までの国立競技場で単独公演を行った女性アイドルグループは、2014年のももいろクローバーZとAKB48の2組だけ。そして、以降、女性アイドルグループが単独公演を開催した事例はなかった。その点で、櫻坂46、TWICE、=LOVEの3組は歴史を塗り替える存在と言って良いだろう。
MUFGスタジアムの特徴のひとつはなんといっても、会場規模だ。収容人数で国内最大級とされる日産スタジアム(神奈川)の収容可能人数は約7万2000人、東京ドーム(東京)と京セラドーム(大阪)は約5万5000人。一方でMUFGスタジアムは、コンサート時の最大収容人数は8万人ほど(360度ステージの場合)。固定席数でも約6万7750席を誇る巨大な会場だ。女性アイドルグループに限らず、同会場で単独公演を実現/成功させるハードルの高さは、数字面だけを見ても明らかである。
今回、MUFGスタジアム公演を開催する3組のこれまでの国内最大動員数を考えれば、どのグループもMUFGスタジアムの収容規模に対応する力は十分備わっていると言えるだろう。一方で、女性アイドルグループがMUFGスタジアムの舞台に立つためには、長い年月をかけてさまざまな動員規模の会場で公演を開催し、そこで常に高いアベレージを叩き出さなければならないというのも事実だ。
■動員の裏付けと全国的なファン層拡大が導くスタジアムへの道
加えて、ツアー規模と動員数でアイドルグループとしては抜きん出た結果が求められる。世界的な活躍を見せるTWICEについては、2023年から2024年にかけて27地域51公演におよぶワールドツアーでは総観客数約150万人を記録するなど、実績は十分。すでにMUFGスタジアムでの3DAYS公演もチケットは完売している。櫻坂46は、2025年に東京ドームと京セラドーム大阪を会場に含んだ全国5都市11公演の全国ツアーで計約26万人を動員。今回のMUFGスタジアム公演においては、指定席は完売し、現在は見切れ席のみがチケット販売されている状況だ。 =LOVEは2025年に行った全国5都市12公演の全国ツアーで11万5000人を動員し、4月19日に横浜スタジアム(神奈川)でファイナルを迎える『=LOVE 8th ANNIVERSARY PREMIUM TOUR』ではそれを大きく上回る総観客数が見込まれている。
楽曲再生数の面でも、TWICEは「Feel Special」(2019年)、「The Feels」(2021年)などストリーミング再生で“億超え”を多数連発。=「とくべチュ、して」がストリーミング累計1.5億回再生、TikTokでの総再生回数でも22億回再生を突破。楽曲がストリーミングサービスやSNSで“バズ”を生み出すほど広がりを見せ、ツアーの拡大とともに全国的なファン層拡大にも努めている状況だ。
これらを踏まえて考えると、MUFGスタジアム公演を行うには、数字的な“裏付け”が必要とされると言えるだろう。そのためには、短期目標と長期目標を並行して推進し、戦略的に成果へと結びつけていくことが求められる。
もちろん、数字だけを追い求めても結果はついてきづらい。それに、こういった大規模公演はグループのターニングポイントやストーリーにおいても大きな意味を持つ。TWICEは、サバイバル形式のオーディション番組『SIXTEEN』(Mnet)で視聴者の心を掴み、スタートダッシュに成功した。櫻坂46は、前身の欅坂46からの改名という再スタートを経て、着実にグループの規模を広げてきた。=LOVEは、“指原莉乃プロデュース”という触れ込みを次第に凌駕するほど、楽曲やメンバーの個性がSNSでハマり、Z世代/α世代を中心に支持を集めていった。いずれも、見る者の感情を揺さぶる仕掛けや、ファンの間だけにとどまらない仕掛けがあったと考えられる。
櫻坂46、TWICE、=LOVEの躍進には、こうした取り組みの積み重ねが今回のMUFGスタジアムの背景にはある。広い視野を持ってグループを運営し、明確かつ高い数字目標を立てた上で、それを達成するためのプロセスを共有し、実行していくことがそこには不可欠だったと言えるだろう。MUFGスタジアム公演は彼女たちにとってゴールではなく、良い意味で通過点となり、グループのスケールを一段と引き上げるだろう。そして、彼女たちにとってどのような意味を持つものになるのかーー行く先は楽しみだ。
(文=田辺ユウキ)
