転売ヤーが生んだ悲劇!? あれだけ入手困難だったジムニーノマドが中古市場に溢れている!!

この記事をまとめると
■ジムニーノマドは登場と同時にすぐに受注を停止する大人気っぷりだった
■2型になってからは誰でも購入できるように販売形態が見直された
■中古車市場では現在ジムニーノマドが飽和状態となっている
ジムニーノマド戦線異状アリ!
ちょうどいまから1年前である2025年4月3日、自動車業界の歴史に残る(!?)大事件が幕を開けた。それが、ジムニー5ドアこと、ジムニーノマドの受注スタートだ。ジムニーは日本市場で展開されていたモデルすべてが3ドアモデルや2ドア+幌のモデルであり、ある意味では硬派な古き良きクロカンスタイルを貫いてきたモデルだったのだが、使い勝手がよろしくないのも事実であった。

そこで、昨今のSUVブームや市場からのユーティリティ面向上の声に応える形で、スズキは2023年1月にインドで開催された「Auto Expo 2023」にて、ジムニー5ドアを世界初公開。瞬く間に日本にもこのニュースが流れ、多くの人が熱狂した。
その後は、前述のとおり日本にて「ジムニーノマド」として販売されることになったのだが、これがあまりにも人気すぎたのか、なんと受付開始から4日で約5万台という、とんでもない台数を受注。スズキもこれにはたまらず、4日で受注を中止してしまったのだ。この記録、有識者曰く限定車を除けば日本最速記録らしく、一部からは「読みが甘い!」なんて辛辣な意見もちらほら……。全ロット消化は、順当にいけば当初5年前後とまでいわれていた。

さて、異様な人気っぷりを見せたジムニーノマドであるが、「欲しいのに買えない!」となれば、世の中の購買心理的に、さらなる悲劇が起こりやすい。そう、転売である。受注開始時は、265万1000円(5速MT)と275万円(4速AT)でそれぞれ販売されていたのだが、デリバリーが始まるや否や、中古車価格は一気に400万〜500万円前後を記録。多くは400万円台半ばから後半といった相場で取引されていた。
じつは日本でジムニーノマドを正式販売する前に、並行輸入業者が先にインドなどで販売されていたジムニー5ドアモデルを並行輸入しており、一部店舗で販売していた過去がある。その際も500万円近いプライスを掲げていた。しかしこれは並行輸入車なので、多少(といってもかなりだが)高額でも目をつぶれる要素はある。

しかし、今回のジムニーノマドは日本で販売されているクルマである。トヨタのランドクルーザーシリーズも、現在半端じゃない中古車価格になっているが、ジムニーノマドもまた転売ヤーの餌食になってしまったのだ。この金額で果たして誰が買うのか不明だが……。
中古車が溢れかえっている!?
と、そんな状況から半年以上経った2025年末、ジムニーノマドに動きがあった。それが、2026年1月30日〜2月28日で2型の受注を受付するというニュースだ。これは、納車順が抽選になるというシステムで、文面だけ見る限り、期間内に応募すれば、原則誰でも購入できるようになるというシステム。なお、聞くところによると、2026年7月1日の2型販売開始のタイミングから9月くらいまでは、1型から2型に変更した人へ先にデリバリーされる模様。

そんなジムニーノマドの2型は現在、抽選での割り振りを終えて、ディーラーにて通常の受注を受け付けているという。つまり、2025年の悲劇から一転して、納期はともかく、誰でも買えるという喜ばしい(!?)事態になっている。
この購入検討者からは嬉しい状況となっている一方で、じつはとんでもないことになっている市場がある。そう、先ほどの中古車市場だ。なんと、大手中古車サイトで現在ほぼ未使用ともいえる個体がゴロゴロ、なんと全国で1000台以上も在庫しているのだ!

価格は1番安いモデルで総額308万円から用意されており、流通している多くは300万円前半から狙えるようになっている様子。なかには500万ないし600万円オーバーというモデルもあるにはあるが、カスタムされているモデルだったりするので、高額すぎる物件はちょっと例外といえそうだ。ちなみに、多くは走行距離数百キロ台となっており、転売目的で仕入れられたと思われる(一部1万キロ前後の個体もあるが)。
つまり、中古車相場ではいま、ジムニーノマドが飽和しているのが実情だ。一部店舗では、「いまなら2型とほぼ同じかそれ以下の総額で即納できます!」なんて宣伝を打ってるところがあるほどだ。たしかに、安い物件の総支払額表示を見ると、2型は292万6000円(5速MT/4速AT)に諸費用を合わせた額よりは安く買えそうな物件もチラホラ。
この背景には、時間がかかるとはいえ、いつでも買えるようになったことによるプレミア性の欠如や、だんだん街で見るようになってきたという飽き、一部からいわれている細かい不具合(におい問題、左下り問題、塗装不良)が、過剰に影響していると思われる。人気モデルなのは間違いないが、ブームが一旦落ち着いたといってもいいかもしれない。

ただ、現在市場に溢れているジムニーノマドは1型ということもあり、2型と違いバンパーまわりにセンサーなどがないので、カスタムしやすいという大きなメリットがある。カスタム派にとっては、300万円台前半で購入できるなら、中古(といってもほぼ未使用)も悪い選択肢ではない可能性もある。最安値クラスの物件は、1型の新車価格を考えると、ちょうど乗り出しの価格といい勝負といったところだろうか。
1000台以上が中古車市場に溢れてしまっている実情は悲しい現実だが、さらに飽和すればもっと買いやすくなることは間違いないだろう。より多くの人がジムニーノマドを楽しめるようになる日は、もうすぐそこまで来ているのかもしれない。



