ウニモグとGクラスの中間マシン グレナディア・トライアルマスター・レテック(2) 接地面積3倍なら12x12?
悪路の走破性は最低地上高にかかっている
ドイツ屈指のオフローダー・チューナー、レテック社が腕を振るったイネオス・グレナディア・トライアルマスター。そもそも優れる悪路性能は、確実に向上している。
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「すべては、最低地上高にかかっています。路面とのアングルが深まり、走破性は素晴らしいものですよ」。同社を率いる、アンドレアス・レナーツ氏が話す。

イネオス・グレナディア・トライアルマスター・レテック(欧州仕様)
標準仕様と比較すると、グレナディア・トライアルマスター・レテックのボディが路面へ接する角度は、フロントオーバーハング側のアプローチアングルで、35.5度から45.5度へ向上。リアのデパーチャーアングルも、36.1度から46度へ約10度増している。
ホイールベース間のブレークオーバーアングルは、28.2度から43度へ大幅に拡大。最大渡河水深は、800mmから1050mmに増えてもいる。
エア圧で接地面積を3倍にすれば12x12?
タイヤは、外径が37インチあるオフロード用のBFグッドリッチ。「接地面積は、遥かに大きくなっています」。レナーツが続ける。
車内でエア圧を調整できるシステムと組み合わせれば、更に接地面積を拡大でき、トラクションも得やすくなる。通常の2.5barから0.8barへ落とすことで、約3倍になるという。「そうすれば、4x4ではなく12x12ですね」。彼が微笑む。

イネオス・グレナディア・トライアルマスター・レテック(欧州仕様)
通常のグレナディアでも、悪路性能はずば抜けて高い。しかし、セパレートシャシー構造で、同クラスのオフローダーでは重い側にある。重力が大きく影響する、滑りやすい急斜面などでは、ライバルの後塵を拝するかもしれない。
だが、大径タイヤと引き上げられた最低地上高によって、苦手な環境への対応力も大幅に改善しているはず。実際、オフロードコースへ飛び出すと、違いは瞭然といえた。
舗装路での操縦性に殆ど影響なし
雨水が浮かぶドロドロの斜面でも、まったく怯むことはない。走破性の向上具合を数字で表すことは難しいが、従来は走破できなかった場所をクリアできるようになれば、性能は100%増しといえるかもしれない。
高度なアップグレード部品を自ら組めば、より安価にジープ・ラングラーを遥かに超える走破性を、グレナディアへ与えることはできるだろう。しかし、オンロードでの操縦性へ殆ど影響がないことが、トライアルマスター・レテックの大きな強みだ。

イネオス・グレナディア・トライアルマスター・レテック(欧州仕様)
ドイツの舗装路を走らせてみたが、幅の広いSUVのように運転できる。オフロードタイヤは、ステアリングの精度へマイナスかもしれないが、そもそも感心するほど正確な反応だったわけではない。
どうしてもこの能力が必要なら、他の選択肢は殆どない。車両込みで17万9280ポンド(約1470万円)のお値段でも、購入を検討することになるはず。
ウニモグとGクラスの中間 普段使いも可能
「大きなタイヤは、快適性にもプラスです」。レナーツが説明する。確かに、ポータルアクスルを組んだこのクルマは、乗り心地が良い。ドアミラーは大きく、ボディは四角く、想像より狭い道でも取り回しやすい。
普段使いも、不可能ではないように思う。広い荷台が秘めた可能性は、通常のトライアルマスターと同じく大きい。ダッシュボードは、手袋したままでも操作しやすい。

イネオス・グレナディア・トライアルマスター・レテック(欧州仕様)
ライバルと呼べそうなクルマはあるだろうか。モノコック構造のオフローダーより、遥かに本格的。本格的なオフロードタイヤを履くモデルより、オンロードとの相性は良い。ウニモグとGクラスのようなオフローダーとの、中間的な存在といえるように思う。
市場は、間違いなく小さいはず。だが必要とする人にとっては、無二といえるだろう。
イネオス・グレナディア・トライアルマスター・レテック(欧州仕様)のスペック
英国価格:17万9280ポンド(約1470万円)
全長:5040mm
全幅:2146mm
全高:2300mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:−秒
燃費:−km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:−kg
パワートレイン:直列6気筒2993cc ターボチャージャー
使用燃料:ディーゼル
最高出力:248ps/3250-4200rpm
最大トルク:56.0kg-m/1250-3000rpm
ギアボックス:8速オートマティック/四輪駆動

イネオス・グレナディア・トライアルマスター・レテック(欧州仕様)
