ドイツの巨人がまさかの軽自動車用タイヤに参入! 「コンチネンタル」の高い技術と性能に脱帽させられた【東京オートサロン2026】

この記事をまとめると
■コンチネンタルは東京オートサロン2026で軽自動車向け新タイヤ投入を表明
■独自のBlack Chili系技術により安全性・経済性・静粛性を高水準で両立させている
■静粛化とパンク防止を同時実現する新技術も披露し技術力を強く印象づけた
独自の強みを活かしてドメスティック市場で勝機をつかむ
「Continental(以下:コンチネンタル)」は、150年以上もの歴史を持つ超老舗のドイツのタイヤメーカーです。日本ではあまり馴染みがないという人もまだいるかもしれませんが、欧州では高い純正採用率を誇り、約3台に1台がコンチネンタルを装着しているといわれるメジャーな存在です。
そんなコンチネンタルが東京オートサロン2026にブースを構えているということでお邪魔してきましたので、そのリポートをお届けしたいと思います。

今回の展示では、新着のおもなトピックがふたつありました。
ひとつは軽自動車用のタイヤ「ハイパフォーマンス・エコ」シリーズです。軽自動車は日本独自のドメスティックな規格のため、新規の参入はなかなか難しいとされています。なので「そのジャンルにいまか?」という疑問が浮かびますが、コンチネンタルは、あえてその難しいマーケットに新製品を投入するそうです。
軽自動車は商用・自家用ともに、運用のコストが低いことが最大のメリットです。そのため、消耗品のタイヤにはなるべくコストをかけたくないという意識をもっている人は多いと思いますが、独自の調査で「軽自動車とはいえ、安全の水準は高くしたい」という意識が高まっている動きを捉え、その需要にフィットした製品を企画したとのこと。

高い安全水準への要求に応えるためには、制動性能がキーになります。それにはゴムのコンパウンドが重要で、コンチネンタルでは独自の「Black Chili複合コンパウンド」というコアテクノロジーがアドバンテージを発揮。
タイヤには、耐候性や耐久性、グリップ性能を高めるために「カーボンブラック」という炭素の微細な粒子を混入させますが、Black Chili複合コンパウンドでは、通常の10分の1という細かさのカーボン粒子を開発、用いることで、一般粒子を使用した製品よりも路面の凸凹に高い密着性でコンタクトが可能となり、その結果、高いグリップ性能を発揮できます。この密着性はウエット路面での排水性能にも好影響をもたらすので、ドライ/ウエットを問わずに高い安全水準が確保できるというわけです。

軽自動車向けということで、経済性の高さも満たさなければなりません。このハイパフォーマンス・エコでは、その「Black Chili複合コンパウンド」をベースにした「グリーン・チリ3.0テクノロジー」を開発し、グリップ性能と転がり抵抗の低減、長寿命を併せもたせることに成功したそうです。
そして、経済性向上のためにもうひとつ面白い工夫が込められているそうです。サイドウォールの部分にゴルフボールに代表されるディンプルパターンを設けることでタイヤ後方の乱流を抑え、走行時の空気抵抗を低減させることに成功しました。

そして、軽自動車と言えど快適性は重要になります。基本骨格での乗り心地向上はもちろんですが、静粛性も大事な要素です。
ハイパフォーマンス・エコでは、ロードノイズの低減を追求するため独自の走行解析を行いました。その結果、トレッド面からサイドウォールにつながるコーナー部分の打撃音がロードノイズの発生に大きく影響していることが判明。それを低減させるため、打撃音を発生させる要因となるブロックのすき間を最小限に抑え、さらにその配列のピッチを常用速度域の50km/hで最少になるように設定したそうです。

このように、ハイパフォーマンス・エコは高い水準で安全性と経済性を両立させたタイヤに仕上がっていますが、気になるのはその価格です。現段階ではまだ検討中とのことですが、予定では平均価格帯の1.2〜1.5倍に収まるように努力中とのことでした。
コンチネンタルは、高い性能の製品を安く作ることにおいては世界でも指折りのメーカーという自負があるそうなので、期待して注目しておきましょう。
老舗でありながら技術面でも挑戦を続ける
そしてもうひとつのトピックが、静粛性とパンク防止テクノロジーのW採用です。
静粛性の向上にはロードノイズの低減が最重要ですが、そのノイズは路面との接触で発生する細かい衝撃波がタイヤ内の空洞で共鳴することで増幅されて室内に伝わります。その共鳴を抑えるために、トレッド面の内側に専用の発泡ウレタンの層を設ける「ContiSilent タイヤテクノロジー」が開発され、実用化されています。
そしてパンク防止には、これも独自に開発された粘着性のあるシーラント剤の層をトレッド面の内側に設ける「ContiSealテクノロジー」によって実現させています。どちらのテクノロジーもトレッド面の内側に層を設ける仕組みですが、素材がまったく異なるため、同事の採用はおこなわれていませんでした。
しかし、どちらもタイヤの働きを高めるテクノロジーとして欠かせないものなので、なんとか共存できないかと試行錯誤を繰り返した末に、ようやく製品化の目処が立ち、待望の製品化となったそうです。

ブースの展示では、ドリルでトレッド面に穴を貫通させてエア漏れの少なさを確かめるデモがおこなわれていました。貫通させたドリルを抜くまでに、デジタルエアゲージの表示は適正空気圧の2.5barから変わらず、しっかり実証されていました。しかも数センチ間隔で何度もおこなっているにもかかわらず、結果は同じでした。

コンチネンタルのブースでは、このほかにもカービング(溝掘り)のグラフィックが施されたタイヤの展示があり、ユニークなカタチで独自に培ったクラフトマンシップの技術をアピールしていました。

