ゲーマーが新型Xboxに求めているのは高性能より自由度なのかも
2027年に登場するとうわさされている新型Xbox。このゲーム機をめぐる話題は、すでに「性能がどれだけ上がるのか」という段階を超えつつあります。というのも、いまのゲーム業界において、単にパワフルな箱型コンソールを出すだけでは、もはや十分とは言えないからです。
Microsoft(マイクロソフト)は2024年に、「すべてはXboxに(everything in an Xbox )」というスローガンのもと、Xbox Cloud GamingやGame Passを軸にしたキャンペーンを押し出してきました。
しかし、ゲーマーが本当に求めているのは、必ずしもクラウドゲーミングではありません。むしろ多くのユーザーが望むのは、PCゲーミングでは当たり前になっている「自由さ」かもしれないのです。
Xbox部門のトップであるサラ・ボンド氏は、次世代コンソールが開発中であり、それを介して「プレミアムな体験」を提供すると明言しています。このプレミアムな体験がいかなるものなのかによって、Xboxの命運が大きく分かれそうにも思えます。
Xboxは、もはや単なるゲーム機ではない
Xboxのゲーム体験の新たな可能性のひとつが、複数のランチャーに対応する”PC的な”デバイスになるかもしれない、というもの。
『フォートナイト』でおなじみのEpic Games Storeの責任者であるSteve Allison氏は、同社のゲームランチャーを次世代のXboxに統合する予定であると語っています。
Epicのほかに、SteamやGOGといった大手のゲーム配信プラットフォームのランチャーも新型Xboxに対応する可能性があるといいます。もしこれらが実現すれば、ユーザーはGame Passだけでなく、PCと同じ感覚で様々な方法でのゲームの購入や管理が可能になります。
新型のXboxは、AMDの独自チップのAPUが採用され、コンソール機として相当な高性能であることもうわさされています。コンソールゲーム機は、当然ながら細かいグラフィックなどを設定しなくてもスムーズにゲームが動作し、パフォーマンスも担保されるという利点があります。
こうした利点を持ちながら、PC体験に関して多くのノウハウを持つマイクロソフトが、それらをうまく活用できれば、たしかにXboxはプレミアムな体験になるように思えます。
PCゲームのように自由になれるか
PCゲーマーが当然できると思っていることの多くは、Xboxでは制限されています。それはXboxだけではなく、大手のコンソールでも基本的には同様です、
しかし、たとえばSteam運営会社のValveによるSteamOSのように、ゲーム機でゲーム以外のタスクも実行できるようになるかもしれません。具体的には、以下のようなことができる可能性もあるのです。
・MOD(ゲームの改造)の適用やレトロエミュレーターの実行
・ゲーム以外のソフトウェアの実行
・キーボードやマウス、USBデバイスなどWindows互換の周辺機器の使用
これらはPCゲーミングでは至極当然のことですが、これがコンソールゲーム機で対応されるとなれば話は変わってきますよね。
UIについても同様です。The Vergeによれば、多くの内部からの情報として、新型Xboxでは、最近のXbox Cloud Gamingのビジュアルアップデートから流用する部分があるといいます。
つまり、より大きなウィンドウでよりカラフルなインターフェース、コントローラー中心の操作体系が強化される可能性があります。これは小さな変化に見えますが、実際には「PCとコンソールの融合」を見据えた重要な布石とも受け取れます。
重要なのは「性能」ではなく「選択肢」
ここで注目したいのが、Valveの動きです。Steam Deckに代表されるように、ValveはコンソールとPCの境界を意図的に曖昧にし、ユーザーに選択肢を与える方向へ進んできました。
さらに今年前半に発売が予定されている据え置きゲーム機の「Steam Machine」では、すでにそのようなコンソールとPCのハイブリッド的な機能が発表されています。
マイクロソフトは、Valveよりもはるかに大きなエコシステムを持っています。Windows、PCゲーム市場、クラウド、そして多数のハードウェアパートナー。その気になれば、より大規模な形で「PC的Xbox」を展開できる立場にあります。
だからこそ、新型Xboxが単なる性能アップ版に留まるのであれば、それは機会損失とも言えるでしょう。
Xboxにしかできない体験を
結局のところ、新型Xboxに求められているのは「最強のハード」ではありません。プレイヤーがどんな遊び方を選ぶのか、その自由を尊重する姿勢です。
PCのように使えて、コンソールの手軽さもある。もしXboxがその両立を本気で実現できるのであれば、2027年のゲーム市場において、再び存在感を取り戻す可能性は十分にあります。
問題は、マイクロソフトがその覚悟を持てるかどうか。新型Xboxは、その答えを示す試金石になるはずです。

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