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暗い夜空が消えていく…?

いま人類は人工的な光によって、自然な夜の闇を破壊してしまう光害を加速させているといわれています。宇宙空間では、人工衛星などのスペースデブリが星空の観測を妨げ続けるなか、さらに懸念される試みが来年スタートするかもしれませんよ。

夜間も太陽光を反射する巨大ミラー

米国カリフォルニア州で、新たな検証目的の「EARENDIL-1」の人工衛星打ち上げを目指しているReflect Orbital。無事に米連邦通信委員会(FCC)によって打ち上げ許可が得られれば、来年4月にはEARENDIL-1が地球周回軌道上に投入される予定です。

EARENDIL-1は、広げると334 平方メートル(バレーボールコート2つくらい)にも達する、巨大なミラーを展開。ここに太陽光を反射させ、地上で待ち構えるソーラーファームへと、安定して太陽光を届けられるとされています。通常なら、太陽からの光が降り注ぐ日中しかできない太陽光発電を、夜間もミラーから反射する太陽光で継続できるとアピールされているんだとか!

ミラー反射だと効果は薄い?

太陽が沈んでからもソーラー発電を続けられる…。夢と理想は壮大ですが、多くの天文学者たちは、その効果に疑問を呈しています。

たとえば、オーストラリアのモナシュ大学のMichael J. I. Brown教授ならびにオランダのライデン大学のMatthew Kenworthy教授は、衛星のミラーで反射されて地球に届く太陽光は、日中の太陽光と比較して、実に1万5000分の1ほどの明るさでしかないと試算。

満月の光よりは明るいとされるものの、仮に3000基の人工衛星が広げるミラーで反射させて集めても、ようやく日中の太陽光の2割程度に過ぎないとされていますね。軌道周回中に反射させる仕組みのため、全衛星が同時に地上のソーラーファームへ反射光を送れるわけではありません。両教授からは、実用性に足る運用には、宇宙空間に4000基の衛星を展開させ、ミラーを広げて太陽光反射を継続できる体制構築が必要との見通しまで示されていますよ。

本当に進めてよいのか?

どこまで現実的な発電計画なのかさえ怪しく感じられるReflect Orbitalの構想。しかしながら、すでに米空軍の発注するSmall Business Innovation Research(SBIR)のプログラムで、125万ドル(約1億9700万円)規模の契約を獲得。順調に進めば、2030年までに4000基の人工衛星を展開し、広がるミラーで太陽光を反射して集められる体制が整うとアピールされています。

一方、多くの専門家は、かつてないレベルまで光害が進むことに警鐘を鳴らしてきました。ただ夜空が異常に明るくなってしまう懸念が出されるのみならず、そもそも膨大な人工衛星が、宇宙ゴミと化して漂い続ける結末にしかならないと警告。検証目的のEARENDIL-1すら、打ち上げを許可するべきでないとの立場の科学者たちも少なくないみたいです。今後の計画の行方が気になりますよね。

Source: Reflect Orbital

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