しのぎを削る安価EV勢に一石 ヒョンデ・インスター・ロングレンジ(1) 車内はクラス以上 アイオニック系を強力補完
欧州でEVの販売倍増を掲げるヒョンデ
欧州でバッテリーEVの販売倍増を掲げる、ヒョンデ。目標達成で鍵を握るのが、アイオニック・シリーズの拡大といえるが、庶民的な小さなモデルも基盤作りでは重要となる。全長3825mm、全幅1610mmというサイズを持つ、インスターが英国へ上陸した。
【画像】ライバル超えの熟成感 ヒョンデ・インスター サイズの近いコンパクトEVはコレ 全150枚
エンジンで走るコンパクトカーが生産終了を迎える一方、駆動用バッテリーは技術の向上で低価格化が進み、安価なEVは増殖中。ルノー 5 E-テックやプジョーe-208、フィアット500eなどがしのぎを削るが、ここへ一石を投じるのがインスターだ。

ヒョンデ・インスター 49KWH ロングレンジ 02(英国仕様)
プラットフォームは、ヒョンデ・グループのK1。アイオニック・シリーズは、EV専用のE-GMPを基礎骨格とするのに対し、こちらはエンジンにも対応したもの。実際、韓国では同じ見た目でキャスパーというモデルも売られている。
ヒョンデは、優れた実用性を強みとしてきた。近年は、成熟したEV技術でも注目を集めている。運転の楽しさも重要といえるが、有力な候補になり得るか迫ってみよう。
フィアット・パンダにも似た明確な個性
見た目は、正方形が並んだドット状のライトと、前後に入る丸いアクセント、強調されたフェンダーラインが特徴的。滑らかな面処理や、クロスオーバー風のスキッドプレート、バンパーなどが相まって、フィアット・パンダにも似た明確な個性を得ている。
トリムグレードは01か02の2択。前者なら15インチを履くが、後者なら17インチへ大径化され、クラムシェル状のボンネットと相まって、高級感を醸し出す。

ヒョンデ・インスター 49KWH ロングレンジ 02(英国仕様)
駆動用バッテリーは、グロス値で42kWhか49kWhの2択(編集部注:日本仕様はベースモデルのみ42kWh、他は49kWh)。駆動用モーターはフロントタイヤを駆動し、最高出力は98psか116psを選択できる。サスペンションは前がマクファーソンストラットで、後ろがトーションビームと、従来的な構成となる。
ボディサイズは、5 E-テックより100mmほど短く、幅は約160mmも狭い。それでいて全高は1575mmと高く、プロポーションは独特といえる。車重は、49kWh版で1335kg。5 E-テックは52kWhのバッテリーを積み、より重い。
車内はクラス以上の雰囲気 自然な運転姿勢
インテリアのデザインは、統一感が若干薄いかもしれない。だが、スイッチやタッチモニターは上位モデルから流用され、クラス以上の雰囲気。間接照明も仕込まれる。
ダッシュボードやドアパネルなど、硬質な樹脂が露出した領域は多いものの、期待外れというほどではない。小物入れは各所に用意され、エアコンの操作パネル下にも大きな空間が確保されている。

ヒョンデ・インスター 49KWH ロングレンジ 02(英国仕様)
ドライビングポジションは自然で、軽自動車のように、不自然さが残ることはない。シートは腰部分を支えるランバーサポートが弱めで、座面も短いものの、座り心地は悪くない。アームレストが丁度いい場所に伸び、カップホルダーは2本分ある。
モニター式のメーターは、グラフィックが鮮明で視認性は良好。表示はカスタマイズでき、必要な情報を選べる。質感の良いステアリングホイールも、上位モデルからの流用。ドライブモードのセレクターが配され、エコ、ノーマル、スポーツから選べる。
横方向の余裕は限定的 荷室は1059Lへ拡大可
タッチモニターは10.25インチ。システムは扱いやすいものの反応が遅めで、グーグル・ベースのシステムを実装する5 E-テックの方が、操作性は優れる。スマホとの連携は有線で対応。コンパクトカーとして、充分な内容ではあるだろう。
後席は前後にスライドでき、荷室を犠牲にすれば、乗員空間の前後長は570mmから720mmへ拡大できる。高さ方向にも余裕はあるが、狭めの全幅が影響し、横方向は限定的。肩幅が広い体格の人は、少し窮屈に感じそうだ。

ヒョンデ・インスター 49KWH ロングレンジ 02(英国仕様)
クロス張りのシートは個別に折り畳め、後席と助手席を倒せば、見た目以上に長いものも運べる。荷室容量は260Lと狭いが、1059Lまで拡大できる。
気になる走りの印象とスペックは、ヒョンデ・インスター・ロングレンジ(2)にて。
