2024年、ネットショッピング支出が過去最多に。家計は“ネット依存”へ?

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私たちの買い物スタイルは、この数年で大きく変化してきました。特にネットショッピングは、食料品から旅行サービス、デジタルコンテンツまで幅広く活用され、もはや特別な行為ではなく、日常の一部となりつつあります。 便利さが増す一方で、家計管理の面では慎重な判断が求められる場面も増えています。そこで本記事では、その背景と家計への影響をデータから分析し、ネット依存が進む家計の現状を探ります。

ネットショッピングの支出額はなぜ増え続けるのか

総務省の「2024年 家計消費状況調査」によると、2人以上世帯の月あたりのネットショッピング支出額は平均で2万4928円、利用世帯あたりでは4万5047円、利用世帯割合は55.3%という結果で調査開始以来、過去最高となりました。
これは、スマートフォンとキャッシュレス決済の普及により、買い物のハードルが大きく下がったことが背景にあると考えられます。また、ネットショッピングの名目支出額は前年比で8.3%増加し、物価上昇率を上回る伸びを示しました。
これは、値上げ分だけでなく購入頻度そのものが増えていることを意味します。これらのことから、買い物の中心がリアル店舗からネットに移り、家計内に占めるネットの存在感が一段と高まっているといえます。

ネットショッピングで何を買っているのか? 支出先は多様化

同調査でネットショッピングの支出内容を見ると、最も多いのは食料で全体の21%を占めています。次いで旅行関係費が20.8%で、前年比でも大きな増加となりました。これは、旅行需要の回復やオンライン予約の一般化が影響していると考えられます。
また、電子書籍やアプリなどのデジタルコンテンツも増加傾向にあり、消費行動のデジタル化が進んでいます。ネットショッピングの対象が「モノ」から「サービス」へ広がることで、今後さらに家計におけるネットの比重が高まる可能性があるといえるでしょう。

家計全体を見ると消費は増加。しかし実質は減少の恐れ

一方で、家計全体の消費支出にも目を向けるべきです。総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編) 2024年」によると、2人以上世帯の月平均消費支出は30万243円 で、名目では前年比 2.1%の増加 でした。
しかし消費者物価の上昇(前年比+3.2%)を考慮すると、実質ベースでは1.1%の減少に相当します。
つまり、ネットショッピングの支出は増えているものの、家計全体の購買力は下がっており、買い物の場がネットに移っても、トータルの出費が増えているわけではない家庭も少なくない可能性があります。
ネット依存(=リアル消費のネットへの移行)が進んでも、家計管理や将来の貯蓄・資産形成を考えると、むしろ慎重な支出管理が求められるでしょう。

ネット依存に潜むリスク

ネットショッピングは、ワンクリックで購入できる手軽さが魅力です。しかし、同時に心理的な購入ハードルが下がりやすい面もあります。実店舗であれば自然と生まれる「本当に必要かどうかの判断時間」が短くなり、衝動買いや重複購入につながりやすくなるためです。
また、定期購入やサブスクリプションの拡大により、支出が見えにくくなる点もリスクと考えられます。物価上昇により実質的な家計負担が増すなか、無意識のネット支出が積み重なれば、生活の安定に影響を与える可能性もあるでしょう。

ネットでもリアルでも賢くお金を使おう

ネットショッピングは生活の利便性を大きく高める反面、支出が増えやすい環境であることも事実です。ネットショッピングの利用には、支出を月々の予算に組み込み、必要な物と欲しい物を意識して区別することが大切です。
また、購入前に一定時間を置くことで衝動買いを防ぎやすくなります。ネット消費が生活に浸透した今だからこそ、家計の全体像を把握し、リアルとネットの支出のバランスを取りながら、賢いお金の使い方を心掛けていきましょう。
 

出典

総務省統計局 2024年 家計消費状況調査 結果の概況
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年) 家計の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー