コンデジは死なず。実は2025年めっちゃ売れてた
いや、「むしろ」の時代になってきたのかも。
スマートフォンのカメラ性能が年々向上し、広角だ望遠だといろいろできることも増えてきて、「もう写真はスマホで十分」なんてフレーズを山ほど見てきたように思います。「わざわざカメラはもう不要」と言われ続けてきたこの10年。
しかし2025年、予想外の現象が起きています。コンパクトカメラ市場が急成長しているというのです。
実は2年連続で伸びている!
カメラ映像機器工業会(CIPA)が公表した最新データによると、2025年のコンパクトカメラ(分類上は「レンズ一体型カメラ」)の総出荷台数は、240万台を記録。前年比29.6%増という大幅な成長を見せました。
ちなみにこのデータは、CIPA会員企業による海外生産分を含む全世界の出荷・生産実績です。
同じ期間、スマートフォン市場の成長率がわずか2%だったことを考えると驚異的にも思えます(もっとも母数が違うよねというのはあるので、数字のマジックに気をつけないといけませんが)。
また、データとしては「レンズ一体型カメラ」で、いわゆる薄型で電源入れるとカメラレンズがにゅっと出てくる廉価なものだけでなく、FUJIFILM(富士フイルム)X100シリーズやRICHO(リコー)GRシリーズのような高級ラインも含んでいます。
コンパクトカメラの総出荷数量は、2008年の約1億1000万台をピークに減少を続け、2023年には170万台まで落ち込んでいました。しかし、2024年からは2年連続で成長を記録。2007年以来、初めての2年連続の成長となり、明らかに転換点を迎えているように見えます。
平成レトロブームが生んだ新しい需要?
ここでカメラメディア「CAPA」が発表した、ヨドバシカメラの2025年コンパクトデジタルカメラ年間売上ランキングを見ると、興味深い傾向が見えてきます。年間1位は富士フイルムの「X100VI」、4位はリコーの「GR IV」、7位は「GR IIIx」と高級コンパクトカメラが上位を占めています。
しかし、個人的には注目すべきは、10位にランクインしたKODAK(コダック)PIXPRO C1ではないかと思うのです。この機種は2025年12月下期のランキングで1位も獲得。各種通販サイトで見ると、だいたい1万8000円前後というカメラです。

コダック PIXPRO C1がランクインした背景の1つには、若者たちの心を掴んだ「平成レトロブーム」があると考えられます。
この新品カメラの人気を理解するには、まず中古コンデジ市場の状況を知る必要があります。
「@DIME」の記事では「市場価格は1年で約20倍に!」という見出しで、かつてお父さんお母さんが旅行に持っていったような、いわゆる「オールドコンデジ」の価格が高騰していることを報じています。
スマホできれいな写真が撮れる一方で、2000年代くらいのデジカメが持つ色合いやガビガビ感も含めて、なんかエモさがあっていいよね、コンパクトで持ちやすくてかわいいし、というローファイ的な良さが発見されていったのです。
でも、遊び盛りの若者たちはお金が足りない。しかも、主要なカメラメーカーは廉価なコンデジ市場からどんどん撤退していて、「手頃でシンプルな撮影専用機」の新品がほとんど存在しない状況が生まれていた。そこで限られた中古市場の在庫にみんなが目をつけたわけですね。
秋葉原のカメラ専門店「東京CAMERA」を始め、さまざまなカメラ屋さんでオールドコンデジを打ち出し始めたのも、こういった流れを汲んでのことでしょう。
おはようございます!
- 東京CAMERA (@tokyocamera1st) January 29, 2026
東京CAMERA オープンしました!
コンデジ大量入荷しています
売り場に出ていない在庫もございますので、お求めの機種などございましたらお気軽にスタッフまでお尋ねください✨ pic.twitter.com/7UGIl3eccl
で、こんなタイミングで、USB-Cやmicro SD、さらにチルト式モニターで自撮りもできて、持てばびっくりするほど薄くて軽いコダック PIXPRO C1が、需要にぴったりハマったと想像できるのです。
2026年の“裏・目玉”にならないか
ただ、この成長トレンドが2026年も続くかは不透明です。ブームが終わってしまうかもしれませんし、あるいはDRAMの不足といった課題もあります。
ただ、「スマホがあればカメラはいらない」という単純な図式は、もう過去のものになりつつあるかもしれません。むしろ、今こそカメラ、なのかも。
実際に僕もFUJIFILM X halfを買ってから毎日のように持ち出しては、散歩がてら写真を撮るのが好きな時間になりました。スマホで残す写真と、シャッターを押す瞬間は、体験として(もちろん写りも)別物なんですよね。
最近だとカメラ好きYouTuberのkEigoさんが、「FUJIFILM XQ2を買った」というnoteや動画をたまたま目にして、その写りや機動性、フィルムシュミレーションの相性の良さも含めて、「むしろ」今欲しいと強く思わされました。これだって2015年のカメラですからねぇ。
2026年、このあたりの流れを受けて…目玉になる旗艦製品の傍らにでも、そっと中身を現代版にアップデートした、いい感じのお値段のコンデジが出てくれたりしないかな、と思うのです。
Source: Notebookcheck, CAPA, CIPA

